以前、確かにこう言われた。男の顔にシワは似合うと。でも、最近になり様子が変わってきている。一体、なぜ?
男の顔にはシワが似合う。かつては明らかにそう言われた。女性は皆、それを心から羨ましく思っていた。男の人は歳をとっても、いや歳をとるほど渋みを増し、むしろ素敵になる。むしろ美しくなると。
例えば、ジョージ・クルーニー。“遅咲きのスター”とも言われるように、彼がブレイクしたのは30代後半。33歳の時にスタートするドラマ「ER緊急救命室」で、主要キャラクターのひとりである医師役でレギュラー出演。そこでようやく知名度が高まり人気も高まったという流れだが、実はデビューが17歳、一人前の役を得たのは23歳で、この頃はやたら眉が太く、モサモサした髪もちょっとむさ苦しい個性派で、注目を浴びることはなかった。だから長らく下積みの時代が続き、もう俳優をやめようかと思っていた矢先に、ブレイクのきっかけとなる医療ドラマに出合うのだが、この頃もまだ、眉毛とギョロッとした目ばかりが目立つ個性派のひとりに過ぎなかった。
歳をとるのが似合う人・似合わない人でも、今のジョージ・クルーニーを見てほしい。グレーの髪と、額にも目尻にも深く刻まれたシワが。でもそれが異常に似合い、男の目からも女の目からもうっとりするほど洗練された男の美しさに満ちている。逆に言えば、60代の今こそがピーク。それって女性では考えられないからこそ、男性にだけはシワが似合うという、揺るがぬ証となるわけだ。
日本にも、渡辺謙や真田広之など、中年以降まさしくシワが刻まれ始めてからのほうがより味わいを増し、美しくなった俳優は少なくない。
ただ不思議なことに、最近は、歳をとることがあまり似合わない俳優が増えてきた気がする。トム・クルーズやレオナルド・ディカプリオは、若い頃のほうがやはり遥かに美しかったように思う。いや、理由はわかっているのだ。トム・クルーズは、『トップガン マーヴェリック』で明らかなように、若い頃の自分に負けたくない、だから若さを死守しようともがいているからであり、一方のレオナルド・ディカプリオは、若いトップモデルとばかり付き合っている無理がたたったか。
いずれにせよ、美容医療がいよいよポピュラーになるなかで、若くいようと思えば若くいられる時代の流れが、今までの男性が誇っていた“渋み”という美しさに、少々の歪みをもたらしているからに違いない。自然な老化を受け入れない時代になったのは、男性も同じなのだろう。
渋さか若さか、自分で判断する時代美容医療を追いかけるように化粧品のシワ改善も進化を見せていて、今年1月にもシワ改善の先駆けの先駆けであったポーラが、また新しい先行美容液をデビューさせた。そういう手段が次々と生まれるほどに、人の目がシワのない顔に慣れてきて、シワシワの顔に違和感を抱くようになっているのは否めない。
いや、逆にこういう見方もある。美容医療が当たり前になった時代だからこそ、そういうものに頼らず、年齢にしがみつかずに、時の流れを自然に受け入れ、上手に歳を重ねていく人こそが尊敬される時が改めてやってくるはずという。
シワを消すことはできるけれど、やはり不自然さは否めない。それが常識になったとしても、男性を見る目はまだそこには追いつかないのだろう。とは言え、シワ自体が美しくないのは事実。そして、最低限のスキンケアがシワの進行を遅らせてくれるのもまた確かで、それならばときちんと手入れしたシワは少なくとも、キタナくはみえないはず。
いずれにせよ、今はどちらも選べる時代。シワを消すこともできるが、消さずに年齢なりの美しさを追求することもできる。正直この先、どんな価値観が生まれてくるか今はわからないからこそ、自分自身でどう判断するか、渋さか若さか、それが問われる時代となっているのだ。
齋藤薫/KAORU SAITO美容ジャーナリスト、エッセイスト。美容記事やエッセイのほか、化粧品開発やアドバイザーとしても活躍している。著書に『されど“男”は愛おしい』(講談社)、『“一生美人”力セカンドステージ─63の気づき』(朝日新聞出版)など多数。
文・斎藤薫 イラスト・川上貴士 編集・橋田真木(GQ)
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