各地から届く桜や梅の開花の便りとともに春の訪れを実感するこの季節、モータースポーツの世界では通常、新しいシーズンの開幕が迫る時期を迎える。
2021年もいまだ新型コロナウイルスの脅威が収まらぬなかではあるが、F1をはじめ、WECやインディカ―、国内のスーパーGT、スーパーフォーミュラといった各シリーズの開幕戦が3~4月にかけて順次開催されていく。
【WEC第1戦スパ:放送予定&スケジュール】いよいよ新時代の幕開け。開幕戦は土曜決勝の6時間レース
ここでは、そんな各カテゴリーの楽しみ方や観戦のヒントとなるポイントを初心者にも分かりやすく紹介していく。シリーズ第7回目は4月29日~5月1日にかけてベルギー、スパ・フランコルシャンで今季開幕戦が行われるWEC世界耐久選手権だ。
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■ポイント
・四輪の長距離耐久レース
・最高峰クラスが2021年から一新。従来の『LMP1』規定から『ル・マン・ハイパーカー』規定へ移行
・4つのクラスで争う(ハイパーカー、LMP2、LMGTEプロ、LMGTEアマ)
・ハイパーカー:量産ハイパーカーベースorプロトタイプカー。ハイブリッドシステム搭載可能
・LMP2:プロトタイプカー。シャシーメーカーは4つ。ハイブリッドなし
・LMGTE:量産ベースのGTカー。GT3より改造範囲が広く、速い
・2021年に限り、『ハイパーカー』クラスへのLMP1ノンハイブリッド車両での参戦が可能
・2021年は全6戦(6カ国)で開催予定
・レース距離(時間)は6~24時間
・シーズンハイライトは6月にフランスのサルト・サーキットで行なわれるル・マン24時間レース※
・日本国内では第5戦として富士スピードウェイでの6時間レースが9月に開催予定
・昨シーズンは4クラス合わせて約30台が年間エントリー。ル・マンには通常、約60台が参戦する
※2021年はコロナ禍の影響で8月18~22日に延期
■WECの紹介
WEC(世界耐久選手権)は、2021年で89回目の開催となる伝統の『ル・マン24時間レース』を筆頭に、ヨーロッパ・日本・アメリカなどを転戦、レース距離6時間以上の決勝で“耐久王”を決めるシリーズだ。
6時間、1000マイル、そして24時間といった長丁場では、1周の速さだけでなく、ミスのない走り・マシンの信頼性・アクシデント発生時の修復能力など、ドライバーとチームの総合的な“強さ”が試される。それだけに、幾多の困難を切り抜けて勝利を挙げた者の喜び、そして受ける賞賛は、大きなものとなる。
2021年は最高峰クラスの規定が刷新され、新たなスタートを切る。LMP1にとって代わる『ハイパーカー』クラスには、より量産ハイパーカーとのつながりが強い外見を持つレーシングカーが導入されることになるだろう。
現在ル・マンを3連覇中のトヨタGAZOO Racingは、この『ハイパーカー』クラスに新型マシン『トヨタGR010ハイブリッド』を投入、そのポテンシャルに大きな注目が集まる。2021シーズンにおけるトヨタのライバルとしては、アメリカのスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス、特例によりオレカ製のLMP1マシンで臨むアルピーヌらが参戦予定だ。
ハイパーカークラスは、さらなる拡張可能性も秘めている。北米IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権とのコラボレーションにより、IMSAの次期最高峰規定として2023年から正式採用される『LMDh』マシンも、将来的に参入可能となるからだ。
LMP2シャシーをベースに共通ハイブリッドシステムを搭載するLMDh規定では、ポルシェ、アウディなど、かつてル・マンを沸かせた強豪メーカーも参戦(復帰)を表明している。さらなる参戦メーカーの登場も見込まるほか、プライベーターにとっても参戦のハードルが下がることになる。
多くのメーカー・マシンによって“耐久王”が争われることになれば、WECは将来よりいっそうの盛り上がりを見せることになるだろう。
日本人ドライバーはトヨタの中嶋一貴と小林可夢偉がハイパーカークラスに参戦。LMGTEアマクラスでは、Dステーション・レーシングの星野敏と藤井誠暢がアストンマーティンでシリーズにフル参戦する。
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