この記事をまとめると
■「ガイア」はオデッセイ人気を受けトヨタが急遽投入したミニバン
いま生まれていればなぁ~感! 販売は失敗したけど「トヨタ・ナディア」はいいクルマだった
■イプサムをベースに高級感を強めた仕立てとなっていた
■オデッセイには敵わず1代限りでモデル廃止となった
トヨタのミニバン史で忘れられがちな1台
いまではアルファードやノア&ヴォクシー、シエンタといった大人気の車種を揃えるトヨタのミニバンに、かつてガイアというモデルがあったのを覚えているだろうか。
1990年代初頭はキャブオーバー、FRのミニバンが主流だったのだが、1994年、そこに突如として現れたのが、乗用車ベースで室内の広さや低床を確保できるFFのミニバン、ホンダ・オデッセイだった。
オデッセイは多人数乗用車を求めるファミリーユーザーにとってまさに衝撃の1台であり、大ヒット。その初代は1999年まで生産、販売され、1999年には2代目へと進化。2001年には筆者も所有したスポーティグレードのアブソルートを追加し、その人気を不動のものにしたのである。
そんなオデッセイ人気、ひいては乗用車ベースのミニバン人気にあやかるべく、トヨタが急遽開発し、1998年に発売したのが3ナンバーサイズの乗用ミニバン、ガイアだった。
すでにトヨタには1996年に登場したイプサムという5ナンバーサイズの3列シート・7人乗りのコンパクトミニバンがあったのだが、その全長を90mm伸ばし、全高を20mm高め、イプサムに対して室内スペースを拡大。オデッセイの対抗馬として企画されたのである(プラットフォームはコロナプレミオのもの)。
当時のトヨタの説明によれば、「扱いやすい5ナンバーボディの高級ファミリービークルがガイア。高級感あふれるエクステリア、そして、ゆとりと高品位のインテリアを特徴とする、より豊かなモビリティライフ(クルマとともにある生活)を楽しむためのミニバンである」とされる。
駆動方式はFFと4WDを設定。4WDシステムはFFとトルクスプリット4WDがセレクトできるアクティブトルクコントロール4WDを採用した。搭載エンジンはFF系が135馬力の2リッターハイメカツインカムと94馬力の2.2リッターディーゼルターボ、4WDは2リッターハイメカツインカムのみの設定。ミッションはすべてのモデルで4速ATのみとなっていた。
モノグレード展開ながら、2-2-2名の6名定員モデルと、2-3-2名の7名定員モデルの2タイプがあり、さらにエアロパーツを装着するエアロ、プライバシーガラスなどが付く”L”、”L”の装備に加えアルミホイールなどが装備される”G”、装備を簡略化した”S”と、3つのパッケージオプションを用意。安全装備として全車にデュアルエアバッグやABS、プリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルトを標準で装着し、当時の新車価格は税込205万~268万円であった。
オデッセイの牙城を崩すことはできなかった
エクステリアのメッキパーツの多用、イプサムにない2列目キャプテンシートの設定など、イプサムより高級に仕立てられたガイアだったが、2004年8月に生産を停止、9月に販売を終了し、2代目はなかった。
2.2~2.3リッター直4に加え3リッターV6エンジンを用意し、足まわりにはアコード譲りの4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションを採用し、全幅1770mmの余裕ある3ナンバーのボディサイズと室内空間を備えるのみならずデザイン的にも優れたホンダの渾身作、オデッセイに敵うはずもなかったからである。
なお、ガイアと入れ替わりに発売されたミニバンは(後継車ではない)、2004年9月に登場したラウム譲りのパノラマオープンドアという切り札をもったアイシスであった(基本は5ナンバーで一部グレードは3ナンバー)。こちらは2017年まで生産された、13年間ものロングライフモデルとなっている。
いずれにしても、1990年代後半からの「乗用ミニバンを出せば売れる!」という、オデッセイとステップワゴンが席巻した日本の第1期ミニバンブームのなかで、その存在感を発揮できなかった1台がガイアということになるだろうか。
とはいえ2000年代に入ってからのトヨタは、2001年に初代ノア&ヴォクシー、2002年に初代アルファード、2003年には5ナンバーサイズでセダンに匹敵する低重心な走りを実現する初代ウィッシュといった大ヒット作のミニバンを続々登場させた。
トヨタのミニバンラインアップを充実させ、現在の圧倒的人気を誇るトヨタミニバンの布石をガイアも築いてきたことは間違いない事実である。
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みんなのコメント
追撃に出たのは2代目イプサムでは?