現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則123】2代目メルセデスCLKクーペはフェイスリフトでさらに深みのある乗り味に

ここから本文です

【ヒットの法則123】2代目メルセデスCLKクーペはフェイスリフトでさらに深みのある乗り味に

掲載 更新
【ヒットの法則123】2代目メルセデスCLKクーペはフェイスリフトでさらに深みのある乗り味に

2005年秋、2代目メルセデス・ベンツCLKクーペは、シャープさを増した内外装、新世代エンジン、高い安全性能を身につけて大きく進化している。現在(2020年1月)はEクラスクーペへと受け継がれている、その個性の根源を日本でのテストドライブで振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年1月号より)

GTとしての性能にさらに磨き
最近のメルセデスは、マイナーチェンジをすると、ことごとく素晴らしい乗り味を手に入れている。Cクラス、Eクラスと続き、このCLKクラスもまたその例に漏れないものだった。

【くるま問答】アイドリングストップ機能はよいことばかりではない。OFFスイッチはいつ使う?

今回の改良は内外装や装備を中心としたものだが、注目はSLKクラスやEクラスに搭載されて好評の3.5RV6DOHC24バルブエンジンを新たに搭載したことであろう。CLK350にはもちろん、カブリオレボディも用意される。

インプレッションに入る前に、改良のおさらいをしておこう。まず、フロントマスクがよりシャープな印象になった。これはバンパーデザインの変更に伴って先端を延伸し、中央にエッジを効かせたため。グリルデザインもバー数を変更するなど、より精悍に見せる工夫がなされた。外観ではその他、アルミホイールデザインを一新。リアコンビネーションランプのデザインを変えるのも、最近のメルセデスのマイチェン流儀である。

最近のマイチェン流儀といえば、安全装備の拡大も挙げられる。すなわち、追突など後方からの衝撃に際して頚椎損傷を低減するネックプロ・アクティヴ・ヘッドレストや、バイキセノンライトに組み合わされるアクティブライトシステムとコーナリングライトなどがそれだ。

そろそろ本題に移ろう。DOHC化なった新世代のV6ユニットだが、他モデルと同様に、7速ATの7Gトロニックが組み合わされる。試乗したクーペモデルはアバンギャルド仕様だ。17インチの5スポークアルミホイールを履き、インテリアトリムはブラックアッシュウッドとなる。同じくカブリオレはエレガンス仕様となり、17インチではあるが9本スポークタイプのエレガントなアルミホイールが与えられ、インテリアトリムもダークアッシュウッドで雰囲気を変えている。要するに、クーペはハードに、カブリオレはソフトに、とテイストを2極化した。クーペにはAMGスポーツパッケージさえ用意される。

新開発のV6と7Gトロニックの相性は相変わらず素晴らしい。低速から湧き出る豊かなトルクをよどみなく後輪に伝え、スムーズかつ力強い加速を実現している。ただ、ラフなペダル操作をすると、Cクラスのボディサイズにこのエンジンは十分過ぎて、ギクシャクした動きも出る。右足に抑制さえ効けば、かっちりとしたボディを弾性あるものに感じさせる最近のメルセデス流ボディチューニングの恩恵で、パワーの過多感を上手く抑え、クルマ全体が忽然となって動くという乗り味になる。

もちろん、得意科目であったGT性能にも磨きがかかった。相変わらずの直進性能と、さきほどの忽然とした一体感、そして意のままの加速力が加わって、GTとして使うパーソナルクーペとしては無敵である。スポーツ性こそBMWあたりに劣るものの、それ以外の性能面では文句なしに、そしていまなお一番。頃合のサイズも使い勝手に優れる。

とまあ、もっと評価されてもいいCLKクラスだが、やはりその強気な価格設定が、ツウ好みのメルセデスという印象を与えるようだ。何せ、同じエンジンを積むSLKよりも、クーペですら高額。カブリオレで比較すると約150万円のプラスαなのだ。メルセデスのクーペを買うぐらい余裕のある人には座席数など関係なく、となればハードルーフオープンで買い得なSLKに目がいってしまうのも無理はない。

ただし、メルセデスらしい深みのある乗り味が欲しければ、CLKクラスを選ばなければならない。のど越しがビロードのようなヴィンテージワインの味わい。一方のSLKは、当たり年で旨いがあっさりとした味わいのボージョレだろう。もちろん、どちらを好むかは人それぞれだが、長く付き合うならばCLKだと思う。何年後に飲んでも、上手に付き合ってさえいれば、旨いと感じるはずだからだ。(文:西川淳/Motor Magazine 2006年1月号より)



メルセデス・ベンツCLK350アバンギャルド(2006年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4660×1740×1415mm
●ホイールベース:2715mm
●車両重量:1630kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3497cc
●最高出力:272ps/6000rpm
●最大トルク:350Nm/2400-5000rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:798万円

[ アルバム : メルセデス・ベンツCLK350アバンギャルド(2006年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

テスラ「モデル3」 最高速262キロ!専用デザインの新グレード「パフォーマンス」追加
テスラ「モデル3」 最高速262キロ!専用デザインの新グレード「パフォーマンス」追加
グーネット
ヒョンデ、高性能EV「IONIC 5 N」の国内仕様車の概要を発表 4月25日から期間限定モデル「First Edition」の購入予約受付を開始
ヒョンデ、高性能EV「IONIC 5 N」の国内仕様車の概要を発表 4月25日から期間限定モデル「First Edition」の購入予約受付を開始
月刊自家用車WEB
「サーキット以外の場所でやることにも意味があったと思う」盛り上がりを見せた岩佐歩夢発案のSFキャラバンが成功裏に終了
「サーキット以外の場所でやることにも意味があったと思う」盛り上がりを見せた岩佐歩夢発案のSFキャラバンが成功裏に終了
AUTOSPORT web
新型スイフトスポーツも新型ワゴンRも24年夏に登場予定か!? スズキは計5台の新型を投入で戦力アップなるか
新型スイフトスポーツも新型ワゴンRも24年夏に登場予定か!? スズキは計5台の新型を投入で戦力アップなるか
ベストカーWeb
「SLS AMG」の偉大さをメカニズムから検証。速さだけでないメルセデスの安全思想も注ぎ込まれた最高傑作の1台でした
「SLS AMG」の偉大さをメカニズムから検証。速さだけでないメルセデスの安全思想も注ぎ込まれた最高傑作の1台でした
Auto Messe Web
スーパーカーオーナーさん、いらっしゃい──新型ヒョンデ アイオニック5 N試乗記
スーパーカーオーナーさん、いらっしゃい──新型ヒョンデ アイオニック5 N試乗記
GQ JAPAN
愛犬家は要チェック!?ルノー「カングー」最長1年間貸与!モニターキャンペーン実施
愛犬家は要チェック!?ルノー「カングー」最長1年間貸与!モニターキャンペーン実施
グーネット
軽からミニバンまで!車中泊にぴったりの厚さ8cmマット、新デザイン登場 ベアーズロック
軽からミニバンまで!車中泊にぴったりの厚さ8cmマット、新デザイン登場 ベアーズロック
グーネット
BMW 燃料電池車「iX5 ハイドロジェン」 日本での実証実験を2024年も継続
BMW 燃料電池車「iX5 ハイドロジェン」 日本での実証実験を2024年も継続
グーネット
【24’ 4/22最新】レギュラーガソリン平均価格、再び175.0円に値上がり
【24’ 4/22最新】レギュラーガソリン平均価格、再び175.0円に値上がり
グーネット
代役スピネッリ、SBK初陣でギャンブル大成功「これがレース!信じられないような勝利で嬉しい」/第3戦オランダ
代役スピネッリ、SBK初陣でギャンブル大成功「これがレース!信じられないような勝利で嬉しい」/第3戦オランダ
AUTOSPORT web
「盗まれた」県が怒りの声明 県道の工事現場から“かなり重い資材”が複数 被害総額300万円超
「盗まれた」県が怒りの声明 県道の工事現場から“かなり重い資材”が複数 被害総額300万円超
乗りものニュース
さよなら「ゾエ」! ルノーのEV先駆者を振り返る 後継は「5」 楽しい走りで電費は優秀
さよなら「ゾエ」! ルノーのEV先駆者を振り返る 後継は「5」 楽しい走りで電費は優秀
AUTOCAR JAPAN
「911ターボ」登場から50年! 「911ダカール」と「タイカンGTS」と並んでポルシェの過去・現在・未来を表現したブースがおしゃれ
「911ターボ」登場から50年! 「911ダカール」と「タイカンGTS」と並んでポルシェの過去・現在・未来を表現したブースがおしゃれ
Auto Messe Web
王者ミケリスが貫禄のポール・トゥ・ウイン。新たな僚友ジロラミも初勝利/TCRワールドツアー開幕戦
王者ミケリスが貫禄のポール・トゥ・ウイン。新たな僚友ジロラミも初勝利/TCRワールドツアー開幕戦
AUTOSPORT web
羽付き9X8のデビュー戦9位は「最大限の結果」とプジョー技術ボス。1周目の事故で損傷の94号車も完走
羽付き9X8のデビュー戦9位は「最大限の結果」とプジョー技術ボス。1周目の事故で損傷の94号車も完走
AUTOSPORT web
もはやガソリン車より便利に…? 高速道の「EV充電器」怒涛の増設! 魔の空白区間?―“出ていいよ”
もはやガソリン車より便利に…? 高速道の「EV充電器」怒涛の増設! 魔の空白区間?―“出ていいよ”
乗りものニュース
全長5.7m級の「斬新トラック」実車公開! ド迫力“カクカク”デザイン×「全面ステンレス」ボディ採用! 「サイバートラック」を披露
全長5.7m級の「斬新トラック」実車公開! ド迫力“カクカク”デザイン×「全面ステンレス」ボディ採用! 「サイバートラック」を披露
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

599.0807.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.0110.0万円

中古車を検索
CLK クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

599.0807.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.0110.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村