アウディ、最新の内燃機関搭載モデル『Q5』とフル電動の『A6 e-tron』シリーズを同時発売

　新開発のPPC（プレミアム・プラットフォーム・コンバッション）を採用し、全方位で進化を遂げた第3世代の『Q5』と、PPE（プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック）を採用する2番目のモデルである『A6 e-tron』を導入。アウディとして、これが電気自動車と内燃エンジンモデルを同時に国内発表する初の機会となり、7月24日より発売開始となっている。

「日本での電気自動車の普及を推進する方針は変わらないながら、カスタマーニーズに対応する内燃機関モデルも引き続き導入し、バランスよくラインアップを拡充していく」としたアウディは、長らくティーザーを展開してきたBEVモデルの『A6 e-tron』をお披露目し、アウディ史上「ベストの空力性能」と謳うそのボディはCd値（空気抵抗係数）0.21を達成する。

　導入されるのは4ドアクーペの“Sportback（スポーツバック）”とステーションワゴンの“Avant（アバント）”に、それぞれ高性能版の『S6』も設定し、一充電走行距離（WLTCモード）においては734～769kmを記録。さらに“Sportback e-tron performance”にオプションのレンジプラスパッケージを装着した場合は846kmとなり、国内で販売の電気自動車の中で最長の一充電走行距離（自社調べ）を達成している。

　その脅威的なレンジに貢献するのがミリ単位で徹底的に最適化された空力性能で、フロントではエアカーテンがホイール周りの気流を制御し、シングルフレーム下にある制御可能な冷却エアインテークにより、このゾーン周辺の空気が最小限のロスで流れることに。アンダーボディも高い密閉性と各種コンポーネントの細かな最適化が図られる。

　また、特別に用意されたホイールトリムやフロントホイール前方の3Dバンプ（空力最適化パーツ）はスポーツバックとアバント用それぞれに最適化される念の入れようで、アンダートレイ、バッテリー、リヤアクスル、シルパネルなどその他の部位も吟味され、ディフューザーや追加スポイラーと協調してリヤアクスルの揚力とCd値の最適なバランスが実現する。

　搭載されるリチウムイオンバッテリー（12モジュール／180個のプリズマティックセル／総電力量100kWh／正味容量94.9kWh）に、標準のA6では1基の電気モーターを搭載した後輪駆動とし、システム最高出力280kW（ローンチコントロール起動時）／565Nmを発揮。0-100km／h加速は5.4秒、最高速度は210km／hを誇る。同じく高性能版のS6は2基の電気モーターを搭載したquattro（クワトロ）の四輪駆動で、システム最高出力405kW（ローンチコントロール起動時）／580Nmを発揮。0-100km／h加速は3.9秒、最高速度は240km／hと、やはりワンランク上の動力性能を有する。

　最大220kWの高度な回生システムには大幅に強化された統合ブレーキシステム（iBS）が組み合わされ、PCA（プレミアム・チャージング・アライアンス）利用登録後の1年間は、PCAの月額基本料金／都度充電料金が無料とされる。

　一方、新世代内燃機関のPPCをベースとする初めてのSUVモデルとなる『Q5』も、標準ボディとクーペスタイルのスポーツバックを用意。限定的な条件において完全な電動走行を可能とする48Vの“MHEV plus”マイルドハイブリッドシステムを全モデルに標準採用した。

　エクステリアではQ5系に“advanced”と“S line”の2バージョンを設定。こちらも高性能版『SQ5スポーツバック』には独自のエクステリアが与えられ、ウインドウトリムは標準でアルミ調仕上げとなる。

　パワートレインはSUVとスポーツバックのいずれも2.0リッター直列4気筒直噴ガソリンターボTFSIエンジンと2.0リッター直列4気筒直噴ディーゼルターボTDIエンジンを用意し、前者はVTG（可変タービンジオメトリー）付きのターボチャージャーを装備。部分負荷で極めて燃費効率の良い改良型燃焼プロセスを採用している。

　これによりガソリン仕様でも低回転域でトルクの一貫した俊敏な立ち上がりが可能になり、最高出力150kW（204PS）、最大トルク340Nmを発揮し、一方のTDIは最高出力150kW、最大トルク400Nmを発生。こちらは最適化されたシリンダープレッシャーセンサーや排気ガス制御システムTwinDosing（ツインドージング）、2本のバランスシャフトによるスムーズなエンジン回転など、蓄積されたディーゼル燃焼技術を継承している。

　そして高性能版SQ5には可変タービンジオメトリー（VTG）付きターボチャージャーを装着する3.0リッター V型6気筒TFSIエンジンを搭載し、最高出力270 kW（367PS）、最大トルク550Nmを発揮。そしていずれのモデルにも新開発の48V MHEV plusがドッキングされ、システムを構成するPTG（パワートレインジェネレーター）は最大230Nmの追加駆動トルクと最大18kW（24hp）の出力を生成し、減速時には最大25kWのエネルギーを回生することで特定の条件下で完全な電動走行が可能となっている。

　さらに48Vのシステムにより電動エアコンプレッサーが作動し、車両が信号待ち等で内燃エンジンがオフになっているときでも、エアコンを作動することができるなど、日常ユースでの快適性にも貢献する。

　その新型Q5発売を記念して作られたグローバル限定モデル“edition one（エディション・ワン）”も2タイプ合計300台が導入され、特別装備であるマグネシウムグレーがアクセントになるフロントエアインレットと、ディフューザートリム、2色の色分けが施された21インチブラックメタリックポリッシュトのアウディスポーツ製マルチスポークSデザインアルミホイールがエクステリアのハイライトとなっている。

　この限定モデルの価格が919万～954万円となり、標準のQ5系は760万～823万円、そして高性能版SQ5系が1023万～1058万円に。一方のフル電動モデルとなるA6系の価格は“Sportback”が981万円、同“Avant”が1012万円、そして高性能版S6がそれぞれ1440万円、1471万円（いずれも税込）となっている。

●Audiコミュニケーションセンター・フリーダイヤル：0120-598106 

[オートスポーツweb 2025年08月01日]