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なぜオラオラ顔のアルファードが売れている? 姉妹車ヴェルファイアと人気が逆転した訳

■かつては存在感のあるヴェルファイアが人気だったのに…

 2019年に国内で販売されたクルマの台数をカテゴリ別に見ると、軽自動車が38%を占めます。次に多いのがコンパクトカーの25%で、小さなクルマが国内市場全体の60%以上に達します。

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 いまのクルマは安全装備と環境性能が向上して優れた商品に成長しましたが、それにともない価格も高額化しています。全長が4m前後のコンパクトカーでも、ノーマルエンジン車が160万円から180万円ほど、ハイブリッド車なら190万円から220万円ほどです。

 その一方で1世帯当たりの平均所得は、1990年代の中盤をピークに下がっています。いまでも25年前の水準に戻っていないので、小さなクルマに乗り替えるユーザーが増えました。

 この厳しい市場環境のなかで堅調に売れているのが、高級ミニバンのトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」です。

 売れ筋の価格帯は、2.5リッターのノーマルエンジン車が390万円から450万円ほど、ハイブリッド車は470万円から550万円ほどです。

 両車のうち、アルファードは2019年に1か月平均で5725台を登録しており、これはコンパクトSUVのホンダ「ヴェゼル」やトヨタ「C-HR」を上回ります。

 姉妹車のヴェルファイアも1か月平均で3054台を販売。アルファードとヴェルファイアを合計すると1か月平均で8779台となり、トヨタ「アクア」を上まわって、「シエンタ」や「カローラシリーズ」と同じくらい売れているのです。

 アルファードとヴェルファイアの登録台数を姉妹車同士で比べると、現在は前述のようにアルファードが圧倒的に多いのですが、以前はヴェルファイアが上回っていました。なぜアルファードの方が販売台数が多くなったのでしょうか。

 アルファードは初代モデルが2002年に発売されて、2008年に2代目へフルモデルチェンジしました。このときにネッツトヨタ店の取り扱い車種を、従来のアルファードから新規投入された姉妹車のヴェルファイアに変更しています。

 アルファードは法人顧客の多いトヨペット店の専売車種になり、フロントマスクは落ち着いたデザインでした。一方のヴェルファイアは、ネッツトヨタ店のユーザーが比較的若いことから、アクティブで存在感の強い形状にしました。

 その後の売れ行きは、しばらくヴェルファイアが上回りました。2009年の登録台数は、1か月平均でヴェルファイアが4136台、アルファードは2467台ですから、ヴェルファイアはアルファードの1.7倍売れていたのです。

 ヴェルファイアのフロントマスクは前述の通り存在感があったことから人気を博しました。また、販売するネッツトヨタ店は、全国に約1600店舗を展開。アルファードを販売するトヨペット店の約1000店舗に比べると1.6倍の店舗数があることから、ヴェルファイアが好調に売れるのは当然でした。

 この後もヴェルファイアは、アルファードの約1.5倍のペースで売れ続けています。2015年に現行型へフルモデルチェンジした後も同様にヴェルファイアの方が売れていましたが、アルファードとの差が少し縮まりました。

 2016年の1か月当たりの登録台数は、ヴェルファイアが4515台、アルファードは3697台と、依然としてヴェルファイアが多いですが、アルファードの1.2倍に収まります。

■アルファードの人気は「クラウン」の販売にも影響!?

 そして、アルファードとヴェルファイアは、2018年1月にマイナーチェンジを実施して、フロントマスクにも変更を加えました。ここで流れが変わったのです。マイナーチェンジを経た2018年3月以降は、順位が逆転してアルファードが多く売れるようになりました。

 2018年の登録台数は、1か月平均でアルファードが4901台、ヴェルファイアは3594台でした。アルファードがヴェルファイアの1.4倍売れています。2019年はアルファードが5725台、ヴェルファイアは3054台なので、両車の差が1.9倍に広がりました。

 両車の売れ行きの違いは、対前年比からも明らかです。2018年の対前年比は、ヴェルファイアは93%でしたが、アルファードは増加して139%です。2019年もヴェルファイアは85%、アルファードは117%でした。2015年の発売から3、4年も経過しながら、アルファードは前年よりも多く売れたのです。

 しかも先に述べた通り、アルファードを扱うトヨペット店は、販売店舗数が少ないです。それなのに登録台数は多く、トヨペット店の2019年におけるアルファードの登録台数は、1店舗平均で1か月に5.7台に達しました。これはヴェルファイアの1.9台を大幅に上まわります。

 アルファードが売れ行きを伸ばした一番の理由はフロントマスクの変更で、オラオラ顔ともいえる押し出し感の強いデザインになりました。アルファードとヴェルファイアは、メカニズムや装備をはじめ、グレード構成、価格まで共通です。そうなると売れ行きに違いが生じた原因はデザインしかありません。

 先代型ではヴェルファイアのデザインがカッコイイとされ、アルファードより売れていました。それが2015年に現行型へフルモデルチェンジされると1.2倍の差に縮まり、マイナーチェンジでアルファードが逆転したのです。

 初代と2代目アルファードのフロントグリルは、水平基調ですが、3代目は格子状に変えています。仮面を思わせる凄みの利いたフロントグリルに仕上げました。この時点でヴェルファイアとの販売格差が縮まり、アルファードがマイナーチェンジで個性をさらに際立たせ、ヴェルファイアの売れ行きを上回りました。

 ちなみに2018年1月のマイナーチェンジでは、ヴェルファイアもフロントグリルの形状を変えましたが、アルファードと違って登録台数の上乗せには結び付いていません。ヴェルファイアの場合、ヘッドランプ下側の開口部の拡大が、いまひとつ受けなかったとも考えられます。

 トヨペット店にアルファードの販売動向について尋ねると、デザイン以外の意見も聞かれました。

「最近は『クラウン』からアルファードに乗り替えるお客さまがおられます。テレビなどで、政治家や実業家などの著名人がアルファードを使う様子が報道され、アルファードのイメージアップに繋がったようです。またクラウンのフルモデルチェンジが影響したことも考えられます」

 クラウンは2018年6月に現行型へフルモデルチェンジしましたが、売れ行きが好調とはいえません。発売から1年を経た2019年中盤以降の月別登録台数は、前年の40%から60%にとどまります。新型クラウンに不満を感じたユーザーが、最近のイメージアップもあり、法人需要の多いトヨペット店のアルファードに乗り替えた影響もあるでしょう。

 そしてこの傾向は、今後さらに強まることが予想されます。東京地区に続いて、2020年5月以降には全国的にトヨタの全店が全車を扱う体制に移行するからです。

 クラウンからアルファードに乗り替えるには、従来は基本的に販売店もトヨタ店からトヨペット店に変える必要がありましたが、2020年5月以降はトヨタ店でもアルファードを自由に買えるようになります。そうなると乗り替えが一層進みます。

※ ※ ※

 それにしても自動車ビジネスは難しいです。価格が400万円から600万円に達する高額商品なのに、フロントマスクのちょっとした変更で売れ行きが大きく変わるからです。

 先進の安全装備で販売が影響されるなら、商品開発を入念におこなえば良いですが、デザインは違います。

 アルファードもヴェルファイアも、売れ行きを高めるためにフロントマスクを変えましたが、販売面では明暗を分けました。巨額の費用を投じて開発と生産をおこなうのに、どの程度売れるかは曖昧なのです。

 そんな危ういところもあるからこそ、クルマには底知れぬ魅力が宿っているのかも知れません。

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