F1 2022年シーズンはカナダGPで22戦中9戦を消化。そんな中で唯一メルセデスは完走率100%と高い信頼性を誇示しているが、その記録に満足してはいけないとチーム代表のトト・ウルフは言う。
トップ2強のレッドブルとフェラーリがそれぞれに信頼性トラブルが続く一方で、メルセデスはバウンシング問題の解消に苦戦し続けながらも、リタイアがないことで着実にポイントを稼ぎ現時点でコンストラクターズランキング2番手のフェラーリから40ポイント差の3番手に並んでいる。
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レッドブルは、開幕戦バーレーンGPでマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのマシンに燃料ポンプの問題が発生し全滅。フェルスタッペンにはオーストラリアGPで燃料漏れが発生、ペレスにはカナダGPでギヤボックストラブルと思われるトラブルでリタイアとなっている。
フェラーリでは、シャルル・ルクレールがスペインGPとアゼルバイジャンGPでパワーユニット(PU)トラブルが発生。カルロス・サインツJr.も、アゼルバイジャンGPでは油圧系トラブルによりリタイアとなっている。
メルセデスのウルフ代表は、現時点で完走率100%という記録を快く思っている一方で、”無敵のマシン”を手にしているとは考えていないようだ。
「(レッドブルとフェラーリの)両チームのマシンが止まり続けているのは不思議だね」と彼は言う。
「しかし、そのことに満足してはいけない。とても早くに変わり得ることだからね」
「信頼性については満足している。昨年はエンジンがどうだったかを見てみると、異なる現象(と多くの問題)があった。だから早い段階で、(記録に対して)胸踊らせたくはないのだ」
一方、ここ数戦の信頼性トラブルと戦略ミスによりオーストラリアGP以来優勝がないフェラーリ。レッドブルとのタイトル争いを鑑みても、レースをまず完走することが重要になる。しかしビノット代表は、タイトルを決めるのはリタイア数だけではないと牽制している。
「信頼性は確かに重要で、パフォーマンスと同じくらい重要だ。ただ、それが(タイトル争いを決める)唯一の要因ではない」とカナダGPの後にビノットは語った。
「シーズン終了まで続く開発もそうだし、予算の差、最終的には信頼性も関係してくると思う」
F1では2022年からテクニカル・レギュレーションが刷新。しかしPUは今年から開発凍結され、2026年まで続けて使用されることとなった。
今年の開発に向けてフェラーリはPUの設計を一新したが、テストベンチの稼働制限もあり、初期的なトラブルが露見したとビノットは言う。
「PUは過去と比較しても、全く新しい設計だ。問題は若いプロジェクトが故に発生しているのだ」
「その上、過去にはなかったテストベンチでの制限があり、あまり稼働できない。制限があることで、開発はより複雑になるのだ」
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