現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「グミグミ~」が合言葉! 世界最大級のオフ会「ヴェルターゼー」が自由過ぎた

ここから本文です

「グミグミ~」が合言葉! 世界最大級のオフ会「ヴェルターゼー」が自由過ぎた

掲載 更新 3
「グミグミ~」が合言葉! 世界最大級のオフ会「ヴェルターゼー」が自由過ぎた

80台が集まるVWオーナーのオフ会が発端

 毎年5月中旬、緑溢れる季節になると南オーストリアにあるヴェルター湖周辺はVW&アウディのカスタムカーに占拠される。「ヴェルターゼー」もしくは「ヴェルターゼーツアー」と呼ばれるイベントは、いまや町ぐるみ、メーカーぐるみでクルマ好きを応援する催しとなっている。しかし発祥はVW好きが集まるただのオーナーズミーティングだったのだ。

VW新型ゴルフ8のホットハッチ版「Golf GTシリーズ」を世界初公開

一つの町が全面的に応援するイベントに

 ヨーロッパではバカンスシーズン直前。だいたい5月中旬くらいに開催される「GTI  Treffen」は今年で40年目を迎える、フォルクスワーゲン(以下VW)を愛するユーザーのイベントだ。VWグループ、つまりアウディやスペインのセアト、チェコのシュコダなどのオーナーもヨーロッパ全土からこの地を目指してくる。ピーク時では20万人を余裕で超えるほどが集結していた。「GTI  Treffen」というのは正式名称であり「ヴェルターゼー」とか「ヴェルターゼーツアー」と呼ばれることが多い。ゼーとはドイツ語で湖という意味で、つまりは会場となる「ヴェルター湖」を意味する。とはいえ、湖にクルマは入れない。ほとりの一つの町「ライフニッツ」が村全体を会場として提供している。

 始まりとなった40年前はただ単純に「VWを好きなオーナー同士で集まろう」という純粋なミーティングだったそうだ。当初集まったのは80台程度。当時もかなりの数だが、年を追うごとに台数がどんどん増え、ピークとなる2010年前後には、オーストリアやドイツだけでなく、スイスやイタリア、ベルギーなど、ヨーロッパ全土からVW好き、特にカスタマイズ好きが集まるようになった。あまりに大勢が集まるため、ライフニッツは期間中(5日間程度)町を封鎖。駐車パスや通行許可証がなければ中に入ることすらできなくなる。これらを購入することが参加費という考え方だ。

展示場所は早い者勝ち! 走り回るのもOK

 では、参加者はどのように楽しむのか。もう自由に勝手に、といったところだ。町の中で展示場所や駐車スペースが決まっているかといえば逆。パスさえ持っていれば好きなところに駐車していいよ、というワケだ。だからメインストリートは早い者勝ちで早朝からベストポジションを目指したクルマがやってくる。ただおもしろいクルマを見たい人、イベントを楽しみたいだけのグループはのんびり昼くらいから会場入り。パスを持っていなければ、町の外側にクルマを止めて歩いてやってくる。そして暗くなるまでバカ騒ぎ。そのどちらも間違ってはいない。楽しみたいように楽しめばいい。それがヴェルターゼーツアーなのだ。自動車の歴史が古いヨーロッパだからこそカスタマイズに対しても寛大だ。

 展示車両を歩きながら見て回るのもいい。ライフニッツの町は緑豊かで、いかにもなヨーロッパの避暑地だからブラブラするだけでも楽しい。そのあちらこちらにコダワリ満点の車両が置いてあるから、初めて訪れる人は異様な風景が楽しいだろう。駐車場だけでなく歩道や民家の庭先にところ構わずクルマが止まっている。

 また、疲れたらメインストリートの脇に陣取って、ボーッと座っていればいい。目の前をカッコよく仕上げた(あるいは理解不能なまでにイジリ倒した)クルマがゆっくりと列をなして通り過ぎてゆくのだから。

 カスタマイズの方法は十人十色、千差万別。すっきりと正統派がいると思えば、その隣にはボディ全体に革張りを施したクルマがいたり、いわゆるガルウイングを開けっぱなしで走り回っているゴルフがいたりもする。ゴルフIがいるかと思えば、最新のアウディがサラリと路駐して展示していたりもする。レアなモデルやベースが何かわからないモノまで走っている。

 自分がカッコよく仕上げた愛車を見てもらいたいという気持ちは世界共通であり、その趣向が違ったとしてもお互いに認め合えるのがヴェルターゼーの空気感だ。

自動車メーカーまでもが大規模ブース出展

 そして驚くべきことに、ある意味カオスと化している同イベントにVWやアウディが大規模なブースを出展することもあるということだ。まるで有名なモーターショー並みの凝り方であり、ヨーロッパの自動車文化の奥深さを感じる。自動車メーカーや地方自治体がドレスアップしたオフ会に全面的に協力するなんて、日本ではあり得ないだろう。

 カスタムの最先端がある、とは言えない。日本やアメリカのカスタマイズ文化もかなり進んでいる。しかし、「とにかく目立ちたい」とか「自分がカッコいいと思うスタイルを見てもらいたい」という意識が強いのは確か。そしてクルマやカスタマイズを楽しもうという気概はとにかく強い。

 最後に、もしヴェルターゼーツアーに行くことがあったら、一つの合い言葉を覚えておいてほしい。

「グミグミ~!」周囲が盛り上がっていたら、乗っているのがレンタカーだとしてもバーンアウト(静止状態でタイヤを空転させる)して白煙をモクモクと出し、期待に沿わなければならない。とにかく「ノリ」なのである。だから、初心者はまずは町の外にクルマを置いて、歩いて会場入りをオススメする。ちなみに近隣の町からは「パーティ船」と呼ばれる、音楽ガンガンに盛り上がった船でアプローチも可能である。

こんな記事も読まれています

週末を遊びつくせ!2024年のスーパー耐久24時間レースは”オールナイトFUJI“
週末を遊びつくせ!2024年のスーパー耐久24時間レースは”オールナイトFUJI“
グーネット
マットブラック仕様がクール!ハイエースのカスタムモデル 年間20台上限で販売スタート
マットブラック仕様がクール!ハイエースのカスタムモデル 年間20台上限で販売スタート
グーネット
キモはタイヤメンテナンスにあり?! 走行距離が少ないクルマは危険だぞ……クルマの点検費用を安く抑えるコツ3選
キモはタイヤメンテナンスにあり?! 走行距離が少ないクルマは危険だぞ……クルマの点検費用を安く抑えるコツ3選
ベストカーWeb
中古車の見えない部分をピピッと診断!「グー故障診断」をまるっと解説!
中古車の見えない部分をピピッと診断!「グー故障診断」をまるっと解説!
グーネット
ポルシェ「カレラT」に乗ってスッピン性能を楽しむ! MTで操りたいマニア殺到の「911」とは【東京~大阪試乗】
ポルシェ「カレラT」に乗ってスッピン性能を楽しむ! MTで操りたいマニア殺到の「911」とは【東京~大阪試乗】
Auto Messe Web
メルセデス・ベンツ「GLA180」新型パワートレイン搭載 高性能モデルも追加
メルセデス・ベンツ「GLA180」新型パワートレイン搭載 高性能モデルも追加
グーネット
日産「エルグランド」仕様変更 2つの装備加わり安全性能アップ
日産「エルグランド」仕様変更 2つの装備加わり安全性能アップ
グーネット
「印象ダウン」なATと快適性 新名称で再出発の韓国ブランド KGMトーレスへ試乗
「印象ダウン」なATと快適性 新名称で再出発の韓国ブランド KGMトーレスへ試乗
AUTOCAR JAPAN
黄金のスワンボートからスーパーカーまで!「日本ボート・オブ・ザ・イヤー2023」のバラエティに富んだ会場を紹介します【吉田由美のCCL】
黄金のスワンボートからスーパーカーまで!「日本ボート・オブ・ザ・イヤー2023」のバラエティに富んだ会場を紹介します【吉田由美のCCL】
Auto Messe Web
ポルシェFE、ネオンサイン”煌めく”ピンク色の東京E-Prix特別カラーリング公開。ウェーレイン&ダ・コスタ「東京の街にピッタリ!」と大絶賛
ポルシェFE、ネオンサイン”煌めく”ピンク色の東京E-Prix特別カラーリング公開。ウェーレイン&ダ・コスタ「東京の街にピッタリ!」と大絶賛
motorsport.com 日本版
常に独創的なプジョー9X8のカラーリング。『ライオンの群れ』模した最新リバリーはアパレル展開も
常に独創的なプジョー9X8のカラーリング。『ライオンの群れ』模した最新リバリーはアパレル展開も
AUTOSPORT web
見れば納得! めちゃくちゃ注目される「教習車」なぜ誕生? 「学べる」ワケは?
見れば納得! めちゃくちゃ注目される「教習車」なぜ誕生? 「学べる」ワケは?
くるまのニュース
新型Eで4WDでディーゼル希望なら一択! メルセデス・ベンツE 220 d 4マティック・オールテレイン
新型Eで4WDでディーゼル希望なら一択! メルセデス・ベンツE 220 d 4マティック・オールテレイン
AUTOCAR JAPAN
スズキの「4.4リッター“V6”搭載モデル」登場! 最高出力350馬力の“最強”仕様! スズキ最大エンジン搭載の「DF350AT」とは
スズキの「4.4リッター“V6”搭載モデル」登場! 最高出力350馬力の“最強”仕様! スズキ最大エンジン搭載の「DF350AT」とは
くるまのニュース
トヨタ・ランクル250《先読み購入ガイド》
トヨタ・ランクル250《先読み購入ガイド》
グーネット
愛車の履歴書──Vol33.宅麻伸さん(後編)
愛車の履歴書──Vol33.宅麻伸さん(後編)
GQ JAPAN
ハースF1前代表のギュンター・シュタイナー、今度はF1マイアミGPのアンバサダーに! パドックの人気者は引く手数多
ハースF1前代表のギュンター・シュタイナー、今度はF1マイアミGPのアンバサダーに! パドックの人気者は引く手数多
motorsport.com 日本版
フォーミュラE 2024 Tokyo E-Prix 東京・有明ビッグサイトで搬入中のコースに潜入/3月27日
フォーミュラE 2024 Tokyo E-Prix 東京・有明ビッグサイトで搬入中のコースに潜入/3月27日
AUTOSPORT web

みんなのコメント

3件
  • 【当初集まったのは80台程度。当時もかなりの数だが、年を追うごとに台数がどんどん増え、ピークとなる2010年前後には、オーストリアやドイツだけでなく、スイスやイタリア、ベルギーなど、ヨーロッパ全土からVW好き、特にカスタマイズ好きが集まるようになった。あまりに大勢が集まるため(後略)】

    で、いったい何台集まるの?


    【「グミグミ~!」周囲が盛り上がっていたら(後略)】

    「グミグミ」ってどういう意味?
    「いまや町ぐるみ、メーカーぐるみ」の「グルミグルミ」の略称?
  • 日本の欧州車好きからしたら許されない行為なんだろうな…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村