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まったく新しい内燃機関、マツダ「SKYACTIV-X」の日本スペックが明らかになった!

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まったく新しい内燃機関、マツダ「SKYACTIV-X」の日本スペックが明らかになった!

エンジン型式は「HF-VPH」、最高出力132kW、最大トルク224Nm

ついにマツダの新エンジン「SKYACTIV-X」を搭載したMAZDA3の発売日が2019年12月5日になると正式発表されました。マツダが生み出した新しい燃焼方式『SPCCI(火花点火制御圧縮着火)』を採用した画期的なエンジンです。発売日と同時にメーカー希望小売価格は319万8148円~368万8463円となることも発表されています。

正式なエンジンスペックも公表

総排気量は1997cc、ボア×ストロークは83.5×91.2mmで通常のガソリンエンジンSKYACTIV-G 2.0(PE-VPS型)と同じです。SPCCIの肝ともいえる圧縮比は15.0、SKYACTIV-Gが13.0ですからガソリンエンジンとしてはかなり高い値といえます。うわさ通り、使用燃料は無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)ですが、無鉛レギュラーガソリンも使用可能となっています。ただし、レギュラーガソリンではエンジン出力低下などの現象が発生するという注意書き付きです。

ハイオクガソリン使用を前提としたパフォーマンスはどのくらいになっているのでしょうか。最高出力は132kW(180PS)/6000rpm、最大トルクは224Nm(22.8kg-m)/3000rpmと発表されています。2.0Lでスーパーチャージャーを備えたエンジンとしては、かなり控えめに思えますが、SKYACTIV-Xのスーパーチャージャーはいわゆる過給のために採用されているのではなく、SPCCIという新しい燃焼方式を実現するための手段のひとつです。基本的には環境性能を重視したエンジンですからピークパワーを云々するのはナンセンスというのがメーカーの主張でしょう。ちなみに、MAZDA3の2.0Lガソリンエンジン車(レギュラーガソリン仕様)の最高出力は115kW(156PS)、最大トルクは199Nm(20.3kg-m)ですから1割増し以上のパフォーマンスといえそうです。

MAZDA3のSKYACTIV-X搭載車にはもれなく「M Hybrid(エム ハイブリッド)」というマイルドハイブリッドシステムが備わります。減速エネルギーを回生する交流同期電動機のスペックは最高出力4.8kW(6.5PS)、最大トルク61Nm(6.2kg-m)となっています。モーターアシストは発進時や変速時などに限定され、最高出力・最大トルクが発生する回転数ではアシストしていません。ですから、M Hybridを含めたシステム出力はエンジン単体と同一になります。なお、回生した電力は、主にアイドルストップからの復帰やライト、安全装備などの電装品に使用するということです。

気になる燃費性能は、FF・6AT車が17.2km/L(WLTCモード)。同じMAZDA3でいえば1.5Lガソリンエンジン車(FF・AT)の燃費が16.6km/Lですから、1.5Lエンジンより燃費に優れる2.0Lエンジンなのです。前述のように出力スペックはスタンダードなガソリン2.0Lを上回っています。省燃費とパフォーマンスを両立したのが「SKYACTIV-X」というわけです。

ただし車両価格の差が大きいため、価格なりの価値があるかどうかは判断に迷うところかもしれません。エンジンごとにFF・ATのグレードを抜き出してみると、1.5Lガソリン車の上級グレードである15S Touringが231万5989円、2.0Lガソリン車の最上級グレード20S L Packageが269万8055円なのに対して、SKYACTIV-Xを搭載する X L Package(画像のグレード)は338万463円となっているのです。『SPCCI』という新しい燃焼方式を採用したエンジンをいち早く手に入れ、味わうという体験や満足度にどれだけの価値を見出すかで、その妥当性は変わるでしょうが、スペックだけでいえば割高なのは否めないといえるでしょう。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

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みんなのコメント

12件
  • 人柱を立てて様子を見るしかない
  • mazdaらしいと言えばmazdaらしいエンジンであり、売り方。
    でもちょっと会社を心配してしまう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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