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得意分野は高速の長距離走行 DS 7 Eテンス 225へ試乗 小変更 Eテンス360も登場 

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得意分野は高速の長距離走行 DS 7 Eテンス 225へ試乗 小変更 Eテンス360も登場 

フェイスリフトでPHEV主力のモデルへ

フランスのDSは、各モデルへ改良を加えながら、着実にプレミアム・ブランドとしての地位を固めつつある。モデル中期のフェイスリフトを受けたミドルサイズSUVのDS 7も、そのプロセスの重要な位置を担っている。

【画像】マイナーチェンジ DS 7 Eテンス 225 競合の上級クロスオーバーと比較 レクサスNXも 全133枚

2023年仕様として手が加えられた内容で、驚くような部分はないだろう。LEDマトリックス・ヘッドライトは刷新され、デイタイムライトはバンパーの両サイドに、スリムな「く」の字で灯るようになった。

DSは、このデイタイムライトを「ライトベール」と呼ぶ。太さの異なるラインが5本並び、最新版としての違いを主張する。テールライトも細く変更。DS AUTOMOBILESとレタリングされる。

インテリアには、大きな変更は加えられていない。ダッシュボード中央の12.0インチ・タッチモニターは、最新バージョンのインフォテインメント・システムで稼働する。DS 4にも実装される、アイリスと呼ばれるソフトウェアだ。

反応は素早く滑らかで、表示メニューのカスタマイズも可能。少しクセがあるものの、慣れれば扱いやすいシステムだと思う。唯一、エアコンの操作系も集約されているため、モニターの表示を切り替える必要があるのは面倒に感じた。

フェイスリフトで最大の変化は、パワートレインの選択肢。DS 7はEテンスと名のついたプラグイン・ハイブリッド(PHEV)が主力のモデルへ改められた。ハイブリッドではないエンジン版は、1.5Lディーゼルターボのみだ。

プジョー508 PSEと共通のパワフル版も

DS 7のPHEVのラインナップは、前輪駆動のEテンス225と四輪駆動のEテンス300のほか、新たに追加された最もパワフルな四輪駆動のEテンス360。ちなみに3桁の数字は、馬力を表している。完全に一致するとは限らないけれど。

Eテンス360のハードは、基本的にはDS 9 Eテンス360やプジョー508 PSEと共通。200psを発揮する1.6Lガソリンターボ・エンジンと、108psの駆動用モーターをフロント側に搭載。リアタイヤは、112psの2基目の駆動用モーターが受け持つ。

この構成はEテンス300と同じだが、インバーターなどの制御系が異なり、駆動用モーターのパワー特性に違いが与えられている。結果として、システム総合での最高出力に60psの差が生まれている。

またEテンス360の場合、高性能モデルを手掛けるDSパフォーマンス部門がシャシーをチューニング。サスペンションを15mm落とし、左右のタイヤの間隔、トレッドはフロントで24mm、リアで10mm広げられている。

フロントのブレーキディスクは、380mmと大径なものを装備。タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ4Sを履き、増強されたパワートレインを受け止める。

今回の試乗では、Eテンス225とEテンス360を試乗する機会を得た。フルスロットルを与えれば、パワフルな後者の方が間違いなく速い。だが、DSらしくリラックスして走るような場面では前者でも充分。DS 9と同様に、穏やかな方がより好印象ではあった。

得意分野は高速道路の長距離走行

1.6Lエンジン+2基の駆動用モーターというPHEVは、DSが属するステランティス・グループの他のモデルでも確かめている。高速道路のクルージングでは、滑らかに働き能力を発揮できる。だが、更に急ごうとするとギクシャク感が出てきてしまう。

1.6Lエンジン+1基の駆動用モーターという構成のEテンス225は、柔らかい乗り心地と若干長いEVモードでの走行距離のおかげで、より洗練された印象を受ける。DSというブランドに適った快適性だと思う。

それでも、ライバル以上の訴求力があるかと聞かれれば、回答には困る。乗り心地は良いのだが、完璧な仕上がりまでは得ていないためだ。

舗装の荒れた区間を走ると、やや落ち着きを失い強めの振動が伝わる。大きな起伏を越えると、ボディが揺れるような仕草も感取される。操縦性は安全志向だが、もう少し煮詰める余地はあるだろう。

パワートレインの特性も相まって、運転に充足感があるとはいえない。しかし、先述の通り高速道路の長距離走行は得意分野。乗り方次第では、印象は高まるはず。

インテリアに用いられる素材は高級感に溢れ、シートは身体をしっかり保持してくれる。ドライビングポジションはやや背中が置き気味ながら、居心地は良い。

車内は高速でも静か。フォーカル社のオーディオシステムの高音質を楽しめる。ボディサイズは、全長が4595mmでアウディでいえばQ3とQ5の中間くらいだが、Q5と比較しても車内空間は広く感じられる。

エントリーグレードの価格価値は悪くない

英国価格も、その2台の間といったところ。Eテンス225の場合、パフォーマンスライン・グレードで4万4190ポンド(約729万円)から。悪くない価格価値といえる。

しっとりしたレザー内装が与えられるのは、ミドルグレードのリヴォリから。DS 7という車格には合致すると思うが、そのぶん価格も高くなる。

独自性の強いデザインが与えられた、DS 7の色香は理解できる。だがハイブリッド・システムの能力やミドルグレード以上の価格を踏まえると、ライバルの方が魅力的に映ることも確か。このクラスの選択肢は多く、よく比較して選びたいところだ。

DS 7 Eテンス225(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万4190ポンド(約729万円)
全長:4595mm
全幅:1895mm
全高:1631mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:8.9秒
燃費:63.0-88.5km/L
CO2排出量:26-36g/km
車両重量:1735kg
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:14.2kWh
最高出力:227ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:36.7kg-m/3000rpm(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

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