自動車メーカーの研究開発の成果や新型モデルのお披露目を目的として、世界各地で開催されるモーターショー。
モーターショーには、多くのコンセプトカーが出展されますが、実際に市販化されたモデルを見て「あれ?」と残念に思うこと、ありますよね。今回はそんな、「コンセプトカーと違いすぎたクルマ」をご紹介します。
【ロードスター N-BOX クラウン GT-R】 ニッポン人の心に響く“和”のクルマたち
文/立花義人
写真/MAZDA、DAIHATSU、NISSAN、TOYOTA、MITSUBISHI、SUBARU、編集部
(画像ギャラリー)(画像ギャラリー)コンセプトカーと大きく変わったクルマの現行モデルたち
■ダイハツ イース(市販モデル:ミライース)
2009年に開催された第41回東京モーターショーにコンセプトカーが出展され、2011年に「ミライース」として発売されました。
コンセプトカーは市販モデルよりも全長が300mm程度短く、3ドアハッチバックモデルであったため、そのデザインは来場者の間で「和製ミニクーパー」と呼ばれ話題になりましたが、実際に市販されたモデルはシンプルなデザインとなっていました。
ダイハツ イース(2009年出展)。「小さい・軽い・燃費がいい」を追求したコンセプトモデル。10・15モード燃費で30.0km/Lを実現
ダイハツ ミライース(2011年)。従来比で40%の燃費性能を改善を果たした『e:Sテクノロジー』を採用。JC08モード燃費で30.0km/Lを達成
■日産 GT-Rコンセプト(市販モデル:GT-R)
2001年の第35回東京モーターショーで「GT-Rコンセプト」が出展され、当時日産のCOOであったカルロス・ゴーン氏によって「GT-R」の開発が発表されました。
全体のフォルムはコンセプトカーに近い雰囲気ではあるものの、フロントライト周りの造形が大きく変わっていました。実際にGT-Rが発売になったのは2007年ですから、発表から6年の開発期間中にデザインのトレンドが変化し、その影響が市販モデルとの違いに表れたのかもしれません。
日産 GT-Rコンセプト(2001年出展)。当時まだ発売中だった、R34型スカイラインGT-Rとはかなり違うデザインを採用した
日産 GT-R(2007年)。ベストカーでおなじみ、水野和敏氏が開発責任者を務めた、日本が誇る高性能スポーツカー
■トヨタ FT-CH(市販モデル:アクア)
「FT-CH」は、2010年の北米国際オートショーにて公開されたコンセプトカーです。翌年の12月に発売された「アクア」のデザインベースになったと言われていますが、エクステリア、インテリアともにデザインが全く異なっていました。
コンセプトカーからは近未来感が漂い、このまま市販されるとは言いにくいデザインではありますが、コンセプトカー発表の翌年に市販化されていることを考えると、もう少し市販モデルに近いかたちで展示されていてもよい気がします。
トヨタ FT-CH(2010年出展)。フランス・ニースに拠点を置くトヨタの欧州デザイン部門、ED2が担当したコンセプトモデル
トヨタ アクア(2011年)。「トライアングル・シルエット」と称されるデザインを採用。Cd値
(空気抵抗係数) は当時のコンパクトカーで最高の0.28だった
■三菱 Concept-D:5(市販モデル:デリカD:5)
2005年に開かれた東京モーターショーにて、アウトランダーやギャランフォルティスに採用されているGSプラットフォームをベースとしたSUV「Concept D:5」が発表されました。翌年、市販モデルの車名を「デリカD:5」とすることが発表され、2007年1月から販売が開始されました。
アプローチアングルを可能な限り大きくとるため、前後のバンパーが斜めに切り取られたボディは、全高を90mm下げると同時に最低地上高は4代目モデルより高く設定。それでいて室内高を高く取ることに成功しているパッケージでした。
コンセプトカーのデザインはSUVとしては個性の強い感じがしますが、市販モデルは幾分落ち着いた印象に変わっています。それでも、「ミニバンでありながらオールラウンダー」という世界で唯一のコンセプトが、デザインにも反映されていると言えるでしょう。
三菱 Concept-D:5 (2005年出展)。ひと目でデリカとわかる、リフトアップされたスクエアなワンボックススタイルを採用
三菱 デリカD:5(2007年)。1BOX車ならでの室内空間のユーティリティの高さと、さまざまな道路状況にも対応できる4WDの走破性を併せ持つ
■スバル WRXコンセプト(市販モデル:WRX)
2013年3月に行われたニューヨーク国際オートショーにおいてコンセプトモデルが発表され、同年11月に開催されたロサンゼルスオートショーで市販モデルが発表されました。
コンセプトモデルは前後オーバーハングが短く、ノーズにボリューム感がありますが、市販モデルはオーバーハングも長く、フォルムが大きく変わっています。全体のイメージは似ているのですが、コンセプトモデルと比較するとギャップを感じる人は多いでしょう。
スバル WRXコンセプト(2013年出展)。歴代のラリーマシンを思わせるブルーのボディに、大きく張り出したフェンダーや大口径のエアインテークを採用、ハイパフォーマンスをアピールした
スバル WRX STI(2013年)。スバルの共通デザインである「ヘキサゴングリル」と、コの字型のLEDポジションランプが配されたプロジェクターヘッドランプを採用
■コンセプトカーがそのまま市販できないワケ
コンセプトカーは、各メーカーが今後のデザインや技術の方向性を表現する、という目的で製作されています。
もちろん中にはそのまま市販できるよう現実的に作ってあるコンセプトカーもありますが、そのほとんどはメーカーの構想(コンセプト)を形にしています。
保安基準に基づいているか、エンジンは収まるか、居住空間は快適か、生産コストはどのくらいかを気にすることなく、「イメージ優先」で造られているため、どうしても市販化モデルとは異なってくるのです。
自動車メーカーの創造性と、デザインとしての美しさ、カッコよさを形にしているのが「コンセプトカー」です。
市販化が決定したモデルは、なるべく近い形でそのデザインが反映されるように現実的に手直しされ、生産ラインに乗るよう設計され、世の中に登場するのです。
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