2019年にマクラーレンで好成績を残したカルロス・サインツJr.は、2020年シーズンが開幕する前の5月の段階で、翌2021年のフェラーリ加入が発表された。サインツJr.にとってこれは大きなチャンスだと思われていたが、2020年シーズンが始まってみると、好調のマクラーレンとは対照的にフェラーリが大苦戦。コンストラクターズランキングではマクラーレンが3位、フェラーリが6位となった。
2021年シーズンは、2020年に使用したシャシーを引き継ぐことになっているため、昨年歴史的な不振に陥ったフェラーリに劇的な復活を望むのは難しい。そういった理由から、サインツJr.はフェラーリ移籍を後悔しているのではないかという声がしきりに上がるようになった。
■「フェラーリに行きたくない時期なんてない」サインツJr.、移籍への後悔は“一切なし”
サインツJr.はこういった論調に苛立っていたことを認め、人々は物事を断定するのが早すぎると語った。
「F1では何が起こるか分からないのに、皆フェラーリは2021年もダメだろうと暗に言っていたから腹が立っていたのは確かだ」
サインツJr.はmotorsport.comにそう語った。
「もちろん(フェラーリは)2020年は後退したけど、彼らはそれを認め、自己批判的な態度をとっていた。しかし人々は2021年も苦戦すると確信していたんだ」
「僕がフェラーリと2年契約を結んでいること、そして2022年にレギュレーションが大きく変わることを考えると、2021年は人々が思っているほど重要ではないと思う。それは例えフェラーリが2021年に形成逆転してもだ」
「人々は既に、2020年が酷かったから2021年も同様に酷いものになるだろうとほのめかしている。前まではイライラしていたけど、今は冷静だ。僕は後悔しているだなんてそんなことは一度も言っていない」
2020年のフェラーリは苦戦を強いられながらも、表彰台の獲得回数はマクラーレンよりも多く、シーズン終盤のヨーロッパラウンドではメルセデスやレッドブルに次ぐ速さを見せる場面もあった。
サインツJr.は、シーズン終盤にかけてフェラーリの調子が上向いていたことは、2021年に向けた自信を後押ししてくれたと語った。
「まだマシンを走らせたことはないし、何が変わったかも分からないけど、少し良くなったように見えるし、彼らが前進しているのを見られて良かった」
「これはいつも言っていることだけど、F1において素早く物事を好転させられるチームがあるとすれば、それはフェラーリだと思っている」
「もちろんメルセデスもそうだと思うけど、フェラーリには歴史や人材、リソースがある。それが実現し始めているのを見られて嬉しいよ」
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