■BEVを「より魅力的な選択肢」にするために
トヨタは2025年10月9日、BEV(バッテリーEV)「bZ4X」の一部改良を発表し、同時にBEVをより魅力的な選択肢とするための新たな純正充電器や充電サービスの導入を明らかにしました。
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今回の発表は、車両性能の向上だけでなく、ユーザーの利便性を高める充電インフラの整備まで含めた総合的な取り組みであり、カーボンニュートラル実現に向けたトヨタのBEV戦略を具体的に示すものです。
トヨタは、カーボンニュートラルの実現に向けた基本的な考え方として「敵は炭素」であるとし、「マルチパスウェイ」を軸とした多様な選択肢の提供に取り組んでいます。
これは、エネルギーの未来や顧客が生活する地域ごとの現実に寄り添い、BEV(バッテリーEV)だけでなく、HEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池車)、CN燃料(カーボンニュートラル燃料)など、様々な道筋でCO2削減を目指す戦略です。
このマルチパスウェイ戦略のもと、トヨタは「BEVにも本気」である姿勢を明確にしており、世界各地でBEVのラインアップを拡充しています。
日本市場向けのbZ4Xだけでなく、2025年にはグローバルで北米向けの「bZ Woodland」、欧州向けの「TOYOTA C-HR+」、中国向けの「bZ7」、そして日本で「e-Palette」といった多様なBEVを発表しています。
トヨタは、BEVをより普及させ、ユーザーにとって魅力的な選択肢とするためには、車両そのものの性能向上だけでなく、充電環境の整備が不可欠だと考えています。
ユーザーからは、家庭での充電に関して「自宅で手軽に充電したい」「スタイリッシュな充電器が欲しい」、外出先での充電では「気軽に充電スポットを使いたい」「充電時間を短くしたい」、そして車両本体には「より長い航続距離が欲しい」「BEVらしい走りを楽しみたい」といった様々な声が寄せられていました。
これらの声に応えるため、トヨタはモビリティカンパニーとして、以下の3つの具体的な取り組みを実施します。
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1.トヨタ純正普通充電器の新設定
2.新充電サービス「TEEMO」のスタート
3.bZ4Xの一部改良(航続距離伸長、充電性能向上)
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まず、家庭での充電(普通充電)の利便性を高めるため、トヨタとして初めて「トヨタ純正普通充電器(純正「トヨタ6kW充電器」)」を販売店オプションとして新たに設定しました。
家庭用充電器はEVユーザーにとって重要なアイテムです。自宅に充電器があることで、いつでも満充電の状態にでき、外出先での充電の心配が軽減されます。また、夜間の安い電力を利用して経済的に充電することも可能です。
今回開発された純正普通充電器は、6kW出力に対応。bZ4X(Zグレード)の場合、夜間に充電を開始すれば翌朝には満充電が可能です(駆動用電池温度25度の場合、残量約10%から満充電まで約13時間)。
形状や見た目にもこだわり、日本の駐車場の大きさに配慮した薄型構造を採用。充電コネクタを横に収納することで、多様な住居やクルマに自然に溶け込むデザインを実現しました。カラーはブラックとホワイトから選べます。
別売りの「デマンドコントローラー」を併用することで、家庭内の電力使用状況に応じて充電に使う電力を自動でコントロールできます。ブレーカーが落ちる心配なく、家電を使いながら充電可能です。
また、設置からアフターフォローまでワンストップでトヨタ販売店によるサポートを受けられる点もならではの利点でしょう。安心して利用できる5年間の長期保証も付帯します。
この充電器を開発したCNシステム開発部 充電インフラ先行開発室の芦田毅氏は、「新生bZ4Xの登場に合わせて、トヨタ初の普通充電器(オリジナル壁掛け充電器)を新開発しました。これまで日本の家庭用充電器は3kW出力充電が主流だったのですが、bZ4Xのように電池容量の大きいBEVが今後増えていくことを考えて、より充電スピードの速い6kW出力の充電にも対応できるようにしました。
6kWならば、一晩(8時間)で約300km程度走行できる電力を充電できますので、頻繁に長距離移動されるお客様も安心していただけます。また、自宅充電をすることで、近距離走行メインであれば、外出先で充電する必要も無くなりますので、より快適なBEVライフをお過ごしいただけます」とコメントしています。
さらに、外出先での充電(急速充電)の利便性向上を目指し、新充電サービス「TEEMO」がスタート。このサービスは、BEV・PHEVの普及を見据え、ユーザーの利便性を高めることを目的としています。
TEEMOは、オープンな会員制度を特徴とします。トヨタ車ユーザーだけでなく、他社製のBEV/PHEVユーザーも加入可能です。シンプルな料金体系も魅力で、月額基本料金は無料で、充電器の出力に応じた従量料金制となっています。
TEEMOアプリを使えば、充電スポットの検索から充電、決済までをスマートフォン一つで完結できるというシンプルな使い勝手もポイントTEEMO会員は充電器の取り置き予約も可能です。
TEEMO充電器の約3割が最大出力150kWの高出力タイプで、今後さらに拡大予定です。なお、新型bZ4Xの購入者限定で、TEEMO充電器の利用料金が1年間無料になるキャンペーン(月2回、1回30分上限)が実施されます。
料金プランは、誰でも入会できる「TEEMO Lite」と、2025年10月以降発売のトヨタBEV/PHEVオーナー向けの「TEEMO」の2種類が用意されます。月額基本料金が0円であることに加え、出力別の料金設定により、他社サービスと比較しても競争力のある価格となっています。
トヨタ純正普通充電器の発売とTEEMOのサービス展開は、2025年後半以降に予定されています。
■bZ4Xを一部改良、補助金利用でHEVと同等の価格に!
車両本体であるbZ4Xも、2022年4月の発売以降に寄せられた顧客の声に応えるべく、大幅な改良が実施されました。「もっと使いやすく」「もっと乗りやすく」「もっとかっこいい」という3つのテーマに基づき、進化を遂げています。
航続距離の延伸と充電時間の短縮によって使いやすさを向上。バッテリーのセル数を従来の96個から104個に増やして総電力量をアップさせるとともに、eアクスルのエネルギーロスを約40%削減。
これにより、一充電航続距離(WLTCモード)はFWDモデルで746km、4WDモデルで687kmへと大幅に向上しました。これは東京から青森(約700km)に相当する距離です。
また、新たに「バッテリープレコンディショニング」機能を搭載し、低温時の急速充電時間を短縮。充電前にバッテリーを適切な温度に温めることで、外気温が-10度の厳しい環境下でも、150kWの急速充電器で約28分(残量10%→80%)での充電が可能になりました。
加速性能の進化と走りの楽しさにも注目です。「スムーズでパワフルなSUV」を目指し、ショックのない伸びやかな加速を追求。
特に4WDモデルでは、フロント側eアクスルの出力を従来型の約2倍とし、システム最大出力は160kW(218PS)から252kW(342PS)へと大幅に向上しました。これにより、0-100km/h加速は6.9秒から5.1秒へと短縮されています。
回生ブレーキも改良され、パドルシフトで減速度を4段階に切り替え可能とし、ドライバーの感覚に合った走りを選択できるようになりました。
スタイリングもブラッシュアップ。エクステリアのフロントデザインは、真一文字に伸びるハンマーヘッド形状と、フード中央から両サイドに伸びるLEDデイタイムランニングランプにより、スポーティで印象的な見栄えを演出しています。
インテリアでは、水平基調のシンプルなインストルメントパネルが広さを演出し、新しいデジタル体験を提供するコンソール類を採用。Zグレードに設定されるパノラマルーフは、中央の補強材をなくすことで、より開放的な空間を実現しました。
トヨタは「BEVをマルチパスウェイの一つの選択肢にしたい」という想いから、価格設定にも配慮しています。補助金を反映した後の実質的な価格を、同等車格のハイブリッド車(「ハリアー」「RAV4」など)と同程度にすることを目指しました。
価格(消費税込)は、Gグレード(FWD)が480万円、Zグレード(FWD)が550万円、Zグレード(4WD)が600万円です。
これに対し、エコカー減税やCEV補助金などを合わせると、約94万8500円(エコカー減税約3万円、グリーン化特例約1万8500円、CEV補助金90万円)の優遇が受けられます。これに各自治体の補助金を合わせると、さらに実負担金額が下がる可能性があります。
※ ※ ※
今回のbZ4Xの一部改良と新サービスの導入は、車両の魅力を高めるだけでなく、充電インフラや購入・維持コストといったユーザーが直面する課題にも正面から向き合うものです。
現在日本におけるEVの普及率は1.4%ほどとなっていますが、トヨタはマルチパスウェイ戦略のもと、BEVを誰もが安心して選べるより身近で魅力的な選択肢とするための取り組みを加速させていきます。(くるまのニュース編集部)
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