現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ガソリンの暫定税率、廃止される可能性が高まる!? 自民党の高市早苗新総裁が意欲を示す! 新税との関係はどうなるか 今後の動向に注目集まる

ここから本文です

ガソリンの暫定税率、廃止される可能性が高まる!? 自民党の高市早苗新総裁が意欲を示す! 新税との関係はどうなるか 今後の動向に注目集まる

掲載 更新 72
ガソリンの暫定税率、廃止される可能性が高まる!? 自民党の高市早苗新総裁が意欲を示す! 新税との関係はどうなるか 今後の動向に注目集まる

■高市早苗新総裁、ガソリンの暫定税率廃止に意欲

 ガソリンと軽油の価格が下がる可能性が高まっています。

【動画】「えっ…」 これが「高市議員のスープラ」です!

 直近では、2025年10月4日に自民党総裁の座についた高市早苗氏が、会見で燃料油の暫定税率廃止に向けた意欲を示しました。
 
 実現に向けて今後、どのような流れになっていくのでしょうか。

 高市氏の発言は、自民党総裁選挙3日前の10月1日、与党である自民党と公明党、そして野党の代表として立憲民主党が参加した実務者協議に裏打ちされたものだと言えるでしょう。

 次の臨時国会においてガソリンの暫定税率廃止に関する法案を成立させることで、3者が事実上合意したというニュースが流れているのです。

 この法案とは、立憲民主党のほか、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党の野党7党が8月1日に衆議院に提出したいわゆる「ガソリン暫定税率廃止法案」のことです。

 正式名称は「租税特別措置法および東日本大震災の被害者に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案」。

 ここで、ガソリンに係る税金の暫定税率について少し振り返ってみましょう。

 1970年代に道路整備の財源として、またオイルショックによる原油価格高騰を補うための一時的な措置でしたが、その後も名目を変更されて旧暫定税率という形になり、依然として続いている措置です。

 また、今回の法案で東日本大震災についても触れていますが、これはトリガー条項の凍結に関する見直しを含みます。

 トリガー条項は2010年の租税特別措置法の一部改正で、全国ガソリン小売価格が3ヶ月連続で160円を越えた場合、暫定税率分(25.1円)を減税するといった各種条件を設定したものです。

 ただし、2011年の東日本大震災に対応する財源としてトリガー条項を当分の間は凍結することを決めました。

 その後、トリガー条項凍結を見直すべきという議論は国会で度々行われてきましたが、近年はガソリン税に係る暫定税率そのものを廃止するべきという抜本的な法改正の議論が高まっているところです。

 そんな中、大きな変化点となったのは、与党である自民党と公明党、そして国民民主党が昨年12月11日の幹事長会談で、いわゆる「103万円の壁の引き上げ」と「ガソリンに係る税の暫定税率廃止(ガソリン暫定税率)」での合意です。

 ところが、与党側がその後、この合意の実施について具体的な方向性を示さないために、ユーザーの多くが、ガソリン税の暫定税率廃止が宙に浮いたように印象を持ち、ガソリン価格引き下げに対して不安を抱くようになったのではないでしょうか。

 こうした与野党間での不安定な状況を打破したのが、野党7党が6月11日に衆院に提出した「ガソリン暫定税率廃止法案」ですが、衆院で可決されるも、与党が多数を占める参院での決議に及ばず。この際、法の施行日は7月1日となっていました。

 その後の参議院選挙で与党が過半数を切ったことから、8月1日に同法案を再び提出していました。今回、法の施行日は11月1日としています。

 立憲民主党のホームページには、この設定日について「できるだけ早期に暫定税率を廃止するという観点から、政府や業界団体とも協議の上で設定したもの」と説明しています。

 なお、軽油の軽油引取税の暫定税率廃止について、8月21日の与野党実務者協議の際に来年4月からの廃止を想定しています。

 ところが、大きな課題として改めて浮上したのが、ガゾリン暫定税率廃止に伴う新しい財源です。

 一部では、クルマが走った距離に応じて課税する「走行距離課税」を新たに導入して、その財源にあてる案が浮上したと報じられました。

 筆者は霞が関界隈でこの件について情報収集していますが、どこまで具体的な議論が行われたのかは不明です。
 
 また、ガソリン等の燃料油税のほか、クルマに係る車体課税が来年度から大きく変わるための準備が現在、行われているところです。

 車体課税とは自動車所得にかかる「環境性能割」、自動車保有時にかかる「自動車税(軽自動車税)」と「自動車重量税」を指します。

 その上で、自動車メーカーなどでつくる業界団体の日本自動車工業会が9月18日に実施した定例記者会見で、ガソリン暫定税率を廃止した場合の代替財源として「車体課税への付け替えやユーザーの負担増につながることは絶対反対」と、強いメッセージを発信したのが印象的でした。

 また、消費税との二重課税である堪能性能割については、改めて完全に廃止することを要望。

 さらに、暫定税率は自動車重量税にもかかっており、これについても抜本的な議論が必要という見解を示しています。

 その上で、自動車税(軽自動車税)と自動車重量税を、クルマの重さを基本とした新税として統一する新税ことが検討されています。

 日本自動車工業会の会見では、この新税の要素や詳細の議論の進捗については明らかにしていません。

 要するに、ガソリン暫定税率廃止について、財源や車体課税との関係性など総括的な議論がまだまだ不十分な状況にあるということです。

 見方を変えると、こうした議論は新しい政権による方針に大きく左右されるとも言えるでしょう。実際、各方面と意見交換してみますと、こうした見解を示す自動車関連業界の幹部は少なくありません。

 そして今回、高市氏がまずは自民党総裁となったわけですが今後、総裁と総理の「総総分離」が起こらなければ高市政権が発足することになります。

※ ※ ※

 高市氏はトヨタ「70スープラ」を20年以上所有したり、当時の中型バイクに乗っていた経験があるなど、ユーザーとして自動車に対する理解がある人物だと報じられています。

 むろん、そうした個人的な感覚でクルマに係る税金の車体課税やガソリン暫定税率の問題に対応することはないでしょう。

 そうとはいえ、政権の維持安定のために与野党間の連携強化は必須であり、ガソリン(及び軽油)の暫定税率の早期廃止は、新政権の良きスターティングシンボルになるかもしれません。

 いずれにしても、ユーザーとしてはクルマに係る税金について十分納得がいく形で抜本的な変革が行われることが期待されます。(桃田健史)

文:くるまのニュース 桃田健史
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

自動車税制9種類9兆円に画期的答弁!! 片山さつき財務相「角を矯めて牛を殺すな」発言【全文】
自動車税制9種類9兆円に画期的答弁!! 片山さつき財務相「角を矯めて牛を殺すな」発言【全文】
ベストカーWeb
ガソリン暫定税率廃止でバイクライフはどう変わる? そもそもなんであんなに高いの? SNSで反響
ガソリン暫定税率廃止でバイクライフはどう変わる? そもそもなんであんなに高いの? SNSで反響
バイクのニュース
車購入時の“2重課税”見直し、「環境性能割」2年間限定で停止検討へ[新聞ウォッチ]
車購入時の“2重課税”見直し、「環境性能割」2年間限定で停止検討へ[新聞ウォッチ]
レスポンス
トランプ砲で全米に「軽」解禁!? 軽自動車の米国販売を容認へ!規制緩和指示の裏にある日米交渉の思惑は? 米国解禁という“奇策”の真意
トランプ砲で全米に「軽」解禁!? 軽自動車の米国販売を容認へ!規制緩和指示の裏にある日米交渉の思惑は? 米国解禁という“奇策”の真意
くるまのニュース
高市政権が自賠責からの借金約5741億円を一括返済へ――30年「宙づり」だった自動車ユーザーのお金と返却の影響
高市政権が自賠責からの借金約5741億円を一括返済へ――30年「宙づり」だった自動車ユーザーのお金と返却の影響
ベストカーWeb
「金の卵を産むガチョウの腹を割くな!!」高市政権が掲げる積極財政は危機に立つ日本の自動車産業を守れるか?
「金の卵を産むガチョウの腹を割くな!!」高市政権が掲げる積極財政は危機に立つ日本の自動車産業を守れるか?
ベストカーWeb
「環境性能割2年停止」で自動車は本当に甦るのか? ピーク比4割減の国内市場、税軽減の効果を問う
「環境性能割2年停止」で自動車は本当に甦るのか? ピーク比4割減の国内市場、税軽減の効果を問う
Merkmal
高市政権の決断――自賠責保険「5741億円返還」は本当に実現するのか? 30年放置の負債、保険料軽減どうなる
高市政権の決断――自賠責保険「5741億円返還」は本当に実現するのか? 30年放置の負債、保険料軽減どうなる
Merkmal
新車235万円! トヨタ最新「ステーションワゴン」に反響殺到!「コスパと手頃なサイズが最高!」「ワイドボディ仕様がカッコいい」の声も! めちゃ使える“ひろ~い荷室”が大好評の「カローラツーリング」が凄い!
新車235万円! トヨタ最新「ステーションワゴン」に反響殺到!「コスパと手頃なサイズが最高!」「ワイドボディ仕様がカッコいい」の声も! めちゃ使える“ひろ~い荷室”が大好評の「カローラツーリング」が凄い!
くるまのニュース
グローバルメガサプライヤー「AUMOVIO」が本格始動! コンチネンタルからオートモーティブ部門が完全独立 社長が語る「グローカル戦略」と未来像とは
グローバルメガサプライヤー「AUMOVIO」が本格始動! コンチネンタルからオートモーティブ部門が完全独立 社長が語る「グローカル戦略」と未来像とは
くるまのニュース
10年ぶり“全面刷新”! トヨタ“新型”「ハイラックス」公開に大反響! 新たな「9代目」どんなモデル? パワフルな「ディーゼル」エンジン搭載に「欲しい!」の声も! 泰国で登場の「新モデル」が話題に
10年ぶり“全面刷新”! トヨタ“新型”「ハイラックス」公開に大反響! 新たな「9代目」どんなモデル? パワフルな「ディーゼル」エンジン搭載に「欲しい!」の声も! 泰国で登場の「新モデル」が話題に
くるまのニュース
今までが甘すぎた!? 「外免切替」の手続き厳罰化! 試験の合格率が“大幅低下”の都道府県も 2ヶ月経って一体どのような影響があった?
今までが甘すぎた!? 「外免切替」の手続き厳罰化! 試験の合格率が“大幅低下”の都道府県も 2ヶ月経って一体どのような影響があった?
くるまのニュース
不具合多発… 「中国製・EVバス」なぜ今リコール? 2年前から把握? 「ブレーキ欠陥」と現場が震える実態、何が起こっているのか
不具合多発… 「中国製・EVバス」なぜ今リコール? 2年前から把握? 「ブレーキ欠陥」と現場が震える実態、何が起こっているのか
くるまのニュース
“原付二種”のホンダ「新スーパーカブ」発表に反響殺到!「やっぱりカブは魅力的!」「“時速30km制限”が無いのが良いね」の声も! パワフルなビジネスバイク「110シリーズ」とは!
“原付二種”のホンダ「新スーパーカブ」発表に反響殺到!「やっぱりカブは魅力的!」「“時速30km制限”が無いのが良いね」の声も! パワフルなビジネスバイク「110シリーズ」とは!
くるまのニュース
海外で普及する「キャップレス給油口」、果たして日本で根付くのか? その障壁とは何か
海外で普及する「キャップレス給油口」、果たして日本で根付くのか? その障壁とは何か
Merkmal
すげぇトヨタ「新ハイエース」お披露目で話題に! 200系・300系サイズ存在「アリかも」なユーザーも!? ついに“全面刷新”までカウントダウンか
すげぇトヨタ「新ハイエース」お披露目で話題に! 200系・300系サイズ存在「アリかも」なユーザーも!? ついに“全面刷新”までカウントダウンか
くるまのニュース
「ドリフト走行禁止」が今後明文化される? 「過失」ではなく「危険運転」に認定の動き 過去にはドリフトによる人身事故も発生 「自動車運転処罰法」改正でどうなるのか
「ドリフト走行禁止」が今後明文化される? 「過失」ではなく「危険運転」に認定の動き 過去にはドリフトによる人身事故も発生 「自動車運転処罰法」改正でどうなるのか
くるまのニュース
“注文殺到”の「3人乗りトライク」実車登場! 新車88万円で“めちゃ使える”スゴイ乗りもの!「大阪モーターショー」に“初展示”決定のタイゾー「NEOワン」&「NEOライト」とは!
“注文殺到”の「3人乗りトライク」実車登場! 新車88万円で“めちゃ使える”スゴイ乗りもの!「大阪モーターショー」に“初展示”決定のタイゾー「NEOワン」&「NEOライト」とは!
くるまのニュース

みんなのコメント

72件
  • KM
    ガソリン暫定税率廃止の他に走行距離に応じた課税とか言ってる案も葬ってほしい
  • kenichi
    財務省のいいなりになりませんように
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村