優しさが印象的な、ピュアなディーゼルSUV
4240mmというゴルフ7並みの全長が醸し出すサイズ感も、SUVとはいえシロッコのあいた穴を埋めるスポーティな(4ドア)クーペという立ち位置も、「Iroc(アイロック)」の響きを含んだ歴史感あるネーミングも、とにかくスキがない。
逆にいえば、ティグアンと同じCセグにクーペSUVという新ジャンルを送り出すにあたり、練りも練ったりVW、そんなニュアンスは端々まで伝わってくる。T-Rocは、ニュートラルに言うが間違いのない1台だ。
ルーフのアーチを強調するクロームは、リアエンドに向かってワイドになり、VWの特徴でもある太いCピラーを際立たせる。VW初というボディとルーフのカラーツートンは頑張っている。しかし、クーペ風デザインなのにリアセクションが八方美人すぎる。
まず、セダンのような台形のリアウインドウ、そこにブラックアウトして馴染ませたBピラーの存在感がかなり強く、リアへ向かってルーフラインが絞られない分、シュッとして見えない。かくして、後席のヘッドスペースと左右ウインドウの開閉は確保できたが、リアハッチのウインドウは寝かされ、トランク容量445Lは弟分のT-Crossの455Lに、わずかとはいえ譲る。
フロントマスクは、LEDヘッドライトとグリルを囲うクロームのグラフィックもあって小綺麗な印象を残すが、全体としてクーペSUVというよりゴルフ7という有能なハッチバックが、地面から全体的に持ち上がった感じ、そう見えてしまう。
車内に落ち着くと、視線と着座位置は確かにSUV風だが、ハッチバックよりやや高い程度。ダッシュボードの意匠はゴルフよりもポロやT-Crossの雰囲気に近く、よくいえばアクティブ、悪くいえばライトに思える。 欧州ではコンサバで鳴るVW、ドイツ車のマジョリティー・ブランドのクーペSUVとしてサプライズらしいサプライズがないのは、パワートレインも同じだ。7速DSGと組み合わされる2LディーゼルのTDI 150ps/340N・m仕様だが、輸入車の2Lディーゼルの180ps/400N・mあたりが標準的な性能である昨今、ほぞをかむほど遅くないが、キビキビもしなければスポーティでもない。
NVH(騒音、振動、ハーシュネスの快適性に影響する要素の指数)という観点では、確かに今どき珍しいぐらいディーゼル音が中でも外でもはっきり目立つ一方で、18インチを履きながら不快な揺れや突き上げは皆無。ハンドリングはVWらしく弱アンダーステアは一貫しているが、曲がり始めの応答性はむしろ素直で、乗り心地もしなやか。
また、ドイツ車にしては珍しくショルダーの張っていないボディ形状ゆえ、SUV特有の見切り悪さや取り回しの難しさがなく、車両感覚は街乗りでもつかみやすいだろう。
試乗は高速道路こそ試せなかったが、非アウトバーン的志向すら感じさせる珍しいVWというか、マツダでいうMX-30のような「裏」を担う感覚が、T-Rocにはある。ノーサプライズであることがバッド・サプライズという人には向かないが、冒険をしない(クーペ)SUVであることに意義がある、T-Rocはそういう1台なのだ。 フォルクスワーゲン T-Rocの中古車を見る 文/南陽一浩、写真/柳田由人、フォルクスワーゲン【試乗車 諸元・スペック表】●TDI スタイル デザイン パッケージ ディーゼルターボ型式3DA-A1DFF最小回転半径5m駆動方式FF全長×全幅×全高4.24m×1.83m×1.59mドア数5ホイールベース2.59mミッション7AT前トレッド/後トレッド1.54m/1.54mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量1430kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量-kgミッション位置フロア最低地上高-mマニュアルモード◯標準色ラヴェンナブルーメタリック、アトランティックブルーメタリック、エナジェティックオレンジメタリック、ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、フラッシュレッドオプション色ターメリックイエローメタリック掲載コメント-型式3DA-A1DFF駆動方式FFドア数5ミッション7ATAI-SHIFT-4WS-標準色ラヴェンナブルーメタリック、アトランティックブルーメタリック、エナジェティックオレンジメタリック、ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、フラッシュレッドオプション色ターメリックイエローメタリックシート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径5m全長×全幅×全高4.24m×1.83m×1.59mホイールベース2.59m前トレッド/後トレッド1.54m/1.54m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量1430kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高-m掲載用コメント-エンジン型式DFF環境対策エンジン-種類直列4気筒DOHC使用燃料軽油過給器ターボ燃料タンク容量50リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)19.5km/L総排気量1968cc燃費(WLTCモード)18.6km/L└市街地:14.9km/L└郊外:18.5km/L└高速:21km/L燃費基準達成-最高出力150ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm340(34.7)/3000エンジン型式DFF種類直列4気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量1968cc最高出力150ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm340(34.7)/3000環境対策エンジン-使用燃料軽油燃料タンク容量50リットル燃費(JC08モード)19.5km/L燃費(WLTCモード)18.6km/L└市街地:14.9km/L└郊外: 18.5km/L└高速: 21km/L燃費基準達成-
カーセンサーEDGE.netはこちら
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ええ、セダンなのに6人乗り?! しかも超絶未来っぽいやん内装!! アメリカからやってきたプロナードがイカす
ホンダが新型「軽バン」発売!“ 柱無い”斬新モデル、反響は? 6速MT&CVTの「N-VAN」136万円から
新東名は“3年後”に全線開通!? 「あと少し…」でも2度延期なぜ? 反響は? 最後の25km「未完成区間」とは
トヨタ“新”「カローラ」発表! めちゃ精悍エアロに「上質内装」採用! 「スポーティな走り」の新「ACTIVE SPORT」 ベースモデルとの違いとは
「新大阪駅ほぼ直結高速」実現間近? 新御堂筋の“ぐるぐるランプ”が見えてきた 「淀川左岸線」万博の準備着々
もはやガソリン車より便利に…? 高速道の「EV充電器」怒涛の増設! 魔の空白区間?―“出ていいよ”
「盗まれた」県が怒りの声明 県道の工事現場から“かなり重い資材”が複数 被害総額300万円超
イケイケのBYDの次なる一手は認定中古車市場への進出! 「BYD CERTIFIED」開始でEV購入のハードルがダダ下がり
ホンダの「コスパ最強SUV」やっぱり爆売れ! “209万円”の新型「WR-V」が凄かった! 人気「グレード」や「ボディ色」は? どんな人が買ってるの?
全長5.7m級の「斬新トラック」実車公開! ド迫力“カクカク”デザイン×「全面ステンレス」ボディ採用! 「サイバートラック」を披露
みんなのコメント