毎年4月にミラノ近郊の広大な会場で行われる家具の見本市「Salone del Mobile Milano(ミラノサローネ)」と、ミラノ市内で開催されるデザインや家具の展示「Fuori Salone(フォーリサローネ)」。その2つの総称である世界最大のインテリアイベント「ミラノデザインウィーク」で見られたインテリアの最旬トレンドを解説。第1弾は、「グラマラスとカーブ」がテーマだ。
2025年のインテリアトレンドvol.1
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1.グラマラスなムード2.カーブしたソファ3.人気のブークレも進化中4.雲みたいなふっくらチェア1.グラマラスなムード
COVID-19の混乱下で、人々は”家の中での過ごし方“について、改めて考え、見せるためのインテリアから、より快適でリラックスできる温かみのある空間へとマインドがシフトしていった。
自然と心地よい手触りや温もりを感じる素材やフォルムが選ばれるようになった。そこでキーワードとなったのが、ミッドセンチュリー後期である70年代のグラマラスなデザイン。ベルベットやブークレなど起毛素材を使った家具のたっぷりとしたサイズ感や毛足の長いラグ、そしてグリーンやブラウンなどのカラーリングにはどこか色気がある。かつてトム・フォードが手掛けたグッチのようなグラマラスなムードが、インテリアのトレンドだ。
グラマラスなインテリアの筆頭にあげたいのは、ラグジュアリーファッションブランドでテキスタイルメーカーでもあるロロ・ピアーナ。イタリアの家具ブランド・ディモーレミラノとコラボレーションして、没入型のインスタレーションを展開。ロロ・ピアーナのファブリックの感触で感性を刺激するグラマラスな空間を作り上げた。
5人のデザイナーが5つのシーティングシステムを発表したミノッティでは、ぬくもりのある自然素材を用いることで、60~70年代のヴィンテージ感を演出。ヴィンテージとモダンが融合する「クーペ」は、ジャンピエロ・タリアフェッリがデザインを担当した。ボリューム感のあるソファに起毛感のある生地を合わせており、カラーもシックで落ち着いたムードに。リラックスとした時間を過ごすためのインテリアだ。
2.カーブしたソファ
リビングに欠かせないソファだが、これまでは直線的なデザインがほとんど。そして、家の壁面に水平に合わせるか垂直に合わせるか、いずれにしても壁面を基準とするレイアウトがセオリーだった。しかし四角四面なレイアウトは、どうしても型にはまってしまう。そこで注目され始めたのが、カーブしたソファ。世にある多くのリビングのスクエアな空間に曲線を取り入れると、リズムが生まれる。しかもカーブするソファに腰かけると、自然とみんなと視線が合う。また包み込む雰囲気もリラックス感を作り出す。人と人とを結びつけるのがカーブするソファの魅力だ。
カーブが特徴となるソファだが、そのカーブが描き出すフォルムは、ブランドごとに個性がある。ミノッティではCADやコンピューターグラフィックスのシステムに用いる「ベジェ曲線」から紐解いた理論的な曲線で構成される、ソファシステム「BÉZIER」を発表した。B&B Italiaでは、パトリシア・ウルキオラの名作「Tuffy-Time」が20周年を迎えたが、新たにカーブモジュールが加わることで、より柔らかでリラックスしたムードを醸し出した。
そしてモルテーニでは、1970から1980年代の展覧会やプロジェクトといったアーカイブを参照に、現代的なエッセンスを加えた家具を発表。そのひとつが、連結可能なモジュールを取り揃え、円形、半円形といった配置を可能にした「EMILE」だ。いずれのソファも、親しき人を招きいれる舞台であり、また家族が自然と顔を合わせる時間をつくる場となる。
3.引き続き人気のブークレも進化中
「ブークレ(boucle)」とはフランス語で「輪」という意味。生地の表面に糸の輪(ループ)が出ている状態を指している。生地の表面にモコモコとしたニュアンスが生まれ、肌触りも柔らかなので、空間にリラックスしたムードを作ってくれるのが特徴だ。
ブークレを使った家具といえば白いソファが多かったが、今年はラウンジチェアも展開していたので、一人の時間をブランケットに包まれるように楽しみたい人にお勧めしたい。また定番のホワイトに加えて、パステルや暖色系のカラーも増えているので、インテリアにも取り入れやすくなっている。人気素材だからこそ、ちょっとした変化でトレンド感を演出できる。
レザー家具で知られるポルトローナ・フラウさえも、ブークレ生地を使用する。それだけでもこの生地の人気の高さがわかるだろう。Draga & Aurelのデザインによるモジュールソファシステム「PARKA」のモデル名は、ファッションアイテムのパーカからインスパイアされており、どんなスタイルにも合わせやすいという意味を込めて名付けられた。柔らかなカーブが特徴だが、それがブークレ生地になれば、その魅力は倍増。心身ともに癒されるに違いない。
モルテーニの「LIA」は、ガム・フラテージによってデザインされたアームチェアで、座面が浮遊しているように見える軽やかな構造が特徴。写真のフレームはコーヒーオーク色で生地はブークレ。自然なぬくもりを楽しむ組み合わせになっている。
ぬくもりという点ではカルテルの「BONHEUR DU JOUR アームチェア」も素材の質感を生かした椅子。この優美なデザインは、巨匠フィリップ・スタルクによるもの。ゆったりとしたサイズとブークレ生地の質感で体を包み込む。またカッシーナには、ブークレがフレームを覆ったベッドも登場。ふわふわとした質感が、雲の上にいるような感覚を与えてくれる。
4.雲みたいなふわふわチェア
どうしてもスペースに限界がある都市の住宅では、家具の圧迫感をどうやって軽減していくかも、アイテム選びの重要な目線となる。そこで気にするべきは足元部分。ここが繊細なデザインであれば圧迫される感じはない。
ノールの「BUN and OTTOMAN」は、厚みのあるクッションをスリムなフレームで支えることで、視覚からもリラックスしたムードが伝わる。クッション部分が浮遊しているように見えるので、もこもこしたデザインがまるで雲のようだ。柔らかなくぼみは座る人を快適なポジションに保つので、もはや立ち上る気力さえも奪ってしまいそうだ。そのほかミノッティの「LIBRA」には、座椅子に脚がついたようなころんとした愛らしいフォルムのチェアが登場。またフェイ・トゥーグッドがデザインしたタッキーニの「BUTTER SOFA」はその名の通り、 常温に戻したバターのようにふにゃふにゃとした触感のモジュラー式ソファ。日々の生活を新しい視座で見て欲しいという思いを込めてデザインされた。
スタイリング・窪川勝哉
文・篠田哲夫
編集・遠藤加奈(GQ)
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