10月3日、 アメリカ・ジョージア州のミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタにて、3日間にわたるIMSA公認のLMDh車両テストが始まった。このテストには、2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスへと参戦する、BMW、アキュラ、キャデラックの新型LMDh車両が参加している。
■全車のラップタイムが接近
BMW MチームRLLは、このテストの初日においては信頼性に関する大きな問題もなく、LMDhマシンの「飛躍の日」となったと、テクニカル・アンド・レース・オペレーション・ディレクターのブランドン・フライは語っている。
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初日はコナー・デ・フィリッピとマルコ・ウィットマンがBMW MハイブリッドV8のドライビングを担当。かなりの走行距離を走破することができており、フライとデ・フィリッピはこれまでで最も生産性の高いテストだったと考えている。
「たくさんの周回を重ねた。本当に、これまでで最もスムーズなテストのひとつだった」とフライは語った。
「今日一日、すべてがうまくいったんだ。開発計画の多くをやりきることができた。全体的に、良い一日だった。コナーとマルコのふたりを乗せたが、彼らにとってはすべてが本当にスムーズだった」
「今夜は多くのことを学び、消化し、そこから出発したい」
ラップタイムを出すことが目的ではなかったものの、このサーキットで以前もテストした経験を持つキャデラックV-LMDhとアキュラARX-06を相手にした、Mハイブリッド V8のペースにフライはとても驚いたという。なお、このテストでは、公式ラップタイムは明らかにされていない。
フライは、「走行距離を稼ぐことが重要だったが、ドライバーがクルマに乗る時間が長くなるにつれてペースが落ち着き、どの車もかなり接近しているように見えたと思う」と語った。
「テストを始めてすぐに、全車のタイムが接近していることが分かってよかった」
「間違いなくこのクルマは新車で、多くの開発作業と多くのことがまだ行われている段階だ。今日のように多くの周回を重ねる、強力な1日が必要だった。ある意味で、今日は我々にとってちょっとした飛躍の日になった」
先週、ニューヨーク州ワトキンス・グレン・インターナショナルでのテストでアクシデントに見舞われたBMWは、今週のテストに間に合うようにマシンを修復するため、時間との戦いを強いられていた。
「僕らにとって、今日は初めての本格的なテストデーだった」とデ・フィリッピは語った。
「ヨーロッパでは何度もテストをしているが、いつも問題があって、なかなかうまくいかない。この1カ月、1カ月半の間、チームは懸命に働いてきたから、彼らを思うととてもハッピーだ。そしていま、マシンはより信頼できるものになった。今日は本当にスムーズな一日だった。おそらく誰よりも多く周回したと思う」
「彼らの仕事ぶりには脱帽だ。これから(開幕戦)デイトナまでの間、僕らの仕事は大変になるだろうけど、それは(GTPに参戦する)誰にとっても同じことだと思う。今日がスムーズに終わって、ただただハッピーだ」
「あちこちで小さなトラブルがあり、そのたびに厳しい目が向けられてきたのだから、みんな肩の荷が下りたと思う」
「新しいサプライヤーと仕事をし、すべてを調整し、異なる大陸、異なる会社、異なる言語でコミュニケーションをとる......それだけでも、物事は簡単にうまくいかなくなるものだ」
「そういったことが起こると、残念ながら解決に時間がかかり、時間は僕らの味方ではなくなってしまう。今日は、僕らにとって大きな、大きな一日だった」
「目標はあと2日、この調子で走り続けることだ。今夜、さらにふたりのドライバーが到着したし、準備は万端だよ」
テスト2日目はデ・フィリッピとウィットマンに加え、アウグスト・ファーファスとニック・イェロリーもマシンをドライブする予定だ。
■パーツ到着遅れで「短い一日」になったチップ・ガナッシ
キャデラックV-LMDh勢では、アクション・エクスプレス・レーシングは初日の朝一番にコースインした一方、チップ・ガナッシ・レーシングのキャデラックは部品の入荷が遅れたため、午後遅くにしかコースに出られなかった。
「僕らにとっては、短い一日となった」とセバスチャン・ブルデーは語った。
「一日が始まったのが、午後4時半くらいだったからね。センサーやシステム、ハードウェアといった部分でマシンに搭載するものがたくさんあるんだけど、それらの到着が本当に遅れていたんだ」
「残念ながら、僕らがやりたいと思っていたことのほとんどをやり遂げることができなかった。でも少なくとも、いくらかのシステムチェックと走行はできた」
「それはとても有益だったよ。車高調整などの基本的なセットアップを正しく行うことができたから、明日から(本格的な)作業を開始できる」
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