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フェラーリ初の後輪駆動プラグインハイブリッドモデル「296GTB」がデビュー

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フェラーリ初の後輪駆動プラグインハイブリッドモデル「296GTB」がデビュー

21世紀版のディーノ!? フェラーリが新V6エンジンをミッドシップ搭載したPHEVモデルの「296GTB」を発表。システム総出力は830hpを発生

 伊フェラーリは2021年6月24日(現地時間)、新しいプラグインハイブリッドモデルとなる「296GTB」をオンライン発表した。

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 2.9リットルのV6エンジンを搭載し、グランツーリスモのベルリネッタ(クーペ)であることを示す「296GTB」の車名を冠した新ミッドシップスポーツカーは、跳ね馬エンブレムを付けたロードゴーイングカー初のV6エンジン搭載車で、かつブランド初の後輪駆動プラグインハイブリッドモデル(PHEV)に位置する。

 注目のパワートレインは、Vバンク角を120度に設定したうえでバンク間にターボチャージャーユニットを配し、またボア×ストロークを88.0×82.0mmのオーバースクエアに設計したミッドシップ配置の“ピッコロV12(ミニV12)”こと2992cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジン(最高出力663hp/8000rpm、最大トルク740Nm/6250rpm)に、ダブル・ローターでシングル・ステーター型のMGU-Kモーター(最高出力122kW/最大トルク315Nm)、専用セッティングの8速DCT、モーターとエンジンを切り離すトランジション・マネージャー・アクチュエーター(TMA)、容量7.45kWhのリチウムイオンバッテリーで基本システムを構成。システム総出力は830hpを発生し、後輪を駆動する。また、eマネッティーノと称するドライブモードとして、モーターのみで走り、バッテリーがフル充電の状態で25kmの走行が可能なeDrive(最高速度は135km/h)、始動時のデフォルトモードで、パワーフローは効率を最大化するようマネージメントされて制御ロジックが内燃エンジンの介入を決定するHybrid(H)、エンジンを常に稼働してバッテリーの効率を維持し、いつでもフルパワーが発揮できる状態に設定するPerformance、バッテリーの再充電を抑えて、最大のパフォーマンスを発揮するQualifyという4ポジションを用意。前後重量配分は前40.5:後59.5と後軸寄りに仕立て、最高速度は330km/h、0→100km/h加速は2.9秒、0→200km/h加速は7.3秒、フェラーリのテストコースであるフィオラノサーキットでのラップタイムは1分21秒を実現した。

 一方、ビークルダイナミクスの面では、前述したTMAと自動車業界では世界初となる6ウェイ・シャシー・ダイナミック・センサー(6w-CDS)のほか、6w-CDSが収集したデータを活用するABS evoコントローラーや電動パワーステアリングとグリップ推定機能の統合といった新機能を組み込んだことがトピック。また、新ブレーキ・バイ・ワイヤ・ユニットによる電動トラクションコントロールとエネルギー回生では、作動する全モード(ABSを含む)で油圧と電気による調整がなされる。さらに、電動パワーステアリング(EPS)をベースとするサイド・スリップ・コントロール(SSC)システムも採用した。

 基本骨格に関しては、専用設計のプラットフォームに、エンジンベイ自体と電気系コンポーネントのいずれもより効率的な熱管理を可能としたレイアウトや、アクティブスポイラーなど可動デバイスをドラッグ低減のためではなくダウンフォース増加のために使用したエアロダイナミクス構造を導入したことが訴求点。フェラーリのチェントロスティーレ(スタイリングセンター)が手がけたエクステリアは、フェラーリのMRベルリネッタの造形を再定義し、2600mmの短いホイールベースを活かしながらマッシブなフェンダーやバイザールーフ、フライングバットレス、そして新しい垂直リアスクリーンといった要素を取り入れて、新世代のクーペスタイルを創出する。鉛筆でひと筆書きしたかのようなスマートなボディラインや、パワフルなボリュームの中にキャビンを配したスポーティなアレンジ、車体のフロントに2個の宝石を埋め込んだかのような“フェアド・イン・ティアドロップ”ヘッドライト、星形ツインスポークデザインでねじれるようなカーブを描く新デザインの20インチ鍛造アロイホイール(オプションでカーボンファイバー製ホイールも選択可)なども、296GTBならではの特徴だ。

 内包するインテリアは、SF90ストラダーレで初採用されたデジタルインターフェースによる新コンセプトを中心に、よりエレガントで洗練されたデザインに仕立てる。メインのインストルメントクラスターはダッシュボードトリムの深い割れ目に埋め込まれ、またダッシュボードは表面を意図的にクリーンで張りつめた印象にアレンジ。さらに、彫刻的なドアパネルは素材と色でダッシュボードとシームレスにつなげ、中央部には菱形状に深く彫り込んだ3次元的なエレメントを配した。一方、シート表皮や内装材には高級イタリアンレザーをあしらい、機能的コンポーネントに使われたテクニカルな新素材がそれらを視覚的に引き立てる。先進機能として、ヘッドアップディスプレイ(HUD)やパッセンジャーディスプレイも標準で組み込んだ。

 296GTBには、ハイパフォーマンス志向の「ASSETTO FIORANO(アセット・フィオラノ)」パッケージもラインアップされる。装備面では、サーキット走行に最適化された特別なアジャスタブル・マルチマチック・ショックアブソーバーや、フロントバンパーに装着すると10kgのダウンフォースを上乗せするカーボンファイバー製ハイダウンフォースパーツ、Lexan製の軽量リアスクリーンなどを設定。車両全体では約12kgの軽量化を達成する。また、往年の跳ね馬レーシングカーである250LMからインスピレーションを得たスペシャル・リバリーをオーダーすることも可能。このスタイリング・エレメントでは、フロントの両端から始まり、中央のグリルを包んでその外周を縁取り、ボンネットへと続いてハンマーのモチーフを形成し、さらにルーフへと縦に伸びて、リアのスポイラーまで続くアグレッシブな造形へと昇華する。

 296GTBは、まず欧州市場で2022年第1四半期から導入を開始。日本での発売時期などは、後日発表される予定である。

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