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トヨタとフェラーリが大幅なパワーダウン。第3戦の性能調整で499Pは重量も二桁の増加に

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トヨタとフェラーリが大幅なパワーダウン。第3戦の性能調整で499Pは重量も二桁の増加に

 フェラーリとトヨタは、最新のBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)によってパワーダウンと重量増を受けとり、今週末のWEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースに臨むこととなった。

 5月5日に発表されたハイパーカークラスのBoPでは、このカテゴリーに参加する8メーカーのうち1社を除く全メーカーの最低重量と最高出力に大幅な変更が加えられており、先月のイモララウンドと比較して、二桁の増減がいくつか見られる。

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 今シーズン開幕2戦のカタールとイモラで勝利を収めているフェラーリは、499Pの重量が12kg増加し、1057kgとなった。また、ベースパワーは19kW(25PS)低下し489kW(664PS)となった。またトヨタGR010ハイブリッドは、250km/h以下での最高出力がさらに低下し480kW(652PS)に。これは前戦イモラと比べて20kW(27PS)のマイナスを意味する。一方、重量の上げ幅はわずか4kgだ。

 フェラーリとトヨタはともに、いわゆる“パワーゲイン”のしきい値より上の領域で使えるパワーが追加され、499Pは3.7%(18.1kW)、GR010ハイブリッドは最大8.3%(39.8kW)のプラス調整を受け取った。

 改訂された2025年版のBoP調整方法において第3戦スパのBoPは、2024年最終戦のバーレーン、今季開幕戦カタール、同第2戦イモラを対象とした直近3レースのデータ(最速10ラップと全レースラップの60%)に基づいて算出されている。

 フェラーリとトヨタに加え、BMWもスパでパフォーマンスを削がれることになる。イモラで2位となったBMW MハイブリッドV8のベースパワーは10kW(13PS)減の503kW(683PS)となり、さらに車重は7kg増加して1049kgとなった。

 一方、プジョー9X8は最低重量1030kg、最高出力520kW(707PS)を維持している。

 アルピーヌA424とアストンマーティン・ヴァルキリーも、スパでは最高出力が520kWとなる。後者はベルギー・ラウンドを前に15kW(20PS)のプラス調整を受け取り、同時に前戦比マイナス16kgの1035kgで第3戦に臨む。A424はプラス1kWとプラス1kgの微調整に留まっている。

 キャデラックVシリーズ.Rは、イモラより1kg重い1042kgで3番目に軽いモデルだが、最高出力は9kW(12PS)低下し501kW(681PS)となった。

 最新の変更を受けて、パワーゲインの値がプラスにならないハイパーカーメーカーは、アルピーヌ、アストンマーティン、プジョーの3社のみとなり、このうちアルピーヌは250km/hを超える速度域で-4.4%(22.9kW)ともっとも大きな下落幅となっている。

添付ファイル: 2025_WEC_Rd3_Spa_Hypercar_BoP
URL: https://cdn-image.as-web.jp/2025/05/07120054/2025_WEC_Rd3_Spa_Hypercar_BoP-1.pdf


■マスタングGT3を除く全車がパワーダウン

 9つのブランドのFIA GT3カーが参戦するLMGT3クラスでは、フォード・マスタングGT3を除く全車の最高出力が絞られた。もっとも大きなパワーダウンは、前回イモラで優勝したポルシェ911 GT3 Rとシボレー・コルベットZ06 GT3.Rで、どちらもマイナス5%の調整を受けている。

 重量の面では、BMW M4 GT3エボとマクラーレン720S GT3エボの上げ幅が比較的大きく、M4は11kg、720Sは8kgの増加でそれぞれ1346kg、1365kgとなった。720Sは全体で2番目に重いクルマだが、2kg軽量化後のシボレー・コルベットZ06 GT3.Rが1370kgで依然もっとも重いクルマであることは変わらない。

 一方、アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボは10kgの軽量化で1345kgとなり、フェラーリ296 GT3は先月のイモラから7kgのマイナスで1342kgとなった。マスタングは4kgのプラス調整を受け取ったものの1332kgでクラス最軽量を維持し、1kg軽量化されたポルシェよりも3kg軽い。

 サクセスウエイトを考慮すると、33号車コルベット(TFスポーツ)が1406kgでもっとも重く、次いで59号車マクラーレン(ユナイテッド・オートスポーツ)が1383kg、3番目は78号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)の1372kgとなっている。

 レクサスは、ベース重量が1354kgで変わらなかった唯一のマシンだが、リヤウイングの最大角度が11度から9度に削減されている。

添付ファイル: 2025_WEC_Rd3_Spa_LMGT3_BoP
URL: https://cdn-image.as-web.jp/2025/05/07120113/2025_WEC_Rd3_Spa_LMGT3_BoP-1.pdf

[オートスポーツweb 2025年05月07日]

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みんなのコメント

7件
  • sky********
    こういう性能調整みせられると、技術力や組織力の戦いではなく見せ物興行と感じてしまうな。
  • ツアラー
    欧州のトヨタ虐めが酷いだけの世界選手権
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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