現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 大きな脅威になったドローン兵器 防衛企業大手が考え出した対抗策は極めてシンプルなものだった!? 脚光を浴びた武装とは?

ここから本文です

大きな脅威になったドローン兵器 防衛企業大手が考え出した対抗策は極めてシンプルなものだった!? 脚光を浴びた武装とは?

掲載 更新 26
大きな脅威になったドローン兵器 防衛企業大手が考え出した対抗策は極めてシンプルなものだった!? 脚光を浴びた武装とは?

最新の対ドローン兵器の最適解は?

 2020年代になって戦場で注目され始めたFPVドローンや自爆ドローンは、今や大量導入され、地上の車両や将兵にとって大きな脅威となっています。しかも、脅威であってもかなり安価な兵器であるため、高価な対空ミサイルで迎撃するのは費用対効果が悪く、「確実かつ安価な迎撃手段」の獲得が新たな課題となっています。

【画像】意外と簡素な設備? これが、対ドローン機関銃の実物大模型です

 こうした流れを受けフランス・パリ近郊で開催された防衛装備展示会「ユーロサトリ」で、ドイツのラインメタルは「Last Line of Defence(最後の防衛ライン)」と題した展示を行いました。そして、同社がいうところの「最後の防衛ライン」の中核を担っていたのは、最新レーザー兵器でも電子妨害装置でもなく、7.62mmガトリングガン(回転式多銃身機関銃)を搭載した「RCWS 320C-UAS」でした。

 これは小型ドローン迎撃に特化して開発された遠隔操作式銃塔(RCWS)になります。重量は弾薬込みでも約530kgと比較的軽量で、装甲車だけでなくトラックやピックアップトラック、固定施設など幅広いプラットフォームへの搭載を想定しています。

 武装は7.62×51mm NATO弾を使用するガトリングガンで、毎分3000発を発射可能。最大3500発の弾薬を搭載し、有効射程は約600mです。

 銃塔には昼間用カメラ、赤外線カメラ、レーザー測距機を備えた光学照準装置「SEOSS 320」に加え、小型AESAレーダーも組み込まれています。レーダーは小型ドローンを約1200mで探知し、約1000mで識別。その後はAIを活用した画像認識によって自動で目標を追尾し、即座に迎撃へ移行します。

 ラインメタルでは、レーザー兵器や迎撃用ドローンなど多彩な対ドローン兵器を開発しています。ではなぜ今回、最後の防衛手段として昔ながらの銃を選んだのでしょうか。

最新技術を駆使しても「最後は撃ち抜く」のが最も確実だった

 2026年現在、世界各国の防衛企業では、ドローンに対抗すべく、ジャミングやGPS妨害、レーザー兵器など様々な迎撃手段が開発されていますが、それぞれ弱点があります。担当者はレーザーについて、「(現状では)撃墜するまで数秒間照射し続ける必要があり、その間は別の目標へ対応できない」と説明しました。また、雨や霧などの悪天候では性能が低下し、レーザー照射のための大型の電源設備や発電装置も必要になります。

 さらに近年増えている複数機による「スウォーム攻撃」では、「群れで飛来した場合、それがレーザーの問題になる」とも話しており、一度に多数のドローンへ対処する難しさを指摘しました。

 そこでラインメタルが最後の防衛ラインとして選んだのが、毎分3000発という圧倒的な発射速度を持つガトリングガンです。レーダーと光学センサーで目標を捕捉し、AIによる画像認識で目標を追尾しながら、100発程度の短いバースト射撃で弾幕を形成し、接近するドローンを物理的に撃ち抜くという考え方です。

 もっとも、RCWS 320C-UASだけですべてを守るわけではありません。ラインメタルが構想する「Last Line of Defence」は、多層防御の最終段階です。遠距離ではレーダーや各種センサーで脅威を探知し、電子妨害やレーザーなどで可能な限り対処する。同社ではより大口径の対空迎撃システム「スカイレンジャー」も開発しており、これら防御網で防ぎきれなかったドローンに対して、最後の迎撃手段として存在するのがこのシステムなのです。

 実際にウクライナの戦場では、時代遅れと思われた、ゲパルト自走対空砲の機関砲がドローン撃墜で、大きな注目を浴びたり、DShK38重機関銃やブローニングM2重機関銃を搭載したトラックなどが対空防衛任務をしている姿などが見られ、同国国防省が撃墜動画などをSNS上に公開し、その有効性をアピールしているケースなどがあります。

 安価な兵器を高性能である兵器を併用しながら戦闘を実施する、ハイローミックス化が戦場で進むなか、最先端技術と防衛戦術を追求した結果、最後の防衛手段として選ばれたのは、昔ながらの「銃撃」でした。「物理的に障害や脅威を撃ち抜く」という極めて古典的な方法が現在でも通用するということを証明しています。

文:乗りものニュース 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
【キャンペーン】毎日機械洗車が50%オフ!お得に愛車をピカピカに(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

イタリアは「戦車を作らない」と決めた訳ではない? 国産へのこだわりより“現実”を選びつつ野心も見せる意外な理由
イタリアは「戦車を作らない」と決めた訳ではない? 国産へのこだわりより“現実”を選びつつ野心も見せる意外な理由
乗りものニュース
敵の防空網の外から一撃!? 最新鋭無人戦闘機「クズルエルマ」が超音速空対地ミサイルを発射
敵の防空網の外から一撃!? 最新鋭無人戦闘機「クズルエルマ」が超音速空対地ミサイルを発射
乗りものニュース
移動手段であり“忍者”でもある!? 軍用の「静かすぎる電動バイク」が目指す新しい戦い方
移動手段であり“忍者”でもある!? 軍用の「静かすぎる電動バイク」が目指す新しい戦い方
乗りものニュース
英国生まれの名機「ハリアー」がアメリカで“劇的進化”遂げたワケ 垂直離着陸性能を激変させた「小さな板」の正体
英国生まれの名機「ハリアー」がアメリカで“劇的進化”遂げたワケ 垂直離着陸性能を激変させた「小さな板」の正体
乗りものニュース
精確で迅速!? ついに独艦も最新鋭の防空兵器“レーザー”装備へ!! 遠い未来の話ではなく 数年後の予定?
精確で迅速!? ついに独艦も最新鋭の防空兵器“レーザー”装備へ!! 遠い未来の話ではなく 数年後の予定?
乗りものニュース
南米仕様の超音速機「F-39E」国外演習に“初参加”ベース機体は「グリペン」しかしブラジル向きの特殊な機体である理由とは
南米仕様の超音速機「F-39E」国外演習に“初参加”ベース機体は「グリペン」しかしブラジル向きの特殊な機体である理由とは
乗りものニュース
ロシア軍の地下拠点を攻撃した“謎の攻撃機”ウクライナ側が正体を明かす 実は巨大なラジコン飛行機みたいなものだった!?
ロシア軍の地下拠点を攻撃した“謎の攻撃機”ウクライナ側が正体を明かす 実は巨大なラジコン飛行機みたいなものだった!?
乗りものニュース
動画で公開! 日本初イージス艦「こんごう」ミサイル発射の一部始終 米軍公式RIMPAC実弾と緊迫のCIC内部
動画で公開! 日本初イージス艦「こんごう」ミサイル発射の一部始終 米軍公式RIMPAC実弾と緊迫のCIC内部
乗りものニュース
動画で公開! 米空軍の「未来の戦闘機」による仮想敵の撃墜シーン 実戦配備は目前か?
動画で公開! 米空軍の「未来の戦闘機」による仮想敵の撃墜シーン 実戦配備は目前か?
乗りものニュース
F-35もパトリオットも「いいよ」の手のひら返し!? 「カネ出せカネ」と欧州に手厳しいトランプを“手玉に取った”2か国とは?
F-35もパトリオットも「いいよ」の手のひら返し!? 「カネ出せカネ」と欧州に手厳しいトランプを“手玉に取った”2か国とは?
乗りものニュース
ゴジラ新作の“謎の日本軍機”「トイレ爆弾」まで搭載した伝説の攻撃機で確定か!? 搭載量3トン超え! 長期間にわたり対地攻撃の要に
ゴジラ新作の“謎の日本軍機”「トイレ爆弾」まで搭載した伝説の攻撃機で確定か!? 搭載量3トン超え! 長期間にわたり対地攻撃の要に
乗りものニュース
ドローンはミサイルで撃墜するな!?「ラファール」搭載の対ドローン兵器が実証実験に成功 コスパの高い戦闘が可能に?
ドローンはミサイルで撃墜するな!?「ラファール」搭載の対ドローン兵器が実証実験に成功 コスパの高い戦闘が可能に?
乗りものニュース
日伊と開発する次世代戦闘機のお供!? 英国が“無人戦闘機”の開発に乗りだす! その名は「ストームファイター」
日伊と開発する次世代戦闘機のお供!? 英国が“無人戦闘機”の開発に乗りだす! その名は「ストームファイター」
乗りものニュース
コクピットも見れた! 空自次期戦闘機GCAP、屋外展示で「本気度マシマシ」に!その驚異の全貌とは
コクピットも見れた! 空自次期戦闘機GCAP、屋外展示で「本気度マシマシ」に!その驚異の全貌とは
乗りものニュース
空自の「巨大な新型機」ついに飛行試験開始! 空中で随伴機から撮影した映像が公開される
空自の「巨大な新型機」ついに飛行試験開始! 空中で随伴機から撮影した映像が公開される
乗りものニュース
ロシア軍じゃない!?「史上最大の巨人機」破壊の真実 ウクライナ自身が壊さざるを得なかった悲しき理由
ロシア軍じゃない!?「史上最大の巨人機」破壊の真実 ウクライナ自身が壊さざるを得なかった悲しき理由
乗りものニュース
空自が渇望する次期戦闘機GCAP「新たな参加国はどこだ?」日本のスケジュールを狂わせない“最有力候補”の条件
空自が渇望する次期戦闘機GCAP「新たな参加国はどこだ?」日本のスケジュールを狂わせない“最有力候補”の条件
乗りものニュース
「日本初のイージス艦」が火を噴いた!ミサイル発射の瞬間を海上自衛隊が公開 はるばるハワイまで航海
「日本初のイージス艦」が火を噴いた!ミサイル発射の瞬間を海上自衛隊が公開 はるばるハワイまで航海
乗りものニュース

みんなのコメント

26件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村