現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ステアリングを握ったままシフトチェンジ! 当時F1の技術だった「パドルシフト」を初めて市販車に搭載した“革命的モデル”とは?

ここから本文です

ステアリングを握ったままシフトチェンジ! 当時F1の技術だった「パドルシフト」を初めて市販車に搭載した“革命的モデル”とは?

掲載 13
ステアリングを握ったままシフトチェンジ! 当時F1の技術だった「パドルシフト」を初めて市販車に搭載した“革命的モデル”とは?

市販車初のパドルシフトはフェラーリ「F355」

 いまやスポーツカーや高級車では当たり前となった「パドルシフト」。指先ひとつでシフトチェンジができるこの技術が、市販車として初めて採用されたのは1997年のことでした。

【美しくないフェラーリ3選】カッコ悪いと個性的が紙一重な跳ね馬とは?

 F1の最前線で培われたこのシステムをいち早く公道に持ち込んだのは、1997年に登場したフェラーリ「F355 F1」でした。

「ステアリングを握ったまま、指先だけでシフトチェンジができる」。そんな夢のような機構は、もともとF1の世界で誕生しました。

 フェラーリは1989年のF1マシン「640」において、ステアリング裏のパドルで操作するセミオートマチックトランスミッションを採用。クラッチペダルを使わずに瞬時にシフトチェンジできるこの技術は、その後のF1マシンにおいて標準装備となりました。

 そして1997年、ついにフェラーリはこのF1技術を市販車に導入しました。F355のマイナーチェンジに合わせ、電子制御式の「F1」トランスミッションを搭載。

 F355は、348の後継モデルとして1994年に登場したミッドシップスポーツカーです。新開発の3.5リッターV8エンジンは、5バルブDOHCを採用し、最高出力380馬力を発揮。当時のフェラーリの市販車としては最高レベルの高回転型ユニットでした。さらに、エンジンだけでなくエアロダイナミクスやサスペンションも進化し、日常での扱いやすさと本格的なスポーツ性能を両立したモデルとして高い評価を受けました。

 ボディタイプは、クーペの「ベルリネッタ」、タルガトップの「GTS」、そしてフルオープンの「スパイダー」の3種類をラインナップ。エレガントなデザインとともに、フェラーリらしい官能的なエンジンサウンドも魅力のひとつでした。

 このF355に搭載されたF1トランスミッションは、従来の6速マニュアルギアボックスに電子制御クラッチと油圧アクチュエーターを組み合わせたものです。クラッチペダルは不要となり、右側のパドルを引けばシフトアップ、左側のパドルを引けばシフトダウン。ギアチェンジの際にハンドルから手を離す必要がなくなり、よりスムーズな運転が可能になりました。

 この画期的な技術は瞬く間に広がり、フェラーリの他のモデルにも採用されるようになりました。さらに、ランボルギーニ、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディなどのメーカーも次々とパドルシフトを導入。現在では、スポーツカーだけでなく高級セダンやSUV、さらには一般的なAT車にまで普及し、特別な装備ではなくなっています。

 しかし、その原点は1997年のフェラーリ F355 F1にあります。このクルマこそが、「ステアリングを握ったままシフトチェンジする」というドライビングの新たな時代を切り開いたのです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

BMWの新世代エンジンにはテクノロジーが満載!? BMW Mの最新パワーユニット「S58B30A」の魅力とは
BMWの新世代エンジンにはテクノロジーが満載!? BMW Mの最新パワーユニット「S58B30A」の魅力とは
VAGUE
スバルの「スタンダードなハッチバック」にスポーティ仕様が登場! ブラックのアクセントが精悍な特別仕立ての「インプレッサ」とは?
スバルの「スタンダードなハッチバック」にスポーティ仕様が登場! ブラックのアクセントが精悍な特別仕立ての「インプレッサ」とは?
VAGUE
全長4.8m超えの“広いX3”!? BMWの人気ミドルSUV新型「X3」にホイールベースを110mm延長した「X3L」中国で登場
全長4.8m超えの“広いX3”!? BMWの人気ミドルSUV新型「X3」にホイールベースを110mm延長した「X3L」中国で登場
VAGUE
トヨタ新「GRカローラ」登場! 300馬力超のテンロクターボに“画期的ミッション”搭載! 進化した「高性能5ドアハッチ」どんなモデル?
トヨタ新「GRカローラ」登場! 300馬力超のテンロクターボに“画期的ミッション”搭載! 進化した「高性能5ドアハッチ」どんなモデル?
くるまのニュース
スズキ「GSX-8S」がカラーバリエーションを一新! 新色シルバーの追加でアップデートされた「新世代ネイキッド」の魅力とは
スズキ「GSX-8S」がカラーバリエーションを一新! 新色シルバーの追加でアップデートされた「新世代ネイキッド」の魅力とは
VAGUE
「水平対向ターボエンジン」搭載! スバルの高性能ワゴン「レヴォーグ」に上質かつスポーティな“ふたつの特別仕様車”が登場
「水平対向ターボエンジン」搭載! スバルの高性能ワゴン「レヴォーグ」に上質かつスポーティな“ふたつの特別仕様車”が登場
VAGUE
スズキのアドベンチャーツアラー「Vストローム800」シリーズが2025年モデルへ進化! カラー設定が刷新された「最新モデルの魅力」とは
スズキのアドベンチャーツアラー「Vストローム800」シリーズが2025年モデルへ進化! カラー設定が刷新された「最新モデルの魅力」とは
VAGUE
ひときわ目を引く個性的なカラーが魅力的! Eバイクブランド・メイトバイクから登場する次世代“電動アシスト自転車”の実力とは
ひときわ目を引く個性的なカラーが魅力的! Eバイクブランド・メイトバイクから登場する次世代“電動アシスト自転車”の実力とは
VAGUE
新登場したレクサス新型「LX700h」に熱視線 フラッグシップモデルに追加された“LX初のハイブリッド”に寄せられる声とは
新登場したレクサス新型「LX700h」に熱視線 フラッグシップモデルに追加された“LX初のハイブリッド”に寄せられる声とは
VAGUE
アルピーヌ「A110 R」の最終モデル!? 創立70周年を記念した特別限定車「A110 R 70」登場 世界限定770台
アルピーヌ「A110 R」の最終モデル!? 創立70周年を記念した特別限定車「A110 R 70」登場 世界限定770台
VAGUE
ほぼ新車!? 23年前のホンダ「モンキー」が米国オークションに登場 走行距離わずか48キロ “希少”な原付の落札価格とは
ほぼ新車!? 23年前のホンダ「モンキー」が米国オークションに登場 走行距離わずか48キロ “希少”な原付の落札価格とは
VAGUE
スズキ「GSX-S1000GX」は快適性とスポーツ性能を兼備したグランドクロスオーバー! 新色レッドが追加された「2025年モデル」は何が変わった?
スズキ「GSX-S1000GX」は快適性とスポーツ性能を兼備したグランドクロスオーバー! 新色レッドが追加された「2025年モデル」は何が変わった?
VAGUE
【インド】10人乗り! 90馬力エンジン×MTのみの「カクカク4列SUV」がマジでスゴい! 見た目は“高級車”なのに約276万円!? フォースモーターズ「シティライン」とは?
【インド】10人乗り! 90馬力エンジン×MTのみの「カクカク4列SUV」がマジでスゴい! 見た目は“高級車”なのに約276万円!? フォースモーターズ「シティライン」とは?
くるまのニュース
ポルシェの「eバイク」が走行性能向上、タイカンやマカンのボディカラーを採用
ポルシェの「eバイク」が走行性能向上、タイカンやマカンのボディカラーを採用
レスポンス
8年ぶり全面刷新! 日産「新型SUV」まもなく登場へ!? スゴイ4WD搭載の「パワフルモデル」? 流麗な“クーペボディ”採用? 「新リーフ」どんなモデルになるのか
8年ぶり全面刷新! 日産「新型SUV」まもなく登場へ!? スゴイ4WD搭載の「パワフルモデル」? 流麗な“クーペボディ”採用? 「新リーフ」どんなモデルになるのか
くるまのニュース
アルピーヌ新型4人乗りスポーツカー『A310』 テスト走行中の試作車を発見 2028年発売予定
アルピーヌ新型4人乗りスポーツカー『A310』 テスト走行中の試作車を発見 2028年発売予定
AUTOCAR JAPAN
アキュラ、新型入門SUV『ADX』を米国発売…3万5000ドルから
アキュラ、新型入門SUV『ADX』を米国発売…3万5000ドルから
レスポンス
マツダ初のEV『MX-30 EVモデル』が生産終了、発売から約4年2か月で
マツダ初のEV『MX-30 EVモデル』が生産終了、発売から約4年2か月で
レスポンス

みんなのコメント

13件
  • goo********
    フェラーリじゃないけどパドルシフトの車を運転したが、技術の進化は凄いと思った……が、やはりMTの方が楽しい。
    F1含めてレースでは速さ・ラップタイムを競うという大前提があるから、タイムロスを減らすこんな技術が重要だ。
    しかし、公道を走る分には楽ではあるが不要とまでは言わんけど、時々運転できたらいいかな?そんな程度。
    結構早い段階で飽きたし。
  • mif********
    パドルシフト付きのCVT車に乗っている。はっきり言って、あったほうが楽。普通の下道では出番が少ないけど、ちょっと周囲の挙動が大きいときにエンブレ利かせるためのシフトダウンが手元でできる。特に高速道路だと、速度調整はギアで行うのが当たり前のMT制御脳なので、思い通りにギア比をコントロールできるのがいい。もちろんずっとシフトレバーに左手を置いて操作しても同じなんだけど、ワイパーなど左手を使う操作もあるわけだから、高速走行中に両手でハンドルを握っていられる安心感は大きい。低速ではCVTの落さを享受して、高速でも安心して思い通りに走れるのがパドルシフトのメリット。楽に運転するための装備といった感じ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1555 . 0万円 1610 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1338 . 0万円 3850 . 0万円

中古車を検索
フェラーリ F355の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1555 . 0万円 1610 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1338 . 0万円 3850 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村