18歳で10万円購入のS13シルビアに、RB26DETTを積んだドリフト仕様に仕立てた
10万円の日産「S13型シルビア Q’s」から始まった1台が、いまやスカイラインGT-R由来のRB26DETTを積む推定500psのドリ車に化けた。中学時代に初めて見たドリフトがS13だったオーナーは、17年間このシルビアと歩んできた。エンジンは3度も載せ替え、外装のカーボンはDIY。若い世代とゆるく遊ぶ場をつくりたいという思いも語ってくれた。
彼女の日産S13型「シルビア」は永久抹消から復活! ドリフト仕様に変貌を遂げたマシンでただいまドラテクを磨いている最中です
10万円で買ったS13シルビアQ’sにRB26DETTを載せ替えたドリフト仕様
スカイラインGT-Rの心臓を、シルビアに移した1台がある。オーナーの“マコヤン”さんが所有するのは、S13型の日産「シルビア」。もともとはQ’sのMTノーマル車で、17年ほど前となる2009年頃、18歳のころに10万円で手に入れた個体だ。
一時は2桁万円台の前半でも狙えたS13シルビアは、ネオクラシックとしての人気が再燃し、価格も上がっている。1988年5月にデビューした5代目S13型は、5ナンバーサイズの4人乗り2ドアクーペに直列4気筒エンジンを積んでいた。デビュー当初のグレードはNA(自然吸気)のJ’s(ジェイズ)とQ’s、ターボのK’s(ケイズ)という3本立てで、搭載されたのは1.8LのCA18型だった。
1991年のマイナーチェンジで、エンジンは2LのSR20型に切り替わり、4輪操舵のスーパーHICAS(ハイキャス)も選べるようになった。生産は1993年10月まで続き、後継のS14型へと引き継がれている。“マコヤン”さんの個体は登録上1994年式となっており、これは登録の時期によるものと考えられる。
グリップやドリフトのチューニングベースとして根強い人気を持つのがS13だ。“マコヤン”さんのシルビアも、ドリフトのための車両として仕上げられている。購入から1年後、エンジンをSR20のターボに載せ替えてK’s仕様とし、このころからドリフトを始めたと取材で語ってくれた。
その後さらに2度エンジンを積み替え、1度目は同じくSR20ターボ、2度目でスカイラインGT-Rに積まれていた2.6Lツインターボ、いわゆるRB26DETTへとたどり着いた。RB26に載せ替えたのは13年ほど前となる2013年頃のことだ。
推定500psのRB26に東名ツインクラッチ、パイプフレーム化した中身のこだわり
エンジン以外の各部にも、手が広く入れられている。“マコヤン”さんのS13に積まれるRB26は、各気筒を0.5mmボアアップし、HKS(エッチ・ケー・エス)のGT-SSタービン、600ccインジェクター(1分間に600ccの燃料を噴射できる大容量インジェクター)、ハイカム(高回転域での吸排気効率を高めるカムシャフト)、フルカウンタークランクシャフト(回転バランスと剛性を高めたクランクシャフト)、H型コンロッド(高強度なH型断面を持つコンロッド)などで組まれている。
出力は推定500ps程度に設定されている。これは車重1280kgに対し、楽しく遊べる範囲におさえた狙いなのだという。トランスミッションはER33型スカイラインのFR用を使い、オイルパンとシャフトも加工されている。GT-R由来の4輪駆動ではなく、駆動方式はFRに仕立て直された。
クラッチには東名パワード(TOMEI POWERED)のツインクラッチを組み、エンジン載せ替えにともなう仕様変更で、フロントはパイプフレームとなっている。足まわりや排気系にも独自の手が入る。HKSハイパーマックス(車高調)、加工ロアアーム、リア3点ピロアーム、ニスモ(NISMO)の2wayデフ、ワンオフのフロントパイプとデュアルマフラーなどに加え、エアロパーツも装着される。
バンパーとボンネットはウェットカーボンで“マコヤン”さん自身がDIY製作したものだ。エンジンとボディはともに公認を取得しており、3年ほど前となる2023年頃までは公道も走らせていた。
17年間S13を手放さない理由と、若い世代と気軽に遊べるドリ車づくり
17年をかけてここまで手を入れた理由は、少年時代の原体験にある。オーナーの“マコヤン”さんが初めてドリフトを目にしたクルマが、ほかならぬS13だった。
「僕が初めてドリフトを見たクルマがS13なんですよ。それでずっと中学2年生ぐらいから欲しくて。ラジコン作ったりプラモデル作ったりして誤魔化してたんですけど、やっと手に入れられたんで。多分、一生乗るんじゃないですか」
購入当初は見習いだった“マコヤン”さんも、いまは整備ファクトリーの代表になっている。S13を通して、実現したい思いもあるという。
「目標というか、僕の中では大会に出るっていうより、周りでドリフトする若い子が増えてきたんで、興味があってお金がなくてもやりたい気持ちがあれば、一緒に練習したり気軽に遊べる感じに戻したいな、っていうのはありますね。今はちょっと敷居が高くて。それで今ドリ車が高いんで、シルエイティでうちのメンバーでジムカーナとかでみんなで遊べるドリ車を作ったんですよ。僕が積車で積んでいって、タイヤ代と燃料代、走行代を出し合って、1日みんなで遊べたらいいな、みたいな感じですね」
10万円の1台に17年間手を入れ続け、いまも一生ものと言い切る“マコヤン”さんの姿には、勝ち負けよりも仲間と走る時間を大切にする軸がある。若い世代が気軽に飛び込める場所を取り戻したいという思いが、このS13を今日まで走らせ続けているのだと感じられる。
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みんなのコメント
17年も乗り続けるなんて無理だな
ただ、どうしても傷みが激しい場合が多かった印象。
AT改MT載せ換え車両も多かったねぇ…