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“内輪揉め”の末にビョーク先勝も、ホンダで最速ポール奪取のグエリエリが連勝発進/TCR WT開幕戦

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“内輪揉め”の末にビョーク先勝も、ホンダで最速ポール奪取のグエリエリが連勝発進/TCR WT開幕戦

 FIA格式ワールドシリーズ、FIA TCRワールドツアーの2025年シーズンが5月2~4日にメキシコで開幕。アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスには24台のマシンが集結し、オープニングヒートでは僚友同士討ちの“内輪揉め”を経て、昨季ランキング2位を記録したテッド・ビョーク(リンク&コー・シアン・レーシング/リンク&コー03 TCR FL)が今季最初の勝利を飾ることに。

 一方、予選でポールポジションを奪ったホンダ陣営のエステバン・グエリエリ(ゴート・レーシング/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)は、続くレース2で雪辱を果たすと、最終レース3も制して開幕連勝発進を決めている。

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 連覇を果たした王者ノルベルト・ミケリスに、僚友のミケル・アズコナとネストール・ジロラミが残留したBRCヒョンデNスクアドラ・コルセを筆頭に、ビョーク、ヤン・エルラシェール、サンティアゴ・ウルティア、マ・キンファを擁するリンク&コー陣営など、今季のワールドツアーにもお馴染みの顔ぶれが揃った。

 さらに元南米王者で現スペイン・チャンピオンでもあるイグナシオ・モンテネグロを新たに起用したゴート・レーシングに加え、ジョン・フィリピとオーレリアン・コンテの2台体制で第3世代のクプラ・レオンVZ TCRを投入するSPコンペティションが新規参入を果たすなど、実力派ドライバーたちが世界戦登録でシリーズに挑む。

 そんななか走り出しを迎えたメキシコシティのF1トラックでは、最初のフリープラクティスから快走を披露したグエリエリのシビック・タイプRが予選でも躍動し、セッションを支配。Q1とQ2の両方でトップに立ち、2025年最初のポールポジションを獲得した。

「簡単ではなかった。最初のラップで完全にミスをしてしまい、チャンスは1回だけだった」と、こちらも元王者のエルラシェールを0.072秒差で抑えたホンダのエース。

「Q1に向けタイヤを準備していたから、そのラップは1回しかチャンスがなかった。それがうまくいったので、本当にうれしい。とても良いラップタイムで(Q2も)ポールポジション獲得に充分なタイムだったようだね」

「TCRワールドツアーで最後にポールポジションを獲得したのはいつだったか覚えていないぐらいだし、彼らリンク&コーにもかなり近づいたようだ。シーズンに向けた準備は遅くから始めたが、今、こうしてポールポジションを獲得できた。すべてはチームの努力の賜物だし、皆に感謝したい」

 しかし開幕戦ポール・トゥ・ウインを狙ったグエリエリの希望はスタートで潰えることとなり、蹴り出しで大きく遅れたシビックは後方へ沈んで15番手からの巻き返しを強いられる。

「標高が高いことと、気温が想定より少し高く、ほとんどパワーが出なかったたんだ」と原因を明かしたグエリエリ。

「さらに(シビック・タイプRの)スタートシステムに何らかのトラブルが発生し、5秒ボードと同時にレッドライトが点灯したため、プリロードする時間がまったく無かった。本当に5秒あると分かっていれば、スタート戦略を変更できたはずさ」

 レース1はそのまま背後に並んだリンク&コー艦隊のバトルと化し、長らく首位攻防を繰り広げたエルラシェールが、南米出身の僚友ウルティアを13周目のターン1でオーバーテイク。しかしこの際、トラックリミット違反でレース後10秒加算のペナルティを受け、チェッカーまでにポジションを上げたビョークが優勝を継承する結果となった。

 その背後には、車列後方から力強いリカバリードライブを見せたグエリエリが、シアンの3台に次ぐ4位でフィニッシュラインに到達した。

「あのスタートでエンジンがストールしなかったのは幸運だった。15番手から4位まで戻れたのは良いリカバリーだったね」と安堵の表情を浮かべたグエリエリ。

「ポジティブな面も見ているが、もちろん先頭スタートなら首位でフィニッシュしたい。ただ、今日はエルラシェールと戦えるペースではなかったと思う。彼は速そうに見えたし、こちらのセットアップも完璧ではなかった。でも明日はもっと良くなるはずだ」

 そう語ったポールシッターは、宣言どおり明けた日曜のリバースグリッド7番手からレース2に挑むと、先頭発進アズコナがターン1の水溜まりに脚を掬われるなか、コンテの背後2番手にまでジャンプアップ。早くも2周目にはクプラのリヤバンパーにタッチするほど間合いを詰めると、続く3周目のターン1進入時にトップに躍り出る。

 ここからすぐにギャップを広げた186号車のシビックRは、前日の雪辱を果たす快走でトップチェッカー。予選と第1、第2レースの合計ポイントでグリッド位置が決定される最終ヒートではポールポジションからスタートし、ここでも堅実なダッシュを決め、その後も後続を振り返ることなく首位を堅持していく。

 地元ドライバーを起因とするセーフティカー(SC)の発動から、11周目のリスタートでも動じることなくポジションを守ったグエリエリがそのままフィニッシュを迎え、開幕戦メキシコ大会をポイントリーダーで終える連勝劇を決めてみせた。

「我々全員にとって素晴らしい週末になった」と、チーム規模的には劣勢のなかで好発進を切ったグエリエリ。「今回のレースは特別なものになった。記憶にある中で、最高のツーリングカーの1台を運転できたからね。最後も堅実なレースだった。最初の2周はテッド(・ビョーク)がプッシュしているのが見えたから、ギャップを作ろうとしが、レース2でタイヤを切ってしまったと思われるターン8の縁石を避けることも忘れなかったよ」

「その後セーフティカーが入り、スタジアムセクションで彼が接近しているのが見えたから、もう一度プッシュせざるを得なかった。ここで1.5秒のギャップができたから、チェッカーフラッグまで楽に進むことができたんだ」

「この大勢の観客に囲まれて本当に素晴らしい1日を過ごせた。この思い出は一生忘れられないものになるだろう。この特別な日を演出してくれた皆に感謝している」

 これでグエリエリがビョークに12ポイントのリードを築いた2025年のFIA TCRワールドツアー。続く第2戦は、6月13日~15日にスペインはバレンシア、リカルド・トルモ・サーキットで開催される。

[オートスポーツweb 2025年05月08日]

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