『スウェーデン流グリーン・トランジション』と題した特別展示
4月から開催されている大阪・関西万博で、北欧の5ヵ国(デンマーク、フィンランド、ノルウェー、アイスランド、スウェーデン)は共同でパビリオンを出展している。
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今回はその『ノルディック・パビリオン』イベントスペースで、スウェーデン商工会議所が『スウェーデン流グリーン・トランジション』と題した特別展示やプレゼンテーションを行うということで、参加してきた。
ノルディック・パビリオンは『Nordic Circle-With the Nordics Towards a Better Tomorrow(北欧サークルー北欧とともにより良い明日へ)』がコンセプト。北欧の伝統的な納屋をイメージしたという、高さ17mの木造建築(リユースを前提とし日本の木材を使用)が来場者を出迎えてくれる。
展示ブースは『北欧の夏の気温と香りを再現した』空間で、5ヵ国のイノベーションや持続可能な社会実現への先駆的な取り組みを紹介。食べられなくなったお米から作られたという、たくさんのライスペーパーが渦を巻くように吊り下がり、北欧の日常生活や季節の風景を写真や映像で映し出していた。
ショップでは、ムーミングッズやレゴをはじめ、北欧雑貨やアパレル、小型デジタル家電、食品など、「あ、これも北欧のブランドだったよね」というアイテムを幅広くラインナップ。3階ルーフトップテラスの『The Nordic Food Bar』は、食品廃棄物ゼロを目指しているのだとか。展示方法、ブース内の設えだけでなく、細部に渡って北欧らしさが感じられた。
その取り組みは初めて知ることばかり
この日、特別展示『スウェーデン流グリーン・トランジション』には、スウェーデンの企業10社が参加。B to B向けの技術やソフト、教育など幅広い分野の企業がプレゼンテーションを行ったが、個人的にも身近なIKEAの取り組みが興味深かった。
お馴染みのフラットパック(組み立て式家具)が約9500点もあったり、壊れたり無くしてしまったネジやパーツが無償で提供されていたり、使わなくなった家具(程度にもよる)を買い取って再販していたりと、その取り組みは初めて知ることばかりだった。
さて、スウェーデンといえばわれらがボルボの出番。同社は以前からSDGsに関する取り組みに殊更前向きな企業である印象。しかもそれが、押しつけがましさやこれ見よがしなところがなく、さらりとセンスがいい感じが好きだ。
プレゼンテーションに登壇したAPEC(中国を除くアジア・太平洋地域)の代表を務めるマーティン・パーソン氏は『ボルボ・カーズのサスティナビリティ』について説明。2040年までに温室効果ガスの排出量をネットゼロにするという長期的な目標に向かう同社にとって、「脱炭素化はボルボの成長に対する長期的な持続可能性とレジリエンス(回復力)を含む、新たな成長の形である」と強調した。
その具体例として挙げられたのが、最新EVモデルであるボルボEX30だ。
ボルボ車のなかで最もCFP(カーボンフットプリント:原料からリサイクルまでの全プロセスで排出される温室効果ガスをCO2に換算した値)が小さいモデルで、サステナブル素材などを多用。
例えばボディに使用されるスチールやプラスチックは約17%、アルミニウムでは約25%がリサイクルまたは再生可能な素材で、バンパーには廃車時のリサイクル性を考慮し、塗装しないリサイクルプラスチックを約30%使用している。さらには、これらの製造に関わる企業とも、サステナブルな取り組みを連携して行っているそうだ。
『こんな素材をこんな風にデザインするんだ!』
また、デザインと機能性を軸とした内装は、使用素材の工夫を、実物の展示も含めて紹介してくれた。
同社では電気自動車のレザーフリー化をすすめているが、レザーの代わりに使用されているのが、同社独自の新素材『ノルディコ』。これはペットボトルなどのリサイクル素材と、スウェーデンやフィンランドの持続可能な森林から採取された松の油などから作られており、本革のようにしなやかで耐久性があり、お手入れも簡単だという。
シート生地の『テイラード・ウール・ブレンド』も同社独自のマテリアル。天然ウール30%/リサイクル・ポリエステル70%の混紡だが、このウールは『トレーサビリティが確立された責任ある生産者』から調達されている。
他にも、モデルによってはダッシュボードの装飾に、粉砕した廃棄プラスチックやリサイクル・デニム繊維を使用するなど、様々な工夫が凝らされていた。
そしてこれらは、『我慢を強いるリサイクル』ではなく、『こんな素材をこんな風にデザインするんだ!』というワクワク感があるのだ。そのうえでデザイン性や質感の高さを実現しているところが、ボルボの魅力のひとつだと思っている。
プレゼン後の個別インタビューで、日本における同社の取り組みについてパーソン氏にうかがうと、ディーラーの電力をグリーンエネルギーでまかなっていることや、ペーパー&プラスチックレスを進めているという。
「ただ、サステナブルな取り組みはクルマに関わらずまだまだ製造コストが高く、結果的に製品が割高になってしまう。欧州では、それを理解して割高なサステナブル製品にお金を払う傾向があるが、アジアの国ではそのあたりに関してまだ成長過程にあると感じる。人々の理解が深まらなければ、グリーンビジネスも発展しない。身近なものからでも興味と理解を深めていただければ」と語った。
クルマとしての性能だけでなく、サステナブルなデザインも優れるボルボ。私たちの生活に北欧の自動車メーカーとしての取り組みがポジティブに働くことを、ますます期待したくなった。
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