非公認レストモッドと表現したいグレナディア
雪道に関する筆者の理解度は、北欧に住む人ほどではない。砂漠に対するそれも、中東に住む人ほどではない。それでも土地柄的に、英国人は泥道に対する理解度は低くない。
【画像】無骨さか上質さか ランドクルーザー 250 ディフェンダー 90 グレナディア 全179枚
今回筆者がやって来たのは、貨物用の線路が敷設された、使われなくなった石灰岩の採石場。なんと壮大な、ドロドロの大地なのだろう。
ここを訪れた理由は、新しいトヨタ・ランドクルーザー 250の実力を探りたいと考えたから。グレートブリテン島で購入できるシリアスなオフローダーの中で、最も有能といえるだろうか。
それを探るには、サスペンションを伸ばし切るような不整地が必要になる。深い水たまりや、崖のような斜面も欲しい。
対抗馬となる1台は、英国の王者、ランドローバー・ディフェンダー 90。その非公認レストモッドだと表現したい、イネオス・グレナディアも用意した。日本では馴染みが薄いが、コンセプトやデザインは近く、この手のモデルを欲する人からの支持率は高い。
グレナディアは、ボディ別体のラダーフレームを持ち、リジッドアクスルに再循環ボール式のステアリングラック、3基のデフロックを採用する。トラディショナルな構成の、オフローダーといえる。
走破性を求めて、手配したグレードはBMW由来の3.0L 直列6気筒ガソリンターボを積む、3.0T トライアルマスター。オプションも満載で、BFグッドリッチのオールテレーン・タイヤを履いている。
最新技術満載のディフェンダー 90
他方のディフェンダーは、モノコック構造へ進化。サスペンションは独立懸架式で、前後のエアスプリングと2基のアクティブ・ロッキングデフを装備する。電子制御のテレインレスポンス・ドライブモードも実装し、技術的にはグレナディアの一歩先をゆく。
今回は、ショートホイールベースで3.0L直6ディーゼルの、90 D350を指定した。こちらも、タイヤはゴツいオールテレーン。オプションとなる、更に高度なテレインレスポンスと、アクティブ・リアデフも組まれている。
ランドクルーザー 250は、2.8D-4D ファーストエディション。ロッキング・リアデフと、分離可能なフロント・アンチロールバーは標準装備で、タイヤはブロックパターンのヨコハマ。キャメルトロフィー風の塗装が凛々しい。いずれも、内容に不足はない。
グレナディアには、ショートホイールベース仕様はない。ランドクルーザーも、今のところは5ドアだけ。純粋に悪路の走破性を考えれば、短いディフェンダー 90が最も有利だと考えて良いだろう。
ただし、英国の公道で見かけるディフェンダーは、殆どが5ドアの110だ。ユーザーの多くが、オンロードでの実用性を重視していることがわかる。とはいえ、全長が435mm長くても、悪路では見事な走りを披露する。90と比べれば、という程度でしかない。
フレーム別体のGA-Fプラットフォームを採用
グレナディアの全幅は1930mmで、ランドクルーザーより50mm、ディフェンダーより70mm幅が狭い。岩場や林間を進む場合は、小さくないメリットになる可能性がある。運転席からの視点が2台より高く、周囲の視認性に優れる点は明らかな強みだろう。
ダッシュボードには、手袋をはめたままでも誤操作する心配の少ない、大きなスイッチが並ぶ。フロアには、水洗いを前提にした排水ドレインがあり、雪道や泥道での利用へ構えている。ホイールベースは3.0m近くあるが、車内空間はそこまで広くない。
ランドクルーザー 250もモノコック構造ではなく、フレーム別体のGA-Fプラットフォームを基礎骨格とするが、車内はグレナディアより広い。標準で3列シートで、最後列を除いて、大人でも充分な空間が確保されている。
装備も充実している。内装は特に豪華という訳ではないものの、製造品質は間違いないだろう。比較すると、グレナディアはより道具的。だいぶ違う空間にある。
ディフェンダー 90の車内は上品。汚すことを遠慮したくなるほど、印象的で居心地が良い。ただし3ドアということで、後席への乗降性は良くない。荷室も狭め。これ以上の実用性を求めるなら、110を選びたい。
というわけで長靴を履き、ローレンジを選び、いざ採石場へ入場。正直なところ、今回の3台にとって、この程度の悪路など朝飯前だ。1番走破性の低いモデルの方が、全体で見れば最もユーザーの理想に近い可能性もあるだろう。
この続きは、ランドクルーザー 250 ディフェンダー 90 グレナディア 3台比較(2)にて。
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