「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン ゴルフ(7代目)だ。
フォルクスワーゲン ゴルフ(2012年:7代目フルモデルチェンジ)
2012年9月に発表された、7代目となるフォルクスワーゲン(以下、VW)ゴルフの国際試乗会が開催されたのは、地中海に浮かぶイタリア領サルディニア島。冬でも温暖な気候ゆえ、多くのヨーロッパ メーカーがイベントに用いるこの地は、面積が日本の四国ほどにも達するために、実はいったん上陸すると「島」という感覚は薄い。一方で、都市部を少し離れれば空いたワインディングロードの宝庫。なるほど、テストドライブには打ってつけの場所なのだ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
全長で56mm、全幅は13mm、ホイールベースでは59mm・・・と、従来型に対しては小幅ながらもまた着実に大きくなった新型。それはまた、VWが推進する新たなモジュール式プラットフォーム戦略〝MQB〞の導入などを含め、7代目は「すべてが新しくなったゴルフ」でもある。
スタイリングはご覧のように、どのアングルから見てもゴルフそのものだ。より徹底されたフラッシュサーフェス化やシャープさを増したプレスのラインなど、見比べれば「なるほど、こちらの方が新しい」と感じられる部分は確かにある。ドライバー側へ少しオフセットしたセンターパネルの新採用など、ダッシュボードをはじめインテリア各部ももちろん一新されている。
ただし、見た目だけで従来型のユーザーに買い替え意欲を持たせるのは、ちょっと難しいか?と、正直そんな印象も拭えない。端的に言って、あまり変わり映えしないかな?と思われても、やむを得ないだろう。
しかし、そうした少しネガティブとも思える第一印象は、いざ走り始めるとたちまち打ち砕かれた。従来型ユーザーを含めて、誰が乗っても即座に「これは確かに新しい!」と実感できる走りのテイストを、スタート直後から味わわせてくれたのだ。
クラスを超えた静粛性。隙のない完成度に吃驚
そんな新しさにつながる最大の要因は、実はその静粛性にある。少し誇張して表現すれば、それはもはや驚愕のレベルだ。少なくとも2代目から3代目くらいまでのゴルフというのは「走りは良いけどウルサイね」といった印象が強く残るモデルだった。しかし、それはもはや過去の話。新型はもはや「ゴルフらしくないほどに静かなゴルフ」と表現してもいいだろう。
今回の試乗車が搭載する140psを発生する新エンジンには、オプション設定の2気筒休止機構(ACT)が組み込まれていた。その動作は、メーターパネル内に現れる「2cylinder mode」の表示で確認できるが、実は耳を凝らすと、それまではなかった新たな低周波音も加わっていた。だがそのボリュームはごくわずかで、けっして静粛性には影響を与えないもの。さらに感心したのがそうしたシーンでもパワーフィールにはまったく変化ないと断言できる状態にあることだ。
加速感やハンドリングの感覚が、全般的に従来型よりも軽快さを増して感じられるのは、けっして錯覚ではないはず。というのも、新型ゴルフはアルミやカーボン素材など、コストアップにつながる材料置換などを伴わずに、最大で100kgに及ぶ大幅な軽量化を実現しているからだ。
そしてオプションの電子制御式可変減衰力ダンパー〝DCC〞が装着されていたこともあってか、そのしなやかな乗り味にも舌を巻いた。しかも、これまでのモデルの美点でもあった安定感の高さや自在なハンドリング感覚にさらに磨きをかけている。電動式パワーステアリングが伝える自然な操舵&保舵感も文句ない。
このように、ちょっと憎らしいくらいにどこにも隙がないというのが、新型ゴルフに対する総合的な評価だ。すでに、どこにも不満などなかった従来型を叩き台に仕上げられた新型は、かくもスーパーなゴルフになっていたのである。
フォルクスワーゲン ゴルフ 1.4TSI(欧州仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4255×1790×1452mm
●ホイールベース:2637mm
●車両重量:1290kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1395cc
●最高出力:103kW(140ps)/4500rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/1500-3500rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:205/55R16
[ アルバム : フォルクスワーゲン ゴルフ7 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
そしてあまりにも軽々とした運転フィールは少しがっかりも高速道路の安定感はさすがだった
そして歴代ゴルフでは一番好きな外観
良かったなぁ〜
友人の最新の国産車に試乗させてもらって、ゴルフの方がいいと思います。
例えれば「何もついてないけれど骨格がしっかりしてる昔からの木造住宅」、片や「美しくて便利機能満載だけどペラペラしたプレハブ住宅」の違いでしょうか。
使用方法で違うのでどちらが良いとは言いませんが、私の様に一気に数百キロ走る者にとってはゴルフをはじめとした欧州車は手放せません。