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誕生の時からスゴい車だった! 初代が完成の域に達していた車3選

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誕生の時からスゴい車だった! 初代が完成の域に達していた車3選

■初代の時点でスゴかったクルマを振り返る

 世の中には一代限りで短命に終わるクルマがあるなか、何代も代を重ねて長い歴史を刻んできたクルマもあります。

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 歴史のあるクルマではフルモデルチェンジの際に改良され進化を続け、動力性能や運動性能、燃費性能、安全性能など、最新モデルがもっとも優れているといえます。

 一方で、初代が誕生した時点で明確なコンセプトを確立し、完成の域に達していたようなクルマも存在します。

 そこで、今も販売されているモデルのなかから秀逸だった初代を、3車種ピックアップして紹介します。

●ユーノス「ロードスター」

 1960年代から1970年代にかけて欧州や日本では、小型軽量で優れた走りのオープンスポーツカーが数多く販売されていました。

 しかし、1980年代には激減し、国内メーカーではスポーティなオープンカーは完全に消滅しました。

 そうしたなかマツダは1989年に、ユーノス「ロードスター」を発売。ロードスターはコンパクトボディの2シーターFRオープンカーで、エンジンは最高出力120馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCを搭載。

 ハイスペックなエンジンではありませんが、940kgという軽量な車体には十分なパワーでした。

 ロードスターは2シーターという趣味性が強いモデルながら170万円からという安価な価格を実現し、異例のヒットを記録。世界的にも受け入れられました。

 また、ロードスターの成功をきっかけに、世界中のメーカーから同様のコンセプトのオープンカーが次々と登場して、一大ムーブメントに発展したほどです。

 初代ロードスターは「人馬一体」の走りという明確なコンセプトを確立していました。そして、現行モデルの4代目にも人馬一体が受け継がれています。

●ホンダ「CR-V」

 1990年代の初頭に、日本ではクロカン車を中心とする「RVブーム」が起こりました。

 しかし、自社でクロカン車を生産していないメーカーは他メーカーからOEM供給を受けるしかなく、ホンダもいすゞとランドローバーからクロカン車を調達していました。

 そんな状況が続いていたなかホンダは、1995年に初の自社開発によるRVとして初代「CR-V」を発売。

 初代CR-Vは6代目「シビック」のプラットフォームをベースにしたモノコック構造を採用。

 全高が高いボクシーなスタイリングのボディに背面にスペアタイヤを装備するという伝統的なクロカン車をオマージュしながらも、都会的でスタイリッシュに仕上げたデザインが高く評価されました。

 また、室内ではコラム式ATシフトレバーを採用したことで、前席の左右と後席へのウォークスルーを可能とするなど、ミニバン的な要素も取り入れていました。

 足まわりは4輪ダブルウイッシュボーンとし、オンロード走行における快適性も高く、従来のクロカン車より大幅に軽量なボディと2リッター直列4気筒エンジンの組み合わせによって、セダンやステーションワゴンから乗り換えても不満を感じない動力性能を誇りました。

 ホンダ自ら「ライトクロカン」と標榜するだけあって、205mmに設定された最低地上高により未舗装路や雪道での高い走破性を発揮。

 初代CR-Vは今に続くクロスオーバーというコンセプトを確立し、クロカン車のネガティブな部分だった高速安定性の弱さや騒音、燃費の悪化を解決したことで大ヒットを記録。

 追ってアメリカでも販売されると同じくヒットして、以降、海外におけるホンダの主力車種となりました。

●日産「マーチ」

 日産は1970年に、同社初のFF車として「チェリー」を発売しました。まだFF車のノウハウが蓄積されていないなかでしたが、その後も「チェリー F-II」、初代「パルサー」へ受け継がれました。

 そして、よりコンパクトなエントリーカーのニーズが高まっていた1982年に、すべてが新開発された次世代のFFコンパクトカー、初代「マーチ」が誕生。

 ボディサイズは全長3760mm×全幅1560mm×全高1395mmと現在の軽自動車よりひとまわり大きいくらいのサイズですが、優れたパッケージングによって十分な広さの室内空間を確保。

 外観デザインは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが担当し、ボディタイプは3ドアと5ドアハッチバックが設定され、飽きのこないシンプルなデザインが高く評価されました。

 発売当初に搭載されたエンジンは最高出力52馬力(グロス)を発揮する1リッター直列4気筒SOHCのみで、トランスミッションは5速MTと4速MT、3速ATを設定。

 すでに市場にはライバルが数多くいましたが、マーチは優れたデザインとは60万円台からという安価な価格を武器に、行動的な女性を中心に人気を獲得しました。

 その後、さらなるユーザー獲得のためバリエーションの拡充を進め、「マーチ ターボ」や伝説的な高性能モデルの「マーチR」と「マーチ スーパーターボ」が誕生。

 女性に向けた仕様の「マーチ コレット」や「マーチ コレット キャンバストップ」が加わり、パイクカー3兄弟のベース車にもなりました。

 初代マーチは1992年に2代目にバトンタッチしましたが、当時としては異例だった10年間ものロングセラーでした。

 これは、奇をてらうことのないシンプルなデザインに、優れた走りと経済性の両立、高いユーティリティと、コンパクトカーの理想的なコンセプトを確立していたからでしょう。

※ ※ ※

 今回紹介した3車種以外でも、スズキ「ジムニー」やトヨタ「クラウン」、日産「フェアレディZ」など、初代からコンセプトが大きく変わっていないモデルが存在します。

 一方、シビックのようにコンセプトがガラッと変わってしまったクルマもあります。

 伝統を守るということも大事ですが、ニーズに合わせて変化することも重要で、どちらが正しいか結論づけるのは難しいでしょう。

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みんなのコメント

8件
  • CR-Vは方向は同じかもしれんが、別ものだな。デカくなりすぎだ。
  • 初代CR-Vにお世話になった身としては、日本市場における現在のCR-Vの凋落ぶりが悲しい。ポジション的な後継は販売好調なヴェゼルが受け持っているのだろうから、ホンダとしては問題はないのかもしれないが、ライバルだったRAV4が車格をランクアップしても一定の立場を築けているのを見ると、日本市場におけるCR-Vを諦めてしまったホンダが恨めしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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