現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「走れていても」取り返しのつかないダメージに至ることも! クルマのエンジンオイルを換えないと起こる悲劇

ここから本文です

「走れていても」取り返しのつかないダメージに至ることも! クルマのエンジンオイルを換えないと起こる悲劇

掲載 80
「走れていても」取り返しのつかないダメージに至ることも! クルマのエンジンオイルを換えないと起こる悲劇

 この記事をまとめると

■エンジンオイルの交換はメンテナンスの基本というが交換しないとどうなるのかを解説

取説には「1万kmごと」って書いてあっても「5000km」で換えるべき? エンジンオイルの「交換頻度問題」に決着!

■交換を怠ると最悪の場合はエンジンブローが起こりうる

■動いているからと軽く見ていると思わぬ高額出費となることもあるので気をつけたい

 メンテナンスフリーな最近のクルマでも必ずオイルはチェック

 電気自動車時代になったらなくなるだろうけど、現状ではエンジンオイル交換は大切なことだ。最近のクルマはメンテナンスフリー化が­­進み、手を出すところが減ってはいるけど、エンジンオイルは重要なポイントである。ほかの油脂類の場合、車検ごとなど、プロにその管理が委ねられていたりするが、エンジンオイルに関しては走行距離も関係してくるので、ユーザーの管理が大切だったりもする。

 クルマ好きにしてみれば、オイル交換は当然のことでもある。ただ、最近は修理工場などの現場で聞くと「オイル交換をしないユーザーが多いし、勧めても問題ないから大丈夫。また今度」的な返事が多いという。また、町の修理工場で見かけた某メーカーからの通達は、「とにかくオイル交換をしないので、メーカー問わず、交換してもらうように」という内容で驚いたのを覚えている。

 交換しない背景には、お金がないというのが大きいと思われる。さらには、「とりあえずいまは問題なく走っているから」というのも多い。そう言われるとどうしようもないし、表面的には納得の理由だったりもする。我々もオイル交換をしないとダメと記事では言うものの、どんな症状が出てくるのか、具体的に伝えることはあまりしないのは事実だ。

 では、メーカーの交換指定を超えてもそのまま交換しないと具体的にどうなるのか? 換えない人が言うように、しばらくはなにも起こらず、そのまま走ることはできる。エンジンの種類や排気量、オイルの量、乗り方などにもよるが、しばらくはほとんど何も変わらない。

 異音・振動・白煙はクルマからの不調の合図

 ただ、内部ではどんどんと汚れが発生してオイルに取り込まれていくし、量も減っていく。これが第一段階だ。この量が減っていくというのはピンと来ないかもしれないが、オイルもわずかずつだが、蒸発する。実際、オイルの性能には蒸発についての項目があるほどだ。もちろん、ピストンとシリンダーのすき間から燃焼室に入り込んで燃える分もある。量が減ってドロドロになれば、異音が大きくなり燃費も悪くなるし走りのフィーリングも悪化する。それでも、これらは徐々に進行するのでなかなか気がつかない。オイル交換への意識が低い人であればなおさらのことだろう。

 その後も走れることは走れるが、問題となるのはオイル量の減りだ。あまりに減ると、オイルを吸い上げなくなって油圧警告灯が点灯して、やっとプロに見てもらうことになるだろう。油圧警告灯が点かなくても、中はスラッジ(泥みたいな汚れ)が溜まるだけでなく、それらが固まって岩のようになっている。当然、除去するにはオーバーホールレベルの作業が必要になる。

 ただし、量は別として走れないかというとそんなことはなくて、調子はかなり悪くなっても、走れてしまう。スラッジの塊が大量に発生しても、それらは回転部分など以外のエンジン作動には直接関係ない場所であって、肝心の動いている部分には溜まらないからだ。

 おおよそ4~5万kmまではこのような状態なので、とりあえず動くというのは事実。表面的にはとくに問題ない状態だ。また、エンジンが動くならいいじゃないかという見方もできなくはないが、動くというだけで、各部の磨耗は進んでいて、分解してみるとカムシャフトやタペットにはかじりが発生しているし、ピストンやシリンダーはガリガリな溝ができている可能性は高い。というか、確実にできているだろう。これらが起こっても平気だとしたら、ホントにオイル交換は5万km毎でもOKということになってしまう。

 この状態でも乗り続ければ、我慢できないほど異音が大きくなったり、白煙を吹いたりなど、深刻な状態になってしまう。このレベルになるともう元には戻せない。少々のスラッジなら、除去できたりするが、岩石レベルになると、先に触れたように分解して除去して、摩耗した部分は新品へと交換するしかないものの、それは現実的ではないので、エンジンは結果的にオシャカ。

 ちなみに最近では、オーバーホール用のオーバーサイズピストンは用意されないことが多いので、シリンダーにキズが入るともうダメ。結局は積み替えか、クルマの買い替えで、オイル交換をケチったばかりに高くつくということになる。

 いま、動いているから大丈夫という表面的な判断は泣きを見るだけ。メンテナンスフリーが進むなかでも、いまだに定期的にオイルを交換しなければならないというのは、それなりの理由があるというわけだ。

関連タグ

こんな記事も読まれています

野田樹潤、スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテストに参加。海外拠点に活動の17歳女性ドライバーが日本のトップフォーミュラをドライブへ
野田樹潤、スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテストに参加。海外拠点に活動の17歳女性ドライバーが日本のトップフォーミュラをドライブへ
motorsport.com 日本版
バレンティーノ・ロッシが待望のWEC/ル・マンへ「とても嬉しい。良いポジションにいけると思う」と自信
バレンティーノ・ロッシが待望のWEC/ル・マンへ「とても嬉しい。良いポジションにいけると思う」と自信
AUTOSPORT web
はとバスツアーはなぜヒット連発なのか? 社員1人で「年50本以上」の企画出し、しかも採用率は2割以下という賜物だった
はとバスツアーはなぜヒット連発なのか? 社員1人で「年50本以上」の企画出し、しかも採用率は2割以下という賜物だった
Merkmal
「大井町 三軒茶屋」直結いつ? 見えてきた完成形「環6.5」目黒通りと駒沢通りむすぶ悲願の「広い道路」
「大井町 三軒茶屋」直結いつ? 見えてきた完成形「環6.5」目黒通りと駒沢通りむすぶ悲願の「広い道路」
乗りものニュース
冬は「バッテリーの突然死」にご注意! 寒さでクルマのトラブル発生しがち? 不具合を防ぐ方法は?
冬は「バッテリーの突然死」にご注意! 寒さでクルマのトラブル発生しがち? 不具合を防ぐ方法は?
くるまのニュース
これが最後のフィアット・パンダ! 限定車「パンダクロス4✕4」登場 ツインエア搭載 全長3.7mのクロスオーバー
これが最後のフィアット・パンダ! 限定車「パンダクロス4✕4」登場 ツインエア搭載 全長3.7mのクロスオーバー
VAGUE
東関道「酒々井PA」(下り)でいただく朝定食 そばとご飯とコロッケで“普通の組み合わせ”に満足
東関道「酒々井PA」(下り)でいただく朝定食 そばとご飯とコロッケで“普通の組み合わせ”に満足
バイクのニュース
フィットe:HEV用が一挙発売、ブリッツのエアクリーナーシリーズ4種類・5製品
フィットe:HEV用が一挙発売、ブリッツのエアクリーナーシリーズ4種類・5製品
レスポンス
フェラーリF1代表、アブダビGPでのルクレールの戦術を正解と語る。メルセデス陣営はスポーツマンシップを称賛
フェラーリF1代表、アブダビGPでのルクレールの戦術を正解と語る。メルセデス陣営はスポーツマンシップを称賛
AUTOSPORT web
大クラッシュによる負傷から復帰の山野哲也、8戦6勝で通算23回目の全日本ジムカーナタイトルを獲得
大クラッシュによる負傷から復帰の山野哲也、8戦6勝で通算23回目の全日本ジムカーナタイトルを獲得
AUTOSPORT web
売ってくれ!! 最新フェアレディZ「サファリ仕様」登場!! 知ってる人も知らない人も大興奮
売ってくれ!! 最新フェアレディZ「サファリ仕様」登場!! 知ってる人も知らない人も大興奮
ベストカーWeb
トヨタ「GRカローラ」用本気エアロとエキゾーストが誕生! 佐々木雅弘プロデュースした「GRパーツ」と「GROW Design」のコラボパーツとは
トヨタ「GRカローラ」用本気エアロとエキゾーストが誕生! 佐々木雅弘プロデュースした「GRパーツ」と「GROW Design」のコラボパーツとは
Auto Messe Web
クルマのボディの主役はやっぱり鉄! 置換素材の「アルミ・カーボン・FRP」は何が凄くで何がネック?
クルマのボディの主役はやっぱり鉄! 置換素材の「アルミ・カーボン・FRP」は何が凄くで何がネック?
WEB CARTOP
小田原市のアウトドアショップ sotosotodays にて「鎌倉天幕/WILD THINGS」の展示受注会を12/2・3に開催
小田原市のアウトドアショップ sotosotodays にて「鎌倉天幕/WILD THINGS」の展示受注会を12/2・3に開催
バイクブロス
【ボクらの時代録】2005年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。3代目マツダ・ロードスター(NC型)の人車一体フィール
【ボクらの時代録】2005年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。3代目マツダ・ロードスター(NC型)の人車一体フィール
カー・アンド・ドライバー
FIA F2ポストシーズンテストのエントリーリストが発表。現時点での年間エントリー確定は12名
FIA F2ポストシーズンテストのエントリーリストが発表。現時点での年間エントリー確定は12名
AUTOSPORT web
岩佐歩夢がF1初ドライブ「今日学んだことが将来のレースに大いに役立つと確信」エドルズはフィードバックを称賛
岩佐歩夢がF1初ドライブ「今日学んだことが将来のレースに大いに役立つと確信」エドルズはフィードバックを称賛
AUTOSPORT web
次期型登場も間近? マツダ ロータリーモデル「RX-9」実は「もうあった」!? 「知らなかった」「めちゃ気になる」反響大な45年前の激レアモデルとは
次期型登場も間近? マツダ ロータリーモデル「RX-9」実は「もうあった」!? 「知らなかった」「めちゃ気になる」反響大な45年前の激レアモデルとは
くるまのニュース

みんなのコメント

80件
  • 取説に1万キロで交換なんて、、いつの時代のエンジンだ?
    20年前のサニーの時代ですら「2万キロで交換と」ボンネット裏に書いてあるんだけどね。
  • 私の知り合いが乗っていた古いメグロは「500キロごとに交換」と書いてあった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで! 登録してお得なクーポンを獲得しよう
マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村