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「1000パーセント悪い」「メカニックの課題なのか」「富士なら勝てる」【SF Mix Voices 第4戦(1)】

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「1000パーセント悪い」「メカニックの課題なのか」「富士なら勝てる」【SF Mix Voices 第4戦(1)】

 4月20日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われた、2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第4戦。2番グリッドからスタートした太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、1周目にセーフティカー(SC)が入ったタイミングでピットインし、ウラの首位に立った後に見事なタイヤマネジメントとギャップコントロールを見せ、今季2勝目を飾った。

 37周で争われたレース後、全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、ドライバーたちが決勝について語った内容を2回に分けてお届けする。

無敵艦隊は戦略分かれても沈まず。太田が連日の1-2を先導し今季2勝目、トップ山下に悲劇【第4戦レポート】


■平良響(KDDI TGMGP TGR-DC) 予選22番手/決勝リタイア

「予選を良くしよう、とエンジニアさんもドライバーも頑張ってやっているのですが、『これぞ!』というポイントが見つからないまま終わった、という感じです」という平良は、予選Q1Bグループで最下位に沈んだ。

 最後尾から臨んだ決勝では、スタート直後の1コーナーでコントロールを失いコースオフ。SC導入の引き金となってしまった。

「三宅(淳詞)選手の加速が良くて、横に並ばれてブレーキング競争となったときにちょっと行きすぎてロックアップしてしまい、そのまま突撃という、本当に100パーセント、1000パーセントこちらが悪いミスでしたし、周りに迷惑をかけてしまったので本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。自分のヘタさ加減にガッカリです」と肩を落とす平良。

 前日の第3戦で決勝レースペースには手応えも感じていたことから、少しでもスタートでポジションを上げておきたいという気持ちもあり、「ちょっと焦りもチラついていました」と平良は認める。

 課題となっている予選でのパフォーマンス不足に関しては、「このデータを持ち帰っても何かを見つけるのは難しいと思うので、いままでのものを遡ってみたり、何か新しいことにチャレンジするなど、そういう大きな変化をつけないとこのままで終わっちゃうな、という感じです。ポイント圏内にかすってもいないので、そこを意識してレースがしたいです」と次戦に向けた展望を語った。


■佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING) 予選14番手/決勝12位

 19日の第3戦では、1周目で他車に接触されてリタイアとなった佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)。アクシデントが悔やまれるなか迎えた20日の第4戦は、「5~6番手争いをしている認識(佐藤)」のなか行ったタイヤ交換でタイムロスしてしまった。

「ここからが勝負というところで、タイヤ交換で大きくタイムをロスしてしまいました。その結果、集団の最後尾まで落ちてしまい、ダーティエア(前走車から生じる乱気流)のなかで走って、2台ほどしか抜けなかったので、ピットでのミスがすべてだったと思います」

 2024年第8戦の鈴鹿でも、同様のアクシデントを理由に表彰台争いから脱落するなど、昨季から続くピット作業でのミスに悩む佐藤。

「改善したいですが、クルマに問題があるのか、メカニックの課題なのかどうか、しっかりと精査しなければならないです。2度と起こしてはならないと思います」

「(ピット作業を)100回やって100回成功しないと、レースで決められないのかなと思う」と、改善を強く望んだ。

 それでも最後には「次のオートポリスに向けても、ポテンシャルとしては高いものがありますし、力を引き出せるようチームと話し合いを進めていきます」と、マシンの速さを希望にして第5戦での挽回を誓った。


■福住仁嶺(Kids com Team KCMG) 予選10番手/決勝16位

 2024年第4戦富士でチーム移籍後ポールポジションを獲得して以降、安定して上位でレースを戦ってきた福住仁嶺(Kids com Team KCMG)。しかし、2025年シーズンは調子を落としており、今回の第4戦もてぎも歯車の噛み合わないレースとなってしまった。

「予選のコンディションが第3戦から変わったなかで、Q1はギリギリ通りましたが、Q2ではQ1のタイムを上回ることもできないぐらい不調で。決勝へ向けては大きくセットアップを変更しました」と決勝までの流れを明かす。

 しかし、ダミーグリッドへの試走であるレコノサンスラップにて、ブレーキに違和感を感じたという。その時点でマシンはトラブルシューティングに入り、決勝はピットスタートを余儀なくされることになった。

 決勝レースは「スタートしてすぐにセーフティカーが出てしまい、(チーム内での)ダブルピットインの後ろになってしまうので、ステイアウトしました」と福住。

「(レース中盤にピットインした後は)太田格之進選手がメインストレートを通過した後にコースに戻りました。その時点で勝負権もないですし、皆がトップ争いをしているなかに入ってしまったので、なるべく迷惑をかけないようにレースをしていました」といい、戦いに参加することができずにレースを終えた。

 さらに、トラブルがなかったとしても上位陣とのパフォーマンス差は大きいと感じたといい、その要因に2025年から導入された再生可能原料の比率が上がっている新タイヤへの合わせこみを挙げた。

「今年に入ってからの苦戦は、新しいタイヤの要因が大きいと感じています。鈴鹿で走った時にも、昨年とは全然違うなと感じました」

「このままだと、どのサーキットに行っても状況は良くないと思うので、根本的に何か問題がある」と語る福住は、第5戦までにパフォーマンスを上げる方法を見つけられるだろうか。


■阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 予選4番手/決勝5位

 第3戦で予選10番手から6位まで上げて完走した阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)は、その翌日の第4戦にて課題の予選Q2で進歩を見せ、決勝は今季最高の5位フィニッシュとなった。

「予選はQ2へのアジャストがうまくいき、4番手という今季ベストのグリッドに入れました。鈴鹿のQ1で当たり前のように落ちていたところから考えると、大きくパフォーマンスが伸びたので、チームに本当に感謝しています」

 迎えた決勝で阪口は1周目のSC時にピットインし、ここでサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)に先行されることに。その後はピット戦略の分かれた車両が混在する集団のなかを走り、後続の大嶋和也(docomo business ROOKIE)の接近を抑えて5位フィニッシュを果たした。

 以降のラウンドにおける手応えを聞くと「これから気温も温かくなって、富士スピードウェイなどでレースをするとなれば、今のクルマを整えられたとしたら勝てるかもしれない」と前向きに話した。

「鈴鹿で感じた差よりも、確実に(上位勢に)近づいていると思います。このラウンドで、『このチームメンバーと一緒ならできる』という可能性を感じました」

 優勝を目指すとしたら、富士なのか? と問うと「そうだと思いますね。勝つチャンスだと思って頑張りたいです」と答えた阪口。春のもてぎラウンドは、待望の初優勝への兆しが見えた大会となったようだ。


■大嶋和也(docomo business ROOKIE) 予選11番手/決勝6位

 朝の予選でQ2へと進出、11番手にとなった大嶋は、スタート直後、混戦の1コーナーでポジションを落としてしまったという。

「スタートは悪くなかったのですが、1コーナーで挟まれてしまって順位を落としました。ただ、セーフティカーが出たので、チャンスが来たな、と」

 チームメイトとの位置関係が戦略判断に影響しないという1台体制のメリットも活かす形で、大嶋は1周目でのタイヤ交換義務消化を選択。作業を終えるとピットイン組のなかでは5番手という好位置につけ、ステイアウト組のアンダーカットを狙う戦いとなった。

「でも前のクルマのペースに引っかかっている感じになってしまい……もうちょっと抜いていけるパフォーマンスがあれば、という課題は残っていますね」

「昨日(第3戦)は結構クルマが決まっていたのですが、それとくらべると乗りにくく、グリップ感もなかったので。昨日から修正してもう少しいけるかなと思ったのですが、まだまだちょっと詰めが甘かった」

 それでも力走を見せ6位でフィニッシュ、これで鈴鹿の第2戦から3戦連続でのポイント獲得となった大嶋は、「木谷エンジニアともだいぶ長くなってきたし、今年のタイヤとクルマもある程度つかめてきた感覚もあるし、何しろ今年はストレス少なく、楽しく走れているので(笑)」と、サーキットが変わっても安定してポイント圏内に進出できる手応えを感じている様子だった。

[オートスポーツweb 2025年04月22日]

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