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ホンダeへ通じる「もどかしさ」 ミニ・エースマン E 硬い乗り心地に200kmは本当に丁度良い?

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ホンダeへ通じる「もどかしさ」 ミニ・エースマン E 硬い乗り心地に200kmは本当に丁度良い?

小さなボディに大きな車内? 丁度良いミニ

欧州の自動車メーカーは、矢継ぎ早に新しいバッテリーEVを投入している。ミニもクーパーとカントリーマンに続いて、エースマンを発売した。前者2種は、エンジン仕様も選択できるけれど。

【画像】硬い乗り心地に航続200km ミニ・エースマン E サイズの近い電動クロスオーバーたち 全189枚

エースマンは、バッテリーEV専用モデルとなる、クーパーの車高を持ち上げた成り立ちのクロスオーバー。今回試乗したのはベースグレードとなるエースマン Eで、駆動用バッテリーの容量は38.5kWhと小さい。

コンパクトなボディに、ファミリーカーとして使える車内空間を実現した、丁度良いミニだと主張される。Eなら価格は一層身近なものになり、普段使いに困らない航続距離が備わるとも。だが、丁度良いと感じるかどうかは、ライフスタイルに依存するだろう。

大人には狭めの後席 現実的な航続は約200km

全長は4079mm、全幅は1754mmで、ルノー・クリオ(ルーテシア)より僅かに長いものの、2025年の基準でいえば確かに小柄。1.7m超えの全幅は、最近では当たり前のようになってきた。

ファミリーカーとして使えるか、という点は少し疑問。荷室は正直狭く、リアシートは大人には窮屈かもしれない。ISO FIX規格のチャイルドシート・マウントは3脚ぶん並んでいるが、間隔がきつく、実際は3脚並べることはできない。

1度の充電で走れる航続距離は、カタログ値で305km。今回は数週間試乗させていただいたが、市街地での電費は平均で7.0km/kWhと褒められる。ところが高速道路に入ると、5.0km/kWh前後へ低下していた。

現実的な数字は、200km程度になる。平均的な通勤環境なら、数日間は無充電で過ごせるとはいえる。

即時的な反応のモーター 低速で硬めの乗り心地

ダッシュボードの中央には、若者へ受けるであろう、薄い円盤状のインフォテインメント用モニター。インターフェイスのデザインは、アイフォーンに似ており扱いやすい。

パワートレインの印象は良い。最高出力は183psあり、1720kgの車重には充分。電気モーターの反応は即時的で、エースマン SEの方が34ps強力だが、一般道で違いを感じる場面は限られるはず。

サポート性に優れたシートへ身を任せられる、運転席のポジションは高めで、視界は広々。全幅も狭めといえ、先を急ぐドライバーが多い市街地でも導きやすい。ミニらしく、ステアリングの反応は非常に直感的でもある。

乗り心地は、高速道路では滑らかに転じるものの、ツギハギが多く速度域の低い市街地では、路面の凹凸を拾いがち。シートとステアリングホイールを通じ、明確な揺れが収まらなかった。

ホンダeへ通じるようなもどかしさ

お値段は、英国で2万8905ポンド(約564万円)から。バッテリーEVでスタイリッシュなクロスオーバーのミニとして考えれば、悪くない出資に思える。ただし、航続距離や実用性を踏まえると、割高にも思える。

残価設定プランの月払い金額は、約300ポンド(約6万円)。これだけの経済力を持つ若者は、都心部に住んでいる場合が多い。マイカーを必要とする割合いは、低いはず。

エースマンを購入する主な層は、ミニの広告展開とは異なり、若者ではないと想像する。反面、経済的に余裕のある少し上の世代は、市街地での硬めの乗り心地を恐らく好まないだろう。

エースマン Eには、ホンダeへ通じるようなもどかしさがある。デザインは素晴らしいが、小さな駆動用バッテリーや乗り心地が魅力を霞ませている。クーパーよりひと回り大きい、モダンなスタイルのミニを求めるファンなら、共感を得られるかもしれない。

ミニ・エースマン E クラシック(英国仕様)のスペック

英国価格:2万8905ポンド(約564万円)
全長:4079mm
全幅:1754mm
全高:1514mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.9秒
航続距離:305km
電費:7.0km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1720kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:38.5kWh
急速充電能力:−kW(DC)
最高出力:183ps
最大トルク:29.3kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション(前輪駆動)

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