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【安価にフォールディング・ルーフを楽しむ】プジョー308CC 英国版中古車ガイド

落ち着いた乗り心地に充実の装備

text:John Evans(ジョン・エバンス)

【画像】比較 プジョー308CCと308、RCZ 全50枚

translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)


熱狂的な走り好きが、プジョー308CCに強く惹かれることはないだろう。欧州仕様にはRCZクーペにも搭載された、1.6Lガソリンの200ps版を採用するグレードも存在していた。こちらのパワーには惹かれるかもしれないが。

このGT THP200は、1500kgのCCに活発なスタートダッシュを与えている。反面、車内は自宅にいるかのように穏やか。低速中心の市街地は安楽に、高速道路も苦労知らずに、クーペ・カブリオレは道を進む。

欧州でも200ps版の存在は珍しい。2011年のAUTOCARで試乗するまで、本当に存在するのか疑ったほど。落ち着いた乗り心地と、レザーインテリアをはじめとする充実した装備には、高い評価を得ている。

安っぽい振動音が立たない車内も、好印象だった。ルーフを開いても、想像以上に落ち着きが保たれていた。

2011年に308はフェイスリフトを受け、508を思わせるシャープなノーズと、デイタイムライトを獲得した。新車時の価格はやや高く、2万5845ポンド(348万円)。もちろん、現在の中古車価格は比べ物にならないほど安い。

200psのGT THP200は除外して、英国市場での308CCの中古車価格は1500ポンド(20万円)から始まっている。2009年式の1.6Lモデルで、121psと152psを発揮するモデルが選べる。

走行距離は16万kmを少し切る程度。金属製の2ピース・ハードトップが生む快適性と安全性に、2+2の実用性を兼ね備えている。悪くはない値段だと思う。

ただし、152psを発揮する1.6THPの信頼性には注意が必要。選ぶなら、2010年登場の、156ps版1.6THPの方が良いだろう。

オープンの楽しさと2+2クーペの利便性

定番の条件だが、308CCでも整備記録がしっかり残っているクルマを選ぶべき。特に1.6Lのガソリンエンジン版の場合、エンジンの調子を保つためにも定期的なオイル交換は不可欠。整備簿だけでなく、明細なども確認できれば、一層安心だ。

取材で聞いた限り、技術的な知識を持つ人はディーゼルエンジンの方が良いと話していた。日本には未導入ではあるが。

欧州では1.6Lと2.0Lのディーゼルが選べた。163psを発揮する2.0HDiが登場したのは、2011年のフェイスリフト後。34.6kg-mという太いトルクが嬉しい。レスポンスが良いとはいえないが、2000rpmまで回さずとも、気取った308CCを不満なく運転できる。

トランスミッションはMTよりATの方が良い。クルマの雰囲気らしく、スムーズに変速を済ませてくれる。扱いやすい洗練されたCCを、一層引き立ててくれる。

フォールディング・ハードトップを、電動でトランクリッドへ折り畳むのに必要な時間は20秒。最大10km/hまでのスピードでなら開閉できる。購入するなら、予め動作は確認したい。

開閉時は、先にサイドウインドウがわずかに下る。車内のスイッチからだけでなく、キーのスイッチからもリモートで操作できる。リアウィンドウや、荷室のデバイダーなどの状態も確かめてておく。

運が良ければ、オプションだったウインド・ディフレクターが付いている。人のまばらな春の道を走るのなら、安い308CCでも充分に気持ちがイイ。

不具合を起こしやすいポイント

ガソリンエンジン

1.6LのVTiエンジンの場合、オイルソレノイドの詰まり、エンジンECUへの漏水、サーモスタットの不良などが起きがち。エンジンオイルの消費は早く、1300kmで1L程度の消費は範囲内だという。

1.6THPエンジンでは、タイミングチェーンや高圧燃料ポンプの不具合、吸気ポートへのカーボンの蓄積などが挙げられる。

ディーゼルエンジン

定期的なエンジンオイル交換が、オイルの詰まりやターボの不具合を防いでくれる。ECUに故障が出ると、最高出力が低くなる。ディーゼル・パティキュレート・フィルター(PDF)の不調にも注意。

トランスミッション

全体的に堅牢だが、2.0Lのディーゼル版と、156psの1.6Lガソリンのクルマでは、3速から2速への変速で不具合が起きる場合がある。シフト・コントロールの調整が必要。200psのガソリンエンジンでは、トランスミッション内に水が侵入することがある。

ブレーキ

CCは軽くないから、ブレーキディスクとパッドは磨耗が早い。ABS警告灯が点灯している場合、ホイールスピード・センサーの断線の可能性がある。

電装系

フロントガラス周りや荷室からの漏水に注意。シーリングが不十分だと、水が入りコントロールユニットを壊してしまう。バッテリーの劣化にも気をつけたい。

ボディ

サイドシル周りのサビに注意。ジャッキポイントの状態も確かめたい。

インテリア

ヒーターマトリックスが詰まっていないか、ヒーターの動作は正常かを確認する。

専門家の意見を聞いてみる

マイク・リード X -BEX代表

「308CCは、307CCよりずっと美しいと思います。個人的には、将来的にクラシックとして再評価されると考えています。スタイリングはRCZに通じるところがあり、エンジンも1.6LのTHP 200という同じユニットを選ぶこともできました」

「ただし、THP 200を積んだCCはとても珍しいですね。英国では、週に1台は308CCが売れていきます。暖かい季節はもっと人気も高まります」

「BMWと共同開発した初期の1.6Lエンジンは別として、不具合は起きえます。タイミングチェーンはゆるくなりますし、カーボンが蓄積してアイドリングが不安定になったり、ミスファイアが起きることもありますね」

知っておくべきこと

フォールディング・ルーフは、使わないと不調になることも多い。週に1回は動かしておくと良い。ただし、古いクルマほど作動用ポンプの不具合が出がち。修理は高価だ。

いくら払うべき?

1500ポンド(20万円)~4499ポンド(39万円)

英国では、初期の1.6L VTiスポーツやTHPが選べる。走行距離は14万km前後。

4500ポンド(40万円)~5499ポンド(74万円)

走行距離が短い2010年から2011年式のディーゼルエンジンモデルが出てくる。2011年から2012年のガソリンエンジンモデルも。

5500ポンド(75万円)~6999ポンド(94万円)

走行距離が短い、2012年から2014年の1.6Lガソリンモデル。走行距離は6万4000km前後。

7000ポンド(95万円)~8999ポンド(120万円)

走行距離が短めの2012年から2013年式ディーゼルと、1.6Lガソリンの最終モデル。

9000ポンド(121万円)~9500ポンド(128万円)

英国では、2014年の走行距離が短いディーゼルが選べる。

英国で掘り出し物を発見

プジョー308CC 2.0 HDi GT 登録:2011年 走行:8万400km 価格:6000ポンド(81万円)

同等の価格で、整備記録が整ったクルマの選択肢はいくつかある。だがこれは、トルクの太いディーゼルエンジン。リラックスして走れるAT車で、装備も充実したGTグレード。

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