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6速MT搭載のシビックRSとマツダ3 Xツーリング。欧州で戦う国産スポーツハッチバックの矜持

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6速MT搭載のシビックRSとマツダ3 Xツーリング。欧州で戦う国産スポーツハッチバックの矜持

「ホットハッチ」という言葉があるとおり、コンパクトハッチバックにスポーツ性を求める声は今も昔も変わらずある。そんな需要に応えるかのようなスポーツ性と、MTゆえのクルマを操る感覚を味わわせてくれる国産車、ホンダ シビックRSとマツダ3 ファストバック Xツーリングを連れ出し、それぞれの愉しさを探求した。(Motor Magazine 2025年5月号より/文:島下泰久、写真:平野 陽、根本貴正)

軽快さか、上質さか。同じCセグメントの異なる愉しさ
「Cセグメント」とは要するに「欧州Cセグメント」である。しかしながら国産車メーカーにも、そこで戦う有力なモデルが存在することを忘れてはならない。ホンダ シビックとマツダ3は、その代表選手だと言っていいだろう。

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振り返れば、シビックは日本での販売を休止していたこともあるし、北米を意識した仕様になった時期もある。マツダ3は今でこそその車名だが、かつてはファミリアでありアクセラだった。

そんな多少の紆余曲折こそあったものの、基本的には欧州をターゲットに開発され、その息吹を日本のユーザーにも伝えてきたこの2台。だからこそとも言えるが、ともに走りの愉しさをセールスポイントにしてきた存在でもある。その証左に・・・というわけではないかもしれないが、いずれも日本向けにMT仕様を設定している。

シビックは現行モデルの登場当初からMTモデルの人気が高く、そんな背景からマイナーチェンジを機に設定されたのが、走りにスパイスを効かせたMT専用車のシビックRSである。実際、発売から1カ月間の受注台数のうち、約7割がRSだったという。

対するマツダ3はファストバック Xツーリングのブラックレザーパッケージ。マツダ渾身のスカイアクティブXユニットに4WD、6速MTという組み合わせだ。

車両価格は前者が約440万円に対して、後者は約400万円。ほぼ真正面からぶつかる相手だと言っていいはずだ。

シビックのボディサイズは全長4560×全幅1800×全高1415mm。対するマツダ3は全長4460×全幅1795×全高1440mmで、当然と言うべきかほぼ重なる。セグメント内で見ると両車とも全長は長め。参考までにフォルクスワーゲン ゴルフは全長4295mmである。

パワースペックはほぼ同等でもエンジン特性は大きく異なる
デザインはいずれもスペシャルティ風。しかしながら、そのメソッドはまったく異なる。シビックは従来型に対してAピラーをキャビン側に引いて、相対的にノーズを長く見せるプロポーションを採る。全高も低く、おかげでいわゆるFFハッチバック感は薄い。

マツダ3は、大胆に面が移ろうボディサイドの抑揚がマツダ車らしいポイント。加えて、後半でなだらかに下がっていくルーフライン、そしてキックアップしたサイドウインドウなどによって、クーペライクに演出している。

今や室内空間重視ならばクロスオーバー/SUVがある。コダワリ派があえて選ぶ存在となりつつあるCセグメント車は、もはや後席居住性を最優先にしないのだ。

実際にシビックのインテリアは、低くフラットなダッシュボードとキャビン側に寄せたAピラーにより視界が開けていて、前席はとても快適である。後席足元の広さは十分。ラゲッジスペースも大容量で、かつシートアレンジでワゴンのように使うこともできる。

足を踏み入れた瞬間から、良いモノ感にあふれているのがマツダ3のインテリアだ。全体が滑らかな曲面で覆われ、その多くがソフト素材とされた、まさにスペシャルティ感の強い空間である。

後席は外観から想像するより狭くないが、サイドウインドウが小さいこともあり閉塞感は強め。ラゲッジスペースも、広さは十分にあるが開口部は小さい。このあたりは潔く割り切られている。

到達地点は同じようなところなのに、アプローチはまったく異なる。そんな2台の関係性は、パワートレーンにも現れている。シビックRSは最高出力182ps、最大トルク240Nmを発生する1.5Lターボユニット。慣性モーメントを30%低減した軽量シングルマスフライホイールや、シフトダウン時の回転数合わせを自動で行なうタイプR譲りのレブマッチシステムなどを採用する。

対するマツダ3のエンジンはスカイアクティブX。SPCCI(火花点火圧縮着火)を採り入れたガソリンエンジンである。排気量は2L。もっと排気量を大きくしたかったが、Cセグメントには不相応という理由で2Lに抑えられ、代わりにスーパーチャージャーを搭載。しかもMHEVシステムも備える複雑な構成だ。そのスペックは最高出力190ps、最大トルク240Nm。シビックRSと誤差レベルしか違わないというのが面白い。トランスミッションは6速MTのほかに6速ATも選べ、駆動方式は4WDだけとなる。

軽やかで小気味良いシビック。しなやかで素直なマツダ3
では実際に走らせるとどうか。まずはシビックRSに乗り込む。

印象的なのは、やはりエンジンだ。過給ユニットらしく2000rpmあたりからトルクが湧き上がり、登り勾配でも力強く加速していく。トップエンドは6000rpmを過ぎたあたりで頭打ちになるが、そこまでの勢いは良く、野太いサウンドも相まってスポーティな感触を楽しめる。しかも、短いストロークでカチッと決まる6速MTの感触がたまらない。シフトアップ時の回転落ちも素早く、その小気味良さにシフトチェンジを繰り返したくなる。

適度に引き締められたサスペンションはロールを抑え込み過ぎず、ワインディング路にちょうど良い。荒れた路面ではヒョコヒョコとした動きも出るが、ガツンと突き上げたり安っぽい挙動変化をもたらすことはない。それでも正直、高速巡航中はもう少し動きを落ち着かせたいところだが、RSを選ぶオーナーならば許容範囲と踏んだのだろう。

マツダ3ファストバック Xツーリングに乗り換えると、こちらのステアリングホイールは明らかに細身で繊細、また直径はわずかに小さそうだ。表皮は適度な柔らかさがあり、手に吸い付くような感触で、操舵感は絶品。良いモノに触れている実感が嬉しい。

アクセルペダルはオルガン式。こちらの6速MTはシフトストローク長め、かつ適度なしなり感があり、最後ゲートに吸い込まれる瞬間にカチッと決まる。操作にストーリーがあるのだ。

そんなタッチも含めて走りの質感は想像以上に別物で、マツダ3は操作系だけでなく挙動のすべてがしなやかなのである。減速から操舵して旋回姿勢に入り、立ち上がるまでの一連の挙動は、まるでひと筆書きのよう。

トーションビーム式としたマツダ3のリアサスペンションは、つねに安定した接地感を保ち続け、ストロークしても動きは素直で車体が無駄にあおられたりはしない。しかも、4WDらしくアクセルペダルを踏むほどにピタッと落ち着いてくる。走ることが好きなオトナにとっては、たまらないシャシに違いない。

肝心のパワーユニットは、まるで素直な自然吸気エンジンのよう。回転上昇とともにパワーが高まり、トップエンドまで勢い良く到達する様には、内燃エンジンを操る悦びが詰まっている。

そして改めて感心させられたのがアクセルオン/オフ操作に対するツキの良さである。これぞ、まさに圧縮着火の恩恵だろう。混合気を吹いて、火花を飛ばして、次第に燃え広がるのではなく、圧縮された混合気が一気に自己着火するだけに、タイムラグがないのだ。

この類まれな好レスポンスこそスカイアクティブXの旨味。ツキが良いから変速も意のままに決まる。レブマッチシステムは備わらないが、好ましいペダルレイアウトのためヒール&トゥは容易だから、リズミカルに楽しめる。フットワークを含め、すべてに統一感あるのがマツダ3の走りなのだ。

同じ国産Cセグメントでもそれぞれ異なる「らしさ」
速さをメインテーマにしたスポーツではなく、街中やワインディング路などの日常領域、あるいはそれプラスアルファの領域において打てば響くような軽快な走りっぷりこそが、シビックRSの最大の持ち味。しかもパッケージング、使い勝手も上々で、どんな場面にもフィットする。人気の理由に改めて納得させられた。

一方のマツダ3ファストバック Xツーリングは、素材選びから走り味までとにかく全身が上質。心よく反応するエンジンをMTで唄わせ、ひらりと舞うようなコーナリングを楽しむオトナのスポーツだ。両車、描き出されている走りの世界はまったく異なる。

同じCセグメントというカテゴリーにあり、しかも国産車の中でも欧州志向がひときわ強いこの2台。しかしながらキャラクターはまったく違っていて、いずれも出来映えは素晴らしいものだった。世界で戦い、揉まれて強くなったシビックとマツダ3。存在していることが嬉しい、まさに日本が誇るCセグメントカーである。

ホンダ シビック RS  主要諸元
●全長×全幅×全高:4560×1800×1410mm
●ホイールベース:2735mm
●車両重量:1350kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1496cc
●最高出力:134kW(182ps)/6000rpm
●最大トルク:240Nm/1700-4500rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・47L
●WLTCモード燃費:15.3km/L
●タイヤサイズ:235/40R19

マツダ3 ファストバック Xツーリング(ブラックレザーパッケージ) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4460×1795×1440mm
●ホイールベース:2725mm
●車両重量:1490kg
●エンジン:直4DOHCスーパーチャージャー+モーター
●総排気量:1997cc
●最高出力:140kW(190ps)/6000rpm
●最大トルク:240Nm/4500rpm
●モーター最高出力:4.8kW(6.5ps)/1000rpm
●モーター最大トルク:61Nm/100rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・48L
●WLTCモード燃費:17.7km/L
●タイヤサイズ:215/45R18

[ アルバム : シビック RSとマツダ3 ファストバック Xツーリング はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Motor Magazine編集部
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みんなのコメント

41件
  • *********
    この2台を出されたらトヨタでは太刀打ちできる車は無い。
     コストダウン安物プラットフォームにヤリスの内装で造った車しか無いのだから、質感を言い出したらSUZUKIとしか戦えないトヨタ。
  • dyn********
    シビックもMAZDA3もMTがあるだけで今や貴重な存在。
    MAZDA3のコスパの良さとデザインは魅力的だし
    シビックのスポーティーさも捨てがたい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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