ガソリンには水の原料が含まれている
水素燃料電池が水を排出する仕組みは、水素(H2)と空気中の酸素(O2)が反応して水(H2O)ができます。ではガソリンが燃えてどうして水が発生するのでしょう? ガソリンは炭化水素という物質で、炭素と水素がおもな構成原子です。ですので炭素が燃えれば二酸化炭素ができ、水素が燃えれば水ができます。というわけでマフラーから水が出るのはごく自然なことなのです。
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でも夏はあまり見ないのに冬はとくに目立っている気がしますよね? それはなぜなのでしょう。夏場に息を「ハー」としても白くはなりませんが、冬は「ハー」とすれば、白くなりますよね。それとまったく同じです。冬は水蒸気がすぐに冷やされて水になるのでマフラーから白い煙が出たり、水になったりするのです。
軽油も炭化水素ですから同じように水が発生してマフラーから出てきます。燃料として燃える成分には炭素も含まれていますから、二酸化炭素も発生します。炭素が燃えるときに不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生します。また、高温で燃焼すると空気中に含まれる酸素と窒素が反応して窒素酸化物が発生します。一酸化炭素や窒素酸化物は有毒なものとして規制されていますし、二酸化炭素は温室効果ガスとして問題視されています。
そのほかにマフラーから出てくるもの
燃料も炭化水素ですが、排ガスにも炭化水素が含まれています。排ガスの炭化水素はHCと呼ばれるもので、光化学スモッグの原因にもなります。また燃料中に硫黄成分が含まれていると硫化水素などが発生します。またこのような気体だけ(水分も発生時は水蒸気という気体です)でなく、粒状物質も発生します。これは燃えかすのススのようなものでパティキュレート・マター(PM)と呼ばれます。ニュースなどで聞くPM2.5というのは、その物質の粒子径が2.5マイクロメーター程度の微小粒子物質を指しています。もっと小さなPMも存在しています。
エンジンのなかで発生した水は全部排出されるのか?
燃焼が行われて水が発生するのは当然燃焼室の中です。そのまま全部がマフラーから出てくれば何の問題もありませんが、燃焼で発生した水分の一部はエンジン内部に残ります。その水がどうなるかと言えば、じつはエンジンのオイルのなかに取り込まれるのです。そうやって、取り込まれた水分はエンジンオイルが温まることで再び蒸発して排出されます。
ですのでエンジンオイルが暖まる前に走行を終えてしまうような短距離での使用が連続するのはエンジンにとって厳しいコンディションになります。中には、オイルや水温は低いほうが安心という考えをお持ちの方がいるかもしれませんが、実はそうではなくきちんと適正な温度まで上がり、ある程度の時間が持続されることも大切なのです。
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