スプリント5連勝のマルケス、重要なのは欲望のコントロール？「常に”より多く”を求めるのが長所でも短所でもある」

　ドゥカティのマルク・マルケスは、MotoGPスペインGPのスプリントで勝利。これで開幕から5戦連続でのスプリント優勝となった。

　2番グリッドからスタートしたマルケスは、ターン1に向けてうまく加速したものの、ポールシッターのファビオ・クアルタラロ（ヤマハ）が意地を見せてターン1でインに飛び込み、首位をキープした。

　クアルタラロは逃げ切りを狙ってか、1周目からプッシュしたものの、マルケスはぴたりとそれを追走。そして2周目のバックストレートでバイクを横に並べた。ターン6のブレーキングで粘ろうとしたクアルタラロだったが、挙動を乱して転倒を喫してしまった。

　その後は、2番手を走るアレックス・マルケス（グレシーニ）や3番手のフランチェスコ・バニャイヤ（ドゥカティ）は首位を走るマルケスに仕掛けることもできなかった。

　マルケスは、クアルタラロの転倒をレース後に弟アレックスから知らされるまで認識していなかったと明かした。

「ファビオがクラッシュしたことは、車の中で僕の弟から聞くまで知らなかったんだ」とマルケスは言う。

「ファビオがターン1でやったように、ライダーにオーバーテイクされれば、そのライダーの才能の高さがわかる」

「もう彼を抜いたと思っていたのに、あっという間に抜き返されてしまった。少しずつヤマハのスピードが上がってくれば、彼は最も手強いライバルのひとりになるだろう」

　またマルケスは、弟アレックスとバニャイヤがもっと近づいてくるだろうと予想していたことから、独走レースとなったことに驚いたと認めた。

「僕はここでは、アレックスとペッコ（バニャイヤ）がカタールよりも近づいてくると思っていた。だからすでに奇妙だね」

　マルケスにとって、スペインGPの舞台であるヘレスは2020年にキャリアを左右する大怪我を負った場所でもある。マルケスは良い意味でも悪い意味でも、”より多く”の成果を求めてしまうため、それをコントロールしようとしているという。

「僕のキャリアの長所でもあり、同時に短所でもあるのは、常にもっと多くを求めることだ。そのせいで行き過ぎてしまうこともある。その欲望をコントロールする方法を知らなければならないし、それが今週末のヘレスで自分に言い聞かせていることなんだ」

「僕はポールを獲得し、スプリントとレースで勝ちたい。でもそれができない時もあるんだ。今朝はバイクで2度怖い思いをした。Q2での2回目のアタックで2度の恐怖を味わったんだ」

　スプリントで見せた強さを鑑みると、マルケスにとって決勝レースも自分との戦いとなる可能性がある。マルケスは、何が起きるか分からないと気を引き締めている。

「ヘレスでは（バイクを倒して）路面が45度になった時にバイクが浮き始めると、何が起きてもおかしくないんだ」

Comments

[taka.]

HONDAでの(2013年〜2019年)頃の黄金期を思い起こす勝率と走り。