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苦戦続くバニャイア、転倒響きノーポイントに。広がるM.マルケスとの差/第6戦フランスGP

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苦戦続くバニャイア、転倒響きノーポイントに。広がるM.マルケスとの差/第6戦フランスGP

 5月11日、2025年MotoGP第6戦フランスGP MotoGPクラスの決勝レースがル・マン-ブガッティ・サーキットで行われた。ドゥカティ・レノボ・チームのマルク・マルケスは2位表彰台を獲得し、フランセスコ・バニャイアはスタート直後の転倒が響き16位とノーポイントで終えることとなった。

 前戦の第5戦スペインGPで、バニャイアはリヤウイングなどの新パーツ導入などデスモセディチGP25にアップデートを施しており、スプリントと決勝ともに3位を獲得していたが、戦闘力不足に苦言を呈していた。「バイクのポテンシャルを最大限に引き出せない」とも語り、週明けに実施されたヘレス公式テストでも改善に努めていた。

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 そして迎えた今大会、初日にフィーリングの向上が見られたようでプラクティスを3番手で終えたが、予選ではミスがあり6番手、さらにスプリントでは上位を走行していたが2周目に転倒を喫してしまった。バニャイアは「残念だけど、フロントエンドのフィーリングはまだ理想のレベルに達していないから引き続き作業を続ける必要がある。これまでとは違う走り方を試していて、かなりうまくいっているけれど少し限界に近い状態だ」とコメントしていた。

 対照的に、マルク・マルケスは「バイクのフィーリングは常にとてもポジティブだ」と語り、予選では2番手を獲得してスプリントは開幕6連勝を飾るなど変わらずの好調ぶりを発揮。初日こそあまり差はなかったものの、予選以降は大きく明暗を分ける結果となってしまった。

 そして決勝は予選日までとは異なり、降雨に見舞われウエットコンディションの下でのレースとなった。開始早々から赤旗が掲示され、さらに仕切り直し後のサイティングラップでは数台がマシンを乗り換えるためにピットインするなど大波乱の展開に。ドゥカティ・レノボ・チームもバニャイアはそのままレインタイヤでグリッドについたが、マルク・マルケスはサイティングラップ後にスリックタイヤに履き替え、ふたりは異なる戦略をとっていた。

 サイティングラップ後にタイヤを替えると、レギュレーションによりダブルロングラップペナルティを科せられてしまうため、巻き返しを図るバニャイアはそのままステイを選択。さらにレースペースにも自信があったようで、上位フィニッシュだけでなく、今季初優勝も狙うべくこの戦略を採っていたのだろう。

 ところが、レース開始直後にエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)との接触により、スプリントに引き続きクラッシュを喫してしまう。なんとか自走でピットに戻りマシンを乗り換えて走行を継続したが、すでに周回遅れとなってしまっていた。それでもチャンピオンシップのためにも、1ポイントでも持ち帰るために懸命に後方を走り続けたものの、16位とわずかに及ばずノーポイントで終えることに。そんな彼はレース終了後に次のように振り返った。

「最初からどんなことがあってもコースアウトしないという戦略だったんだ。残念ながらスタートで大きくスピンしてしまい、スロットルを閉めざるを得なかった。1コーナー手前で数人のライダーにパスされ、その後エネア(・バスティアニーニ)と接触してしまった。こういうことは起こり得ることだ」

「特に、同じレースでスリックタイヤを履いているライダーとレインタイヤを履いているライダーがいると、スピードが大きく違うからね。バイクのダメージもなくピットインせずにすぐにコースに復帰できていれば、トップ5でフィニッシュできたはずだから残念だよ。本当に今日はすべてがうまくいっていなかった」

 一方のマルク・マルケスはレース中にロングラップペナルティを消化し、さらに雨が降り出したタイミングで再度マシンの乗り換えを行ったが、初日からの好ペースを味方につけ2位表彰台を手にした。これにより、マルク・マルケスは2位に22ポイント差をつけて、ポイントリーダーに返り咲いた。バニャイアとの差は51ポイントに広げる結果となった。

「最大の目標は集中力を維持することだった。このようなコンディションでは、小さなミスがレースの敗因となるからね。路面はとても滑りやすく、タイヤが最高のパフォーマンスを発揮するにはまだ雨の量が足りなかった」

「レースで最も難しかったのは最後の5周だったよ。他のライダーが近くにいない状況で、特にメンタル面で状況をコントロールすることが非常に重要だったんだ。バイクの性能は素晴らしかったけれど、ウエットコンディションでは何が起こるか分からない。今日はミスをしなかったから、結果には満足しているよ。シーズンはまだ長いけどね」

 今季からドゥカティ・レノボ・チームに加わり、開幕戦から絶好調なマルク・マルケス。一方で表彰台こそ獲得できるものの、今季初優勝をなかなか手にできていないバニャイア。ふたりの状況は大きく異なっており、明らかな差があることも確かだが、ミスや転倒が続いているのはバニャイアの多少の焦りが出てきているのかもしれない。

 ヨーロッパラウンドでなんとしても今季初優勝を挙げて、取りこぼしを少なくしてポイント差を縮めて王者を奪還したいところ。バニャイアにハマる空力パーツとフロントのフィーリングを早く見つけて、次戦以降はマルク・マルケスとバニャイアの元王者同士のバトルとチャンピオン争いを展開することに期待したい。

[オートスポーツweb 2025年05月13日]

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みんなのコメント

4件
  • kiy********
    厳しいですね。マルクだけじゃなくアレックスやアルデゲルにも存在感で上をいかれている感じで。
    イタリアメーカですが、ライダーは完全にスペイン勢になっちゃってますね。
  • yuz********
    正直ドカティのおかげで勝てた部分が大きいのかも
    このままだとアレックスどころかアルデゲルにさえ抜かれかねない
    それによる焦りがミスを呼び、、、の悪循環になりそう
    申し訳ないが長い事ドカティに乗っているという利が薄れてきてる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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