6月15日、アメリカ・イリノイ州のワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ(WWTR)で、2025年NTTインディカー・シリーズ第8戦の決勝が行われ、アンドレッティ・グローバルのカイル・カークウッドが優勝を飾った。
シーズンハイライトのインディ500を終えた2025年シーズンは、前戦デトロイトから後半戦に突入。今季はこれまで、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)とカークウッドのふたりのみが優勝を飾っている状況のため、3人目のウイナー誕生に注目が集まるなか迎えた第8戦の舞台は、ショートオーバルのWWTRだ。
【順位結果】2025年NTTインディカー第8戦WWTR 決勝
決勝前日の予選ではウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がポールポジションを獲得。以下スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)、パト・オワード(アロウ・マクラーレン)、デイビッド・マルーカス(A.J.フォイト・エンタープライゼス)、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)と続き、トップ5をシボレーエンジンが占めた。
こうして迎えた決勝は、ナイトレースでの実施となった。ドライコンディションのもと、夕暮れの20時にスタートが切られると、1ラップ目から3台抜きを見せたマルーカスが、まずは隊列をリードしていく。
その後、デブリン・デフランチェスコ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)のクラッシュでレースは1度目のフルコースコーション(SC)が導入。再開後はマルーカスが首位をキープしていたが、46周目に2番手のパワーがウォールに単独ヒットを喫した。
ここで2度目のSCが入り、上位勢は揃ってピットインを選択。マクラフランがトップを奪い、マルーカス、ニューガーデン、オワード、コナー・デイリー(フンコス・ホーリンガー・レーシング)のトップ5が形成される。
第2スティント中盤に入ると、バックマーカーの処理が始まったころにニューガーデンが好ペースを維持し、マルーカスをパス。さらに、100周目あたりで早めにピットへ向かいアンダーカットを仕掛け、マクラフランを抜いてトップに立った。
その後もハイペースでリードを築こうと飛ばしていたなか、目の前でルイス・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がウォールにヒットしスピン。横を向いたマシンがニューガーデンの目の前を塞ぎ、蓋をしてしまったところにあえなくクラッシュを喫した。ニューガーデンのマシンは翻ってしまったが、無事にマシンを降りた。
ここで3度目のSC導入となり、上位はマルーカス、マクラフラン、オワード、デイリー、カークウッドの順に。しかし、マルーカスとマクラフランはアンセーフリリースで3ポジションダウンを言い渡され、これでオワード、デイリー、カークウッドが前に出る。
150周目にレースはリスタート。マルーカスが早々に3番手に上がり、その前ではオワードとデイリーがサイド・バイ・サイドの激しいバトルを演じる。4周にわたってオワードはインを厳しく守ったが、徐々に距離を詰めていったデイリーがアウトからトップに出た。
さらに、序盤に給油タイミングをずらしていたクリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング)が、3度目のSCで上位にジャンプアップし、バックマーカーが絡み始めた190周目にはマクラフランを抜いてトップ5に入ってくる。
191周目にはトップのデイリーがピットイン。オワード、マルーカス、ラスムッセンも合わせてピットへ向かったが、この一連のルーティンピット後にトップに立ったのは、気温が下がって来てペースに分が出てきたことでオーバーカットを成功させたカークウッドだった。
このころ、マルーカスがタイヤカスに乗って挙動を乱し、単独でウォールに接触。ひどいクラッシュには至らなかったが、レースは4度目のSCが導入。ここで、唯一ピットインを遅らせていたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がトップでピット作業へ。1周のマージンを消化し、トップに立った。
レースは残り60周、1度のピットインを残す段階でギャップ帳消しのガチンコ勝負へ突入していく。208周目にリスタートが切られ、ディクソンがトップをキープし、2番手からはカークウッドがオワードを抜き去って追い上げてくる。
そのなか、残り45周のころにマクラフランが緊急ピットイン。サスペンションのトラブルが起きたようで、リタイアを選択した。
残り30周が近づくと、まずは4番手のデイリーがアンダーカット狙いでピットイン。以降は2番手カークウッド、首位ディクソン、3番手オワードの順でピットへ向かう。日の暮れたWWTRでアウトラップのスピード勝負となり、ここでカークウッドが事実上の首位を奪った。オワードが2番手につけ、ディクソンは3番手にダウンする。
レースはラスト20周ごろになると、SC導入待ちのギャンブル勢が上位を占める。各車、次第に燃料が保たなくなっていき、ピットへ向かうが、そのなかでもカラム・アイロット(プレマ・レーシング)とフェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング)が残ってトップ争いを展開した。
残り11周のタイミングでは、ローゼンクヴィストが有利なトラックポジションを確保するべく前に出たが、燃料が保たず残り7周でピットイン。代わって首位に出たアイロットもラスト5周でピットへ向かった。これでカークウッドがトップに立つ。
続く2番手オワードはペースが劣って徐々にギャップが開くなか、ラスムッセンがディクソンをパスし3番手に上がってきた。ラストスパートではバックマーカーも絡み始め、オワードとラスムッセンの2番手争いが急接近したが、オーバーテイクには至らず。
カークウッドが今季3度目のトップチェッカーを受け、自身初のオーバル勝利を飾った。次いだオワードは今季3度目の2位表彰台獲得。ラスムッセンは2024年のシリーズデビュー以来、初の3位表彰台でキャリアベストを更新した。
一方、序盤に上位勢を占めたチーム・ペンスキーは、提携チームであるA.J.フォイト所属のマルーカスも含め、ウォールヒットやクラッシュ、リタイアなどで総じて上位を失う結果となってしまった。
2025年インディカーの次戦は、6月20~22日にウィスコンシン州エルクハート・レイクにあるクローズドコースのロードアメリカで行われる予定だ。
[オートスポーツweb 2025年06月16日]
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