長らくトヨタ「ランドクルーザー300」が絶対王者として君臨してきた大型SUV界に、ついに最強の刺客が送り込まれます。かつての「サファリ」の血を引く日産の新型「パトロール」は、サイズでランクルを圧倒し、パワーでねじ伏せ、内装はもはやショーファーカーの領域。17年ぶりの日本凱旋となる新型パトロールの、驚愕の実力を徹底解剖します。
文:吉川賢一/写真:NISSAN、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ランクルとはサイズも中身も別格!! 2027年度前半に国内投入される日産新型パトロールを写真で詳しくチェック!!(17枚)
ランクル300を凌駕する! 圧倒的な「存在感」と「広さ」
2025年秋に開催されたジャパンモビリティショーで、日本市場への再投入が明らかになった日産の本格クロカン「パトロール」。日本ではかつて「サファリ」の名で親しまれた本格クロカンSUVであり、北米では「アルマーダ」として販売されるほか、高級ブランド「インフィニティ」では「QX80」として展開されるなど、日産のグローバル旗艦SUVとして確固たる地位を築いているモデルです。
現行モデル(Y63型)は2024年9月に発表されたモデルです。ボディサイズは全長5350mm×全幅2030mm×全高約1940mmと、フルサイズSUVの中でも最大級のサイズ感で、ランドクルーザー300(4950mm×全幅1980mm×全高1925mm)よりも全長で400mm長い、圧倒的なスケールを誇ります。
室内は3列シート構成で、最大8人乗りに対応。とくに2列目および3列目は中東市場でクラス最大級とされる室内空間を確保しており、多人数での長距離移動も余裕しゃくしゃくです。
ランクルのV6をパワーで圧倒! 驚異の425馬力を発生
パワートレインの目玉は、新開発の3.5L V6ツインターボエンジンです。最高出力425PS、最大トルク700Nmというスペックは、ランクル300のガソリン車(415PS/650Nm)を上回る実力。組み合わされる9速ATが、巨体をスムーズかつ豪快に加速させます。ベースグレードには3.8L自然吸気V6(316PS/386Nm)も設定されています。
足まわりには、状況に応じて車高を自動調整する可変式エアサスペンションや、路面状況を先読みして減衰力制御する「eダンパー」を採用。さらにサンドやロック、マッドなど6種類のドライブモードを備え、走行状況や路面状況に応じて制駆動制御を最適化。大型SUVに求められる走破性と扱いやすさを高い次元で両立させています。
インテリアは完全に別次元!! フラッグシップにふさわしい装備群
新型パトロールの真価をもっともわかりやすく表しているのがインテリアです。まず目を引くのは、14.3インチディスプレイを2枚連結した「28.6インチモノリスディスプレイ」です。ナビゲーションや車両情報を統合表示することで、視認性と操作性を高めています。
シートには、マッサージ機能付きのゼログラビティシートを採用。長距離移動時の疲労軽減します。さらに中東仕様では、乗員の体温を検知して空調を自動調整する生体認証冷却技術「バイオメトリッククーリング」を搭載。乗り込んだ瞬間に最適な冷却が行われる仕組みで、高温環境を前提とした市場ならではの装備です。
後席の体験価値も徹底的に高められており、後席用の12.8インチのエンターテインメントディスプレイを設定したほか、オーディオにはKlipsch製の12スピーカーシステムを採用。チャイルドシートを装着したまま3列目へアクセスできる「EZフレックスシート」や、画面操作でシートアレンジが完結する電動折りたたみ機構など、最新の利便性も満載されています。
新設計フレームによる高い剛性と徹底した防音対策により、静粛性も高級セダンにも劣らぬレベルに達しており、もはやクロカンSUVというよりはショーファーカーに近い快適性です。
先進のデジタル武装と「気になる価格」
コネクティビティも抜かりありません。Google機能を統合した「NissanConnect 2.0」を搭載し、スマホなしでもGoogleマップや音声操作が可能。さらに、専用の「MyNISSAN」アプリを通じて、車両の遠隔操作にも対応。ドアロックやエンジン始動、空調の操作に加え、車両の異常やセキュリティリスクを通知する機能も備え、日常的な使い勝手と安心感を高めています。
運転支援では、アダプティブクルーズコントロールと車線維持支援を組み合わせた「ProPILOT」搭載。高速移動時のドライバー負担軽減に寄与します。
視界支援機能についても、パノラミックビューに加え、最大170度の視野を確保する「ウルトラワイドビュー」や、車両前方下部を透過表示する「インビジブルフードビュー」を採用。オフロードや狭い場所での取り回しを大きくサポートします。
安全装備も充実しており、歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキや前方衝突予測警報、後方自動ブレーキなどを搭載。さらに高強度ボディ構造と7つのエアバッグにより、乗員保護性能の向上も図られています。
そんなパトロールの中東での価格は、標準モデルでAED239,900~389,900(約1000万~1600万円)。オフロード志向グレードの「パトロールPRO-4X」でAED 362,900(約1500万円)、ハイパフォーマンスモデルの「パトロールNISMO」になるとAED 449,900(約1850万円)。フルサイズSUVの中でも高価格帯に位置づけられています。
日本でどういったグレード展開になるのかはわかりませんが、国内では、標準モデルで、850万~1000万という価格帯になることが予想されており、税込525万2500円~813万6700円で購入できるランクル300を大きく超える価格となることは確実と思われます。
ランクルとは違う「もうひとつの正解」になるか!??
ランドクルーザーが長年にわたり信頼性や耐久性を軸に評価を積み上げてきた「道具としての完成度」を重視したモデルであるのに対し、パトロールはそこにラグジュアリー性や先進装備を積極的に融合させた「移動体験重視」のSUVです。
とくにインテリアやデジタル機能、快適装備の充実度は明確に方向性が異なっており、単純な優劣ではなく「どちらを重視するか」で選び方が変わる関係にあります。
日本市場では、ランクルのような高いリセールバリューを獲得できるかが、その販売を左右することになりそうですが、新型パトロールが持つ商品力は非常に高く、従来のクロカンSUVとは異なる価値を提示していることは間違いありません。日産にとっても、GT-Rがラインアップから姿を消したいま、ブランドの顔として日産のプライドを改めて国内に示す一石となるはずです。
はたしてパトロールは、ランドクルーザー一強だった国産の大型本格クロカンSUVカテゴリにおいてどこまで存在感を示せるのか。2027年度前半とされる発売が非常に楽しみです。
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まぁ買える人は車が1台だけじゃないか…