日本時間6月16日、2025年F1第10戦カナダGPの決勝レースが行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポール・トゥ・ウインで自身通算4勝目となる今季初優勝を飾った。
2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にはF1初表彰台となる18歳アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は12位となった。
カナダ東部のフランス語圏・ケベック州モントリオールに位置し、地元の英雄の名を冠したジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台に迎えた第10戦。スタートタイヤは上位グリッド勢を中心に11台がミディアムタイヤ(イエロー/C5)をチョイス。
7番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)、8番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)を含む後続を中心とした9台がハードタイヤ(ホワイト/C4)を選択した。
70周の決勝レースは気温23度、路面温度50度、湿度29パーセントというコンディションでスタートを迎えた。ポールシッターのラッセルがホールショットを守り、2番手フェルスタッペンと続く。
ターン3では4番グリッドスタートのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がピアストリをパスし、3番手に浮上。また、18番グリッドスタートの角田(ハードタイヤ)は母国グランプリを迎えたカナダ出身、ランス・ストロール(アストンマーティン)をパスし、17番手でオープニングラップを終えた。
メルセデス勢がワン・スリーという好位置でレース序盤を迎えたが、3番手アントネッリはフェルスタッペンについていくことができず、2台のギャップは4周目には2秒開く。また、首位ラッセルもハードプッシュを見せるが、2番手フェルスタッペンはピタリと背中に張り付き、ラッセルのDRS圏内をキープする。
ただ5周目ごろ、3番手アントネッリに蓋をされるかたちとなった4番手ピアストリに対し「プランB」という無線が飛んだ。マクラーレンの無線が関係したか否かは定かではないが、6周目にはフェルスタッペンとラッセルのハードプッシュは収まり、2台のギャップは1秒以上に広がる。
タイヤを温存するべくか、上位勢のほとんどがDRSを使用できない1秒以上のギャップを前後に開けながらの周回が続く。ただ、ペースを下げたフェルスタッペンは12周目時点でラッセルに2.4秒のギャップを開けられ、さらにはアントネッリが0.4秒背後まで接近。
その直前にタイヤのフィーリングを聞かれた際に「脆いよ」と答えていたフェルスタッペンは13周目というピレリの予測よりも2周早いタイミングでピットインし、ハードに履き替えた。
フェルスタッペンからのアンダーカットを防ぐべく、ラッセルは翌14周目にハードに履き替えるとフェルスタッペンの前を守る。ミディアムタイヤ勢はペースダウンが顕著となり、ピレリの予測から2周という17周目にはミディアムスタートの上位勢は軒並みハードタイヤに交換を済ませた。
これで、ハードタイヤスタートのノリスが首位、ルクレールが2番手でレースをリード。ルクレールから2秒後方に3番手ラッセルが位置する状況に変わった。
以下、4番手フェルスタッペン。5番手アントネッリ、6番手ピアストリ、7番手ルイス・ハミルトン(フェラーリ)、8番手エステバン・オコン(ハース/ハードスタート)、9番手カルロス・サインツ(ウイリアムズ/ハードスタート)、10番手角田(ハードスタート)というオーダーで、一時均衡状態が続く。
ハードタイヤスタート勢のペースが落ち始めた25周目、ラッセルがルクレールをパスし2番手に浮上する。翌28周目にルクレールはピットに滑り込むと2セット目のハードタイヤに交換。ただ、ルクレールは「この判断は理解できない」と無線を飛ばす。
30周目には同じくハードスタート勢のノリスがピットに滑り込み、こちらはミディアムに交換。これでラッセルが首位に返り咲く。なお、ノリスはルクレールの前5番手でコースに復帰すると、ファステストペースで周回。ただ、コース復帰時点で4番手ピアストリとは7秒以上のギャップが開いていた。
上位勢が1回目のタイヤ交換を終えると、均衡状態が続く。ただ、ハードタイヤに履き替えたドライバーのなかではメルセデス勢のペースが良く、ラッセルはフェルスタッペンに5.6秒。フェルスタッペンからアントネッリは0.8秒差まで急接近。
タイヤのデグラデーション(性能劣化)の崖を迎えたのか、フェルスタッペンは38周目に2度目のピットインを敢行し、ハードに交換。翌39周目にはアントネッリがハードタイヤに履き替える。
一瞬はアントネッリがオーバーカットに成功したものの、ターン2立ち上がりでフェルスタッペンが前に出る。さらに、アントネッリがアウトラップでペースが上がり切らない間に、フェルスタッペンは1秒以上のギャップを築く。
ラッセルは43周目に、ピアストリは46周目、ノリスは48周目にそれぞれ2度目のピットインを敢行しハードタイヤに交換。一方、フェラーリは「ミディアムであまり周回させたくない」としてルクレールをステイさせ続けるが、ルクレール自身は「僕はミディアムはいい選択だと思うけど?」と無線を返す。
その無線が国際映像で流れた翌周の54周目にルクレールはミディアムに履き替え、10秒先を走る5番手ノリスの背中を追う展開になった。これでラッセルが再び首位に返り咲くが、2秒後ろにはフェルスタッペンが迫っていた。
また、3番手アントネッリの1秒以内にピアストリが接近。アントネッリはこの攻防からポジションを守ることができれば初表彰台獲得となるだけに、見応えのあるシーンも見られた。ただ、バックマーカーをかわすタイミングが訪れ、2台のギャップはわずかに広がる。
その間にピアストリのDRS圏内にミディアムタイヤのノリスが入り、マクラーレン同士のチーム内バトルが激しさを増す。一方、スタートからハードタイヤで走り続け11番手につけていた角田は、57周目にミディアムタイヤに交換すると14番手でコースに復帰する。
66周目、ノリスがターン10でピアストリをかわした。ただ、バックストレートで2台は並走。ピアストリが先行するかたちで67周目のホームストレートを迎えるが、ノリスがピアストリのリヤに追突し、その弾みでノリスがピットレーン側のウォール側にヒットしマシンを止めることに。
これでセーフティカー(SC)導入に。ホームストレートでの回収作業が続くため、ピットレーンを走行するように指示が飛ぶと全車がタイヤを交換する。なお、このSC中にラッセルが急ブレーキを踏み、一瞬フェルスタッペンがラッセルの前に出るシーンも見られた。
結局SCランのまま70周目のチェッカーを迎え、ラッセルが自身通算4勝目となる今季初優勝を飾った。2位にフェルスタッペン、3位に初表彰台獲得となったアントネッリが続いた。
以下、4位ピアストリ、5位ルクレール、6位ハミルトン、7位フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、8位ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、9位オコン、10位サインツまでが入賞となった。角田は12位となった。
なお、入賞圏内のオコン、サインツを含む複数台に対しレース後審議が予定されており、裁定によっては入賞ドライバーが変わる可能性がある。
次戦となる2025年F1第11戦オーストリアGPは6月27日~29日に、レッドブルリンクで開催される。
[オートスポーツweb 2025年06月16日]
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みんなのコメント
つのだくんも優勝とまでは難しいけど上位常連さんにならないと先は無いかもね。
これはチームやマシンの事情もあるけど、相方の結果が結果だけにね