MotoGPで将来を期待されているライダー、ペドロ・アコスタが、これまでのキャリアを共にしてきたKTMを離脱する可能性が浮上している。
昨年、KTM陣営のテック3からMotoGPクラスにデビューしたアコスタは、あのマルク・マルケスの再来を感じさせるパフォーマンスを発揮し、マルケス同様の強い意志と自信、そしてコース上では恐れ知らずの走りを示し、その人柄もあり大注目を集めた。
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2025年、MotoGP参戦2年目となったアコスタは、マルケスとさらに類似した点を見出しつつある。もっとも、それはキャリア戦略という面でだ。具体的に言えばマシンに大きな疑問符がついてしまった場合、それにどう対処するのかという問題だ。
2年前の2023年、マルケスはホンダに所属していたが、戦闘力の低迷から大胆な動きを取った。ドゥカティ陣営のグレシーニへ一旦移籍し、さらに翌年のファクトリチーム昇格を目指すというものだ。
今その戦略は大成功を収めているが、これはホンダがまだ契約期間の残るマルケスの放出に同意したからこそ実現したプランだった。マルケスのホンダ離脱は当時、数ヵ月間も噂が飛び交っていたが、マルケスは「2024年もホンダとの契約がある」と”台本”通りの回答に留め、ホンダに対しても称賛の言葉で応じていた。
アコスタは、そうしたマルケスと同じような戦略を採っているようだ。今季、アコスタは苦戦気味で、レースでの最高成績はカタールGPとアルゼンチンGPでの8位。ポイントランキングでも、KTM勢最上位とは言え、11番手にとどまっている。ルーキーイヤーから何度も表彰台を獲得したアコスタにとって、このポジションが野心に見合うものではないことは明らかだ。
現在20歳のアコスタはMotoGPのパドックで最も注目を集めるライダーのひとり。マルケスが引退しようものなら、その”後継”としての期待も高まるだろうと、広く考えられている。しかし財政難のKTM、そしてMotoGPプロジェクトを巡る技術的な混乱もあり、アコスタのような才能と将来性を持つライダーにとって、最適な環境ではなくなりつつある。
アコスタとKTMの間で結ばれた契約は、2026年まで。しかし現状では2027年にアコスタが変わらずオレンジ色の服をまとっている姿を想像するのは難しい。2027年にレギュレーションが大きく変わることを考えれば、なおさらだ。
それ以上に重要なのは、KTMが2年後にMotoGPに参戦し続けているかどうかが、不透明になっていることだ。昨年経営危機が明らかになったKTMの親会社であるピエラー・モビリティは先日、再建計画における資金調達先を依然として探していると発表している。
なお5月に予定されているMotoGPのヘレス公式テストは、KTMのマシンが抱えている不安定さを解決するための絶好の機会になるはずだ。アコスタも第3戦アメリカズGPの時点で「おそらく今年で最も重要な日だ」と語っていた。
その一方で、アコスタのKTM離脱の可能性については、マネージャーのアルバート・バレラが一定の動きを見せている。先日は現場に戻ってきたホンダのチームマネージャーであるアルベルト・プーチと面会しており、ホンダ移籍の可能性があるのではないかという憶測を呼んでいる。
とはいえ、そのホンダも含めてアコスタとKTMが正式に別れない限り、干渉は難しいだろう。アコスタにとって最もシンプルな逃げ道は、契約違反を主張することになるが、その筋書きは実現しておらず、KTMも慎重に取り扱う事柄が故、実現する可能性は低い。
アコスタが契約通り2026年まで陣営にとどまる場合でも、KTMはうかうかしてはいられない。2027年に向けた契約は自由であるし、アコスタが早くに移籍を公表する可能性もある。そうすればKTMはさらに複雑な環境に置かれてしまう。
そうなった場合、アコスタを軸としているKTMのプロジェクトはますます危機に陥り、離脱の決まっているアコスタをサポートし続ける義務を負うことになる。
アコスタはKTMでの成功が目標だと断言してきた。しかし、ここまでに記して来たような状況を考えれば、両者が別々の道を進むことになる日は近いかもしれない。
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