サーキットを走るために作られた本気のパフォーマンスカー
2021年1月、6世代目となる新型M3(G80型)が国内でも発表された。この代では、ついに最高出力は500psを超え、駆動方式はFRだけでなく、M3初となる四輪駆動モデルの導入が予定されている。ここであらためてM3の歴史を振り返ってみる。
そもそもBMW のMモデルにある「M」の文字は、1972年に設立されたレース部門である「BMW モータースポーツ」社をルーツとし、“モータースポーツ”を意味するものだ。現在は「BMW M」社と社名を変更して、モータースポーツ用車両と高性能量産車の開発を並行して行っている。
そしてBMW M社が開発を手がける最新のMモデルには、2つのカテゴリーがある。ひとつはサーキット走行を前提とした最速仕様の「Mハイ・パフォーマンス・モデル」、もうひとつはサーキットで培われた技術を取り入れた高性能版の「Mパフォーマンス・モデル」。新型M3は前者のMハイ・パフォーマンス・モデルに位置付けられるものだ。
Mモデルのすごさを証明した初代M3
1986年、初代M3(E30型)が登場。ブリスターフェンダーや大型のリアスポイラーを特徴とし、ドイツツーリングカー選手権(DTM)をはじめとする欧州のツーリングカー選手権や、日本国内のGT選手権でも活躍し人気を博した。現在、中古車は超希少で、程度のいいものはプレミア価格で取引されており、カーセンサーでもめったに見かけることはない。
見た目は控えめも直6エンジンで武装した激速モデル
1992年、2代目M3(E36型)がデビュー。初代が4気筒エンジンだったのに対して、この代より直列6気筒エンジンが搭載されるようになった。ボディタイプは2ドアクーペだけでなく、4ドアセダンがラインナップされた。また、本国にはカブリオレもあった。
前期型が3Lの5速MT、1995年以降の後期型は3.2Lまで排気量を拡大した6速MT、または6速セミオートマチックのSMG(シーケンシャルMギアボックス)を組み合わせていた。中古車は前期後期ともに少ないながらも流通しており、程度によって車両本体価格はばらつきがあるが前期であれば200万円台から見つかることも。
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制御システムの一新や軽量化を図るもセダンはなし
2000年、3代目M3(E46型)がデビュー。3.2L直6エンジンを搭載し、トランスミッションは6速MT、または6速セミオートマチックのSMGIIを組み合わせていた。2003年には70年代に活躍した3.0CSLの名を継いだM3 CSLが登場。CSLは「Coupe Sport Leichtbau(クーペ、スポーツ、軽量構造)」を表し、ルーフなどにCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用し、110kgの軽量化に成功。ニュルブルクリンク北コースで、当時としては驚異的な7分50秒を記録。世界で1383台が販売された。
この代の中古車は車両本体価格200万円台から流通しており、トランスミッションはMTだけでなくSMGIIも見つかる。CSLは希少なためほとんど流通していない。 BMW M3「E46型」の中古車を探す▼検索条件BMW M3「E46型」 × 全国
高回転型軽量V8エンジンを搭載した異端児
2007年、4代目M3(セダンE90/クーペE92型)がデビュー。この代よりエンジンが、軽量な4L自然吸気V8になった。このV8エンジンは8400回転まで一気に吹け上がり、最高出力は一気に420psに到達した。トランスミッションは、6速MTまたは7速DCT。4代目も本国ではカブリオレが設定されていた。
中古車相場は程度によるが、車両本体価格は300万円前後から。ボディタイプはクーペがメインだが、セダンもそれなりに流通している。また、後期型に設定された特別仕様車、フローズン・シルバー・エディションやDTMチャンピオンエディションなどの希少車も見つかる。 BMW M3「E90型」の中古車を探す▼検索条件BMW M3「E90型」 × 全国
伝統の直6がターボに進化しカムバック!
2014年、5代目M3(F80型)がデビュー。M3のボディタイプはセダン、クーペはM4となりすみ分けがなされた。また、先代で物議を醸したV8エンジンは、ふたたび直6エンジンへと置き換えられ、M3初のターボチャージャーを搭載。最高出力は431psを誇る。
また、トラスミッションはMTが廃止となり(M4には設定あり)、7速DCTのみとなった。中古車の車両本体価格は500万円前後から流通しており、700万~800万円の予算があれば、後期型の認定中古車を探すことも可能だ。 BMW M3「F80型」の中古車を探す▼検索条件BMW M3「F80型」 × 全国歴代M3は、スタイリング、ダイナミクス性能、機能性とそれぞれ時代にあった最適なバランスを具現化したモデルだ。自分好みの1台を探すのは、悩ましくもとても楽しいはずだ。 文/藤野太一、写真/BMW
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一般道では迷惑なのでその能力は使わないで下さいね。どうしても使ってみたいなら真冬の雪道でお願いします。いかに危険か認識出来ますよ。