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【フォルクスワーゲンに何が起きたのか?】#1 きっかけはゴルフ8で感じた微振動!届いた本国からの招待

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【フォルクスワーゲンに何が起きたのか?】#1 きっかけはゴルフ8で感じた微振動!届いた本国からの招待

フォルクスワーゲン広報からのオファー

きっかけは、昨年2月にティグアンとパサートのフォルクスワーゲン国際試乗会に参加したことにあった。

【画像】フォルクスワーゲンの象徴!8代目に至るまでの歴代ゴルフたち 全200枚

その仕上がりがよかったことを素直にリポートすると、しばらくしてフォルクスワーゲン広報から連絡があった。「どこがどうよかったのか、弊社エンジニアとディスカッションして欲しい」というのである。

これには、ちょっとした背景があった。

私は確かにティグアンとパサートがいいとリポートしたが、それとともに『ゴルフ8で感じられたネガが解消されていた』とも記した。この、ゴルフ8からティグアン/パサートで改良された部分を詳しく説明させて欲しいというのが、フォルクスワーゲンがディスカッションを提案した理由のひとつだったのである。

日本とドイツを結んだリモート会議には日本の広報だけでなく、本社側の広報とエンジニア2名も参加。ここで私は、フォルクスワーゲンの快適な乗り心地とスタビリティの高さをこよなく愛してきたこと、そして悪い条件になればなるほどフォルクスワーゲンのシャシーは優位性が明らかになるなどといった見解を説明。

そのうえで、新型ティグアンとパサートではハンドリングに軽快感が付け加わると同時に、最近のフォルクスワーゲンで感じられた足まわりの微振動が解消されていたことを指摘した。

すると、リモートセッションに参加していたエンジニアのひとりが、「その微振動はどのモデルで感じたのか?」と質問してきた。そこで私は「いくつかのモデルで似た症状を経験したが、最初に気になったのはゴルフ8だった」と答えたのだが、このあたりからエンジニアの態度に微妙な変化が見られた。

微振動は『ホイールコントロール』と呼んでいる

彼はまず、私が感じた微振動を、フォルクスワーゲン社内では『ホイールコントロール』と呼んでいることを教えてくれた。そのうえで、これはタイヤ、ホイール、ブレーキ、そしてサスペンションの一部など、いわゆるバネ下が一種の共振を起こすことが原因で、昨今は低転がりタイヤが普及してきたことで対応が一層難しくなってきたと解説。

さらに、現在もその対策に取り組んでいるところであると回答したうえで、「あなたに是非、私たちのプルービンググラウンド(テストコース)に来て欲しい」と、直々に招待してくれたのである。

これは、私にとって実に意外な展開だった。

そもそも、私はゴルフ8に、「足まわりに微振動が起きている」とネガティブな意見を述べた。率直にいって、欧米のメーカーはこういった指摘をしても認めないことが多いのだが、彼らはその事実を率直に認めてくれた。これが第一の驚き。

それだけでなく、「バネ下の共振」が原因で「低転がりタイヤに起因する」と解説されたことにも驚きを隠せなかったが、中でも最大の驚きは「プルービンググラウンドへの招待」であった。繰り返しになるが、私は製品のネガを指摘したのに、このエンジニアは「施設への招待」という好意的な反応を示したのである。これを驚きと言わずに、なんと呼べばいいのか。

誤解のないように申し上げておけば、私が指摘したゴルフ8の微振動は、決して重篤なものではなかった。その証拠に、日本国内で発表されたゴルフ8の試乗記で、この微振動について触れられたものは、私が執筆したものを除けばほとんどなかったはず。

つまり、多くの自動車ジャーナリストがこれを感じなかったか、たとえ感じたとしても「敢えて指摘する必要がない」と判断するほど軽微なものだったのである。

これまで2度フォルクスワーゲンを所有

その判断は私にもよく理解できる。それでも敢えてこの点を指摘したのは、私のフォルクスワーゲンに対する期待値が高かったことに理由がある。

正直、フォルクスワーゲンのクルマに派手なところはない。驚くほど高性能だったり、最新の技術をいち早く導入したりすることも滅多にない。それでも、その使い勝手のよさと、乗れば乗るほど愛着が深まる丁寧な作り込みに魅せられて、これまで2度ほどフォルクスワーゲンを所有したことがある。

とりわけ、時に過剰と思えるほど磨き上げられた品質は、フォルクスワーゲンが誠実な自動車メーカーであることの証明といえる。かつて、デビューしたばかりのフォルクスワーゲン・アップ!と、とある日本製コンパクトカーの比較テストを行ったことがある。

その時も、平滑な路面では日本車のほうが良好な乗り心地をもたらしたのに対し、どんなに路面が荒れていても、どんなに鋭い入力が足まわりに加わってもアップ!はビクともせず、平然と走り抜けていって私を愕然とさせたのである。そして思った。「この骨太のクルマ作りこそ、フォルクスワーゲンの真髄だ」と……。

(#2へとつづく/5月8日昼頃公開予定)

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