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メルセデス・ベンツGLC 試乗! マイナーチェンジ版をオンからオフまで試す【動画レポート】

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メルセデス・ベンツGLC 試乗! マイナーチェンジ版をオンからオフまで試す【動画レポート】

Mercedes-Benz GLC

メルセデス・ベンツ GLC

メルセデス・ベンツGLC 試乗! マイナーチェンジ版をオンからオフまで試す【動画レポート】

パワートレインを中心にアップデート

メルセデス・ベンツの「GLC」ファミリーがパワートレインのアップデートを含むマイナーチェンジを受けた。

たとえば日本でも人気のディーゼル・モデルには、全パーツの98%を刷新した新世代4気筒2.0リッターエンジン“OM654”を投入。これはエンジンの燃焼まで立ち返った改良が施されたほか、バルブ駆動方式を従来のギア式からチェーン式に改めて静粛性を改善。さらにNANOSLIDEシリンダーコーティングを実施してフリクションロスの低減を図り、尿素を用いた排ガス浄化装置のSCRを2段構えにするなどして最新の排ガス規制をクリアしたという。このエンジンは今回試乗した「GLC 300 d」のほか、そのディチューン版である「GLC 220 d」にも搭載される。

いっぽうのガソリン・エンジンは従来型のM274に換えてM264を採用。これは4気筒2.0リッターエンジンに48V系のマイルド・ハイブリッドシステムを組み合わせたもので、ヨーロッパの新排ガス規制導入の影響で損なわれたドライバビリティを電気モーターの力で補う効果が期待される。ちなみに、M264のスタータージェネレータはベルト駆動式のBSGで、ギアボックス内にスタータージェネレーターを組み込んだISG(6気筒3.0リッターのM256で採用済み)の4気筒 2.0リッター版はAクラスに搭載されて2020年にデビューする計画。つまり、M264はそれまでの“つなぎ投手”との位置づけなのだ。

大胆な進化を実感させる「GLC 300 d」のディーゼルエンジン

ドイツ・フランクフルト周辺の一般道で行なわれた国際試乗会では、注目の「GLC 300 d」にまず試乗。新型ディーゼル・エンジンのあまりに大胆な進化に圧倒される思いがした。

なにしろエンジンが静かで滑らかなのだ。従来であればアイドリング・ストップが利いてエンジンが停止すると、それまでの“ガラガラ”音と振動が収まってほっとしたものだが、新型であればエンジンが回っていてもほとんど気にならない。それくらい、ディーゼル特有の燃焼音が影を潜め、エンジンが常に身震いしているかのようなバイブレーションが低く抑えられているのだ。この点をエンジニアに指摘したところ、「おそらく燃料の噴射タイミングを変更したことが効果を発揮したのだろう」との回答を得た。

エンジンへの驚きは走り始めてからも続いた。回転の上昇が従来型よりも素早いうえに、トルクの立ち上がり方がスムーズで回転域のどこかで急に加速感が強まるようなこともない。しかも、トップエンドまで淀みなく回りきってみせるのだ。やや眠たい印象がつきまとった従来型とは完全な別物である。

新型GLC 300 dで目を見張らされたのはエンジンばかりではない。サスペンションは路面からのショックを見事に吸収するだけでなく、大きなうねりに遭遇してもボディをしっかりとフラットに保つ逞しさも持ち合わせていたのだ。

「相反するふたつの条件をこれほど高い次元で両立するとは、もしや・・・」と思ってクルマを停め、下周りをのぞき込んでみると、案の定、エアサスペンションが組み込まれていたのである。

本国ではデビュー当時から用意されていたGLCファミリーのエアサスペンション装着モデル、これまでは残念ながら日本仕様に設定がなかった。しかし、どうやら今回のマイナーチェンジに伴って日本にも導入される可能性が出てきたらしい。乗り心地を重視するメルセデス・ファンにとって、これは朗報以外のなにものでもないだろう。

オフロード走行もこなす本格派

一般道と高速道路を乗り継いでやってきたのは、特設のオフロードコース。ここでGLCファミリーのオフロード性能をたっぷり堪能するという趣向らしい。しかも、試乗日は朝のうちに強い雨が降ったため、もともと粘土質の土がドロドロになってひどく滑りやすそう。さらにGLCにとって気の毒なことに、ここをサマータイヤのピレリ・スコーピオン・ヴェルデで走ろうというのだ。

いくらなんでもそれは無茶だろうと思ったが、私の予想を裏切り、40%ほどあろうかという急傾斜でも登り切り、途中1輪が浮き上がってしまうギャップも3輪だけのトラクションで難なく走り抜けてみせた。

オフロード走行用に用意された試乗車はすべてオプションのオフロード・エンジニアリング装着車。この場合、通常185mmの最低地上高が195mmに増えるほか、オフロード・モードを選ぶとさらに50mm最低地上高が上昇し、くわえて低ミュー路に対応した特別なトラクション・コントロールが装着されるという。

しかし大切なのはサマータイヤを履いたGLCが、1輪が浮き上がってしまったり、30%以上の急傾斜で一旦停止してから再スタートするという悪条件を除けば、トラクションコントロールをほとんど作動させることなくオフロードコースを走り抜けてしまった点にある。つまり、この難コースを走り切れたのはGLCファミリーが本来持っているトラクション性能に負うことが大きいと推測されるのだ。その意味では、オフロード・エンジニアリングのない日本仕様のGLCファミリーでも思いのほか優れたオフロード性能を備えていると考えていいだろう。

ガソリンモデル「GLC 300」はケタ違いの洗練度

オフロード走行後は、ガソリン・モデルの「GLC 300」に試乗。GLC 300 dもディーゼルとしてはかなり静かで滑らかだったが、やはりガソリン・エンジンはそれとはケタ違いに洗練されている。ただし、中速域のトルクがGLC 300 dに比べて物足りないのは事実。また、試乗したGLC 300は金属バネ仕様だったが、それでも従来型に比べて路面の細かな振動を吸収する能力が向上し、ロードノイズが低減しているように感じられた。

ハンドリングが正確になった「AMG GLC 63 S」

ここまで試乗したところで終了の時間が迫ってきたのだが、さらに「AMG GLC 63 S」に飛び乗って公道を走り始める。GLC 300 dやGLC 300と異なり、今回はAMGモデルのエンジンに変更はないものの、新型ではエンジン、サスペンション、ESP、電子制御デフなどを統合制御する“AMGダイナミック”が新たに搭載され、より正確なハンドリングを実現したと担当エンジニアは語っていた。

残念ながらこのときは極限的なペースで走行するチャンスがなく、その効果を実感できなかったが、新型の乗り心地は前期型に比べてやや引き締まったものに変わったように感じた。ただし、その差はあまり大きくないので、マイナーチェンジに伴う変化なのか、コンディションの違いによるものなのかは不明だ。

日本への導入計画に関しては、まだ流動的な部分も残るものの、GLC 220 d、GLC 300、AMG GLC 43、AMG GLC 63、AMG GLC 63 S、そしてPHVのGLC 350 eなどがラインナップされるようだ。

REPORT/大谷達也(Tatsuya OTANI)

https://www.youtube.com/watch?v=6aa3PgD4jIQ

【SPECIFICATIONS】

メルセデス・ベンツ GLC 300 d 4MATIC

ボディサイズ:全長4669 全幅1890 全高1644mm

ホイールベース:2873mm

トレッド:前1621 後1617mm

車両重量:1805kg

エンジン:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1950cc

圧縮比:15.5

最高出力:180kW(245hp)/4200rpm

最大トルク:500Nm/1600 – 2400rpm

トランスミッション:9速AT

駆動方式:AWD

ステアリング形式:電動パワーステアリング

サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク

タイヤサイズ(リム幅):前後235/65R17 V(7.5J)

最高速度:240km/h

0 – 100km/h加速:6.2秒

CO2排出量(NEDC):157 -151g/km

燃料消費率(NEDC):5.9 – 5.7 L / 100km

メルセデス・ベンツ GLC 300 4MATIC クーペ

ボディサイズ:全長4742 全幅1890 全高1602mm

ホイールベース:2873mm

トレッド:前1618 後1614mm

車両重量:1825kg

エンジン:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1991cc

圧縮比:10.5

最高出力:190kW(258hp)/5800 – 6100rpm

最大トルク:370Nm/1800 – 4000rpm

トランスミッション:9速AT

駆動方式:AWD

ステアリング形式:電動パワーステアリング

サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク

タイヤサイズ(リム幅):前後235/60R18 V(8.0J)

最高速度:240km/h

0 – 100km/h加速:6.3秒

CO2排出量(NEDC):170 -161g/km

燃料消費率(NEDC):7.5 – 7.1 L / 100km

メルセデス-AMG GLC 63 S 4MATIC+

エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ

総排気量:3982cc

最高出力:375kW(510hp)/5500 – 6250rpm

最大トルク:700Nm/1750 – 4500rpm

トランスミッション:9速AT

駆動方式:AWD

ステアリング形式:電動パワーステアリング

サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク

最高速度:280km/h

0 – 100km/h加速:3.8秒

CO2排出量(NEDC):283g/km

燃料消費率(NEDC):12.4 L / 100km

【問い合わせ先】

メルセデス・コール

TEL 0120-190-610

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