運営元:外車王SOKEN
著者 :Takuya Nagata
平成生まれの20代のクルマ好きから見た、令和時代の日本のクルマ事情とは?
英国の高級車ジャガーは2026年にEVをリリースする予定です。それに先立ち発表されたコンセプトカーは、まさしく新時代を感じさせるもので人々の度肝を抜きました。新たなブランドといってもいいほど大きく様変わりしているジャガーの今後について、一緒に展望してみましょう。
■新生ジャガーのマニフェストとは?
ジャガーは、EVメーカーに生まれ変わるにあたり、コンセプトカー『Jaguar Type 00』を2024年の年末に開催されたマイアミ・アートウィークで発表しました。「Type 00」の2つの「0」は、「ゼロ・エミッション」とブランドとして新たに出発する「ゼロリセット」を意味します。
それに先立ち、モダニズムに触発された美しくシンプルな独自フォントで「Jaguar」の新ロゴを発表。さらに大きな発表があると予告されていたため周囲の期待は高まっていましたが、お披露目されたクルマの外観は、その期待のさらに上をいく驚くべきものでした。
2ドアクーペで、EVとしてはボンネットが長く、全長は5メートルオーバーです。バタフライドア(シザードア)を採用し、ホイールはアルミニウムの一枚板から削り出したものです。流麗な滑らかさはジャガーの系譜を感じなくもないですが、全体的なフォルムは全くの別物で、ジャガーの象徴的なグリルではなくなっています。前提知識なしで見たらロールス・ロイスかベントレーのクルマかと思ってしまうほど変わり映えしています。
登壇したチーフ・クリエイティブ・オフィサーのジェリー・マクガバン氏は「英国の創造性の先駆者たちは、標準的なものをコピーすることを拒否し常識を覆してきました。同様に『Jaguar E-Type』や『Jaguar XJS』もクルマのデザインの従来のしきたりを打ち破るものでした。それは、まさに憧れの的です」と強調。
●Jaguar Type 00 | Copy Nothing Miami
https://www.youtube.com/watch?v=Zqt7_sd_Sgo
カラーは「ロンドン・ブルー」と「マイアミ・ピンク」の2つ。アートのイベントで一般公開されたのは、意図したものだったのかもしれません。ありきたりな日用品ではなく、アート作品をつくっているというジャガーのメッセージでしょう。
「芸術を称え、華麗なモダニズムのエッセンスを体現しています」。チーフ・エクステリア・デザイナーのコンスタンティノ・セギ・ギラベルト氏はジャガー公式サイトでさらに述べています。「ジャガーに凡庸はありえません。新しいジャガーを初めて見たら、いまだかつて感じたことのない畏敬の念を抱くに違いありません。劇的な存在感があり、イギリスの創造性と独創性のユニークなスピリットをもたらします」
インテリア・デザインにもモダニズムは浸透していて洗練されたイメージがあり、これまでのジャガーの深みと貫禄のある雰囲気とは大きく異なります。
「いつかはジャガー」という感がありましたが、ブランド刷新後は都会派や上昇志向のある若者層に人気を集めそうです。
■常識を覆すのがジャガーの伝統
ジャガーのCEOエイドリアン・マーデル氏は「伝統、芸術性、感情を引きつける魅力をもつ無類の英国オリジナルの高級ブランド。それが私たちが取り戻そうとしているジャガーです。素晴らしい結果になるでしょう」と公式サイトで自信を口にしています。
長年ジャガーに乗ってきたユーザーは、買い替えの際に一瞬ためらう可能性もあるでしょう。ブランドを一新するに当たり、デザインとエンジニアリングの両方を白紙の状態から考え直したということです。
そうしてできあがった『Jaguar Type 00』は従来のジャガーのイメージとはまったく異なります。しかし、それこそがジャガーの伝統の系譜といえるのではないでしょうか。
一見して矛盾するようですが、これまでにも幾度となく常識を打ち破ってきました。そしてかたちづくられたのが、唯一無二の孤高なブランドイメージです。
CCOのジェリー・マクガバン氏も「これまでも、これからも人々の心を揺さぶります。しかし、ジャガーは万人受けは狙っていません。好きな人もいれば、まったく好きではない人もいるかもしれませんが、それでよいのです。怖いもの知らずの創造性とは、そういうものです。それこそが、ジャガーのオリジナルのエッセンスなのです」
創業者サー・ウィリアム・ライオンズは「ジャガーは何かのコピーであってはならない」と生前に語っていました。ジャガーが登場した当時、注目されたのも外観のデザインでした。
新生ジャガーの限定ブランドストアを、まずはファッションの中心地であるパリ8区に出店するあたりもさすが。英国のブランドなので、ロンドンでもよかったと感じますが、芸術性や斬新さを打ち出したかったのかもしれません。
ジャガーのマネージング・ディレクターであるロードン・グローバー氏は「ブランドのDNAに忠実でありながら、未来志向で際立つジャガーの大胆で創造的な新しい個性を作り上げました」と述べています。
やはりジャガーは、ラグジュアリーブランドとしての哲学と戦略が徹底しています。
■2025年に4ドアGTを発表へ。英国の創造的なブランドの再構築
『Jaguar Type 00』は2ドアクーペですが、最初に市販される新生ジャガーのプロダクションモデルは4ドアGTになります。このモデルは2025年後半に発表予定です。
ジャガーが独自に開発したEVプラットフォームであるジャガー・エレクトリック・アーキテクチャー(JEA)が採用され、なんと1000馬力もあります。航続距離は1回の充電で最大770km。15分の急速充電では、最大321kmのも距離を走行できます。ハンドリングが魅力的で、優れた乗り心地を体験できるということです。
2025年から2026年にかけて、ジャガーの量産モデルと市場の反響に注目しましょう。
■まとめ
EVシフトは時代の流れであり、名の知れ渡った伝統メーカーであっても、乗り遅れたら消えてゆくのが無情ながら市場の原理です。
この過渡期にあって、ジャガーのEV計画は注目に値します。
ジャガーは、高級車ですので広く普及することは考えられません。それを前提にして、どのくらい売れるか、人々の心に刺さるのか、若者にフォロワーが増えるか、シニア層はこのノリについてこれるか、といったところが気になります。
伝統を重んじる印象があるイギリスですが「伝統を打破することこそがジャガーの伝統」というのは興味深いです。そして、それを面白がる支持者が連綿と続いてきたからこそ、現在のジャガーがあるのです。
[画像/Jaguar・ライター/Takuya Nagata]
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