■同クラスのガソリン車並みの価格を実現した「プリウスEX」
一般的に、フルモデルチェンジが行われると先代モデルは販売が打ち切られます。
【画像】超カッコいい! これが高コスパなトヨタの「プリウス」です! 画像で見る(30枚以上)
しかし2代目のトヨタ「プリウス」は、3代目が登場した後も販売を継続していました。いったいなぜでしょうか。
ハイブリッドカーの代名詞ともいえるトヨタ「プリウス」は、現行型で5代目となります。
そうした定評を確立したのが、2009年5月に登場するや大ヒット作となった3代目プリウスでした。
その3代目が2009年5月18日に発表された際、同時に2代目プリウスの刷新モデルとして、「プリウスEX」が再登場しています。
通例では旧型の販売は終了するものですが、トヨタは好評だった2代目プリウスも3代目と並走させることを決めたのです。
プリウスEXは、ビジネスユースを狙った新グレードでした。
ボディ色はスーパーホワイトII、シルバーメタリック、ブラックの3色のみ、内装色はグレーの1色展開で、フロントグリルをボディカラーと同色にしています。
ボディサイズは全長4445mm×全幅1725mm×全高1490mmと、2代目プリウスと同様。心臓部には、THS II(トヨタハイブリッドシステム)を搭載し、駆動方式はFFです。
カタログ燃費は、10・15モードで35.5km/L、JC08モードで29.6km/Lの低燃費をマークしていました。
フロントフォグランプや、空気抵抗低減のためのタイヤのホイールキャップを、標準装備から販売店装着オプション設定へ変更し、装備をビジネスユースに絞り込むことで、189万円(消費税込み、以下同)という求めやすい価格を実現しました。
3代目プリウスのベースグレード「L」の車両本体価格が217万円ですから、ハイブリッドカーとしては異例の安さです。
当時は、ガソリンモデルよりもハイブリッドモデルの方が50万円ほど高かった時代。
約190万円では、プリウスとほぼ同サイズの4ドアセダン「アリオン」や「プレミオ」(純ガソリン車)が購入対象です。
しかし同価格帯でハイブリッドカーが手に入るというラインナップには、ユーザーのみならず、当時の営業マンも驚いたものです。
■高コスパモデルでライバル車をノックアウト!?
ビジネスモデルとはいえ、もちろん個人で購入もできたプリウスEX。
装備が簡略化されたとはいえ、元々豪華すぎた2代目プリウスから無駄なモノをそぎ落としただけで、必要十分以上の装備は揃っていました。
電動インバーターエアコン(湿度センサー付き)やワイヤレスドアロックリモートコントロール(アンサーバック機能付、リモートコントロールキー2個)、プッシュボタンスタートを標準装備。盗難防止装置のイモビライザーも付いています。
メーカーオプションとして、SRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグやHDDナビゲーションシステム(CD・MD・AM/FM・アナログTV・サウンドライブラリー・6スピーカー)、バックモニターが選択可能で、ビジネスモデルといいながらも、こうしたメーカーオプションを搭載すれば、これまで販売されていた2代目プリウスと何ら遜色ありません。
こうした戦略的なモデルのプリウスEXが登場した背景には、ライバル車の影響が大きかったのでしょう。
3代目プリウスと同時期に販売されており、実質的なライバルとなっていたのが、ホンダの「インサイト」です。
2代目インサイトは2009年2月に登場しており、プリウスよりも大幅に安い車両本体価格で販売をスタートします。
ベースグレードの価格は何と189万円。プリウスEXとピッタリ同じなのです。
ハイブリッドカーの性能としては、プリウスに少し遅れを取っていたインサイトですが、価格の安さで攻勢へ出たところに、プリウスは新型へモデルチェンジし、さらにEXグレードを追加して、インサイトと同じ値段の189万円で販売をスタートしました。
これにより、インサイトへ流れる可能性があったハイブリッド志向のユーザーを、プリウスEXは引き留める事ができたのです。
当時、ハイブリッドカーは「良いモノだけど高い」といわれていましたが、プリウスEXの存在でトヨタのハイブリッドは現在に通じる「身近な存在」になることが出来たのです。
※ ※ ※
2012年までの約3年間限定で販売されていたプリウスEX。
ハイブリッドを国民的なクルマにした3代目プリウスの陰には、功労車ともいえるコストパフォーマンスに優れたもうひとつのプリウスが存在していたのでした。(赤羽馬)
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