12月11日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テスト/ルーキーテストは2日目を迎えた。最終日となる3日目はSF決勝レースの出走経験が4戦未満のルーキードライバーの専有走行となるため、これまでスーパーフォーミュラに参戦してきた選手にとっては2日目のテストが2025年シーズン最後の走行日となった。
ここでは全ドライバーが参加して行われる取材セッション『メディアミックスゾーン』より、2日目の走行を終えたドライバー6名の声をお届けする。なお、今回のテストではジャック・ドゥーハン(KONDO RACING)のメディア対応は予定されておらず、ミックスゾーンにも姿を見せていない。
ウゴチュクウが脅威の最速もスピンで赤旗終了。ドゥーハンはデグナーで3度目クラッシュ/SF鈴鹿テスト3日目午前
■国本雄資(KDDI TGMGP TGR-DC)
2024年限りでスーパーフォーミュラのシートから退いた2016年王者の国本。2025年はJRPの開発テスト車両のドライバーを務めたほか、シーズン終盤の2ラウンドではKDDI TGMGP TGR-DCにドライビング・アドバイザーとして加わっていた。
そのTGMGPでは、28号車の小林可夢偉が他スケジュールの関係上、初日のみの参加に。そのため、2日目はアドバイザーの国本がステアリングを握ることとなった。
「僕としては今年のレギュラーふたり(最終戦時点では小高一斗と野中誠太)を乗せてあげたほうがいいんじゃないかと提案したのですが、『彼ら若手より経験があるし、現状を知ってチームに貢献できないか』という話で、僕が乗ることになりました。ふたりのドライバーには、ちょっと申し訳なかったのですが」と国本。
マシンが抱えている課題点を実際にフィーリングとして感じられたといい、現状としては「ちょっと戦えるレベルではない」という認識に至ったという。
「ただ、昨日可夢偉くんが乗っていい方向に持って行けたし、そこから今日はどんどん(セットアップを)進めていくことはできたと思います」
SF23開発車両をドライブしているとはいえ、合同テストでチームカーに乗ることはまったく別の体験でもあるようで、「レギュラードライバーたちや、FIA F2など海外から来ているドライバーと一緒に走れるのは刺激的で良かったです」と充実感も滲ませる。
「ただ、疲れましたね(笑)。開発テストとコースが違うのも大きいですし、あとはやっぱり考えることもすごく増えます。午前中は大丈夫だったのですが昼の時間には考えることも多くて、すごく疲れて一回寝ました。午後はちょっと、体力的にきつかったです」
なお、28号車は3日目のルーキー枠に小山美姫が搭乗するが、そこへ向けたセットアップや基準の設定などは走行目的には入っていなかったという。3日目は再びアドバイザーへと戻り、小山と小林利徠斗の走行を外から見る立場となる。
■鈴木斗輝哉(Kids com Team KCMG)
TOYOTA GAZOO Racingドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)育成ドライバーである鈴木。2025年シーズンはFIA-F4でチャンピオンを獲得し、フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップではランキング2位という輝かしい成績を残している。そんな鈴木は当初3日目からの走行を予定していたが、カッレ・ロバンペラの体調不良により急きょ2日目からKids com Team KCMGの8号車をドライブすることになった。
「正直、出番が来るとは思っていませんでした。(チームは)そんな状況で2日目も走れるように準備してくれることになり、(初日の夜は)一回ホテルに帰っていましたが、21時ごろに鈴鹿サーキットに戻ってシート合わせなどの準備を行いました」と、突然の出来事で慌ただしく2日目のテストを迎えた鈴木。初めて乗ったスーパーフォーミュラのマシンについては「めちゃくちゃ速かったです」と素直な感想を語った。
「今シーズンはFIA-F4とフォーミュラ・リージョナルに参戦していて、スーパーフォーミュラ・ライツもほとんど乗ったことがありませんでした。スーパーフォーミュラのマシンはダウンフォース量やパワー、グリップ力の高さが違うので、びっくりしました」
鈴木にとって、今回が初めてのスーパーフォーミュラドライブということもあり、セッション中にはコースオフする場面もあった。そのシーンについても「クラッシュは良くありませんけど、クルマの限界値を知らないなかでのプッシュだったので、限界値を知ることができたのは今後につながる良い経験でした」とポジティブに捉える。
しかし、同時に「あのラップはかなりうまく乗れていたので、勿体なかったとも思っています」と言い、19歳の若手らしく悔しさも覗かせた。
翌日のルーキーテストに向けては「今日ダメだった部分や、上位を走行しているチームメイトの山下(健太)さんからアドバイスをもらい、クルマの感触やタイヤの使い方を学ぶことで、来季参戦するカテゴリーに活かしたいと思います」と意気込んだ。
■福住仁嶺(docomo business ROOKIE)
テスト1日目に引き続き、今回はdocomo business ROOKIEから参加している福住。2日目午後のセッション4では最終アタックでトップタイムを記録し、チームが変わっても調子の良い走りをみせた。
その福住は「昨日と今日ともにフルで乗りました。今日は午前中が昨日と比べて風向きやコンディションがすごく変化していて、全然バランスが変わっていました」と2日目を振り返る。
テストの感触については「午前はバランスとしてはまだまだタイムが出ていませんが、ニュータイヤのタイムはまずまずでした。午後はロングランを挟みながら、ショートランでもいろいろと試していました」と続ける。
「最後(トップタイム)は、あそこまでタイムが上がるとは予想していませんでしたが、チームと考えてアジャストしたことが多少良い方向にいきました。イエローフラッグで少し気が散ってしまった部分もありましたけど、テストとはいえ14号車としてトップで終わることができたので嬉しいです」
また福住は、2025年をともに戦ったKids com Team KCMGとの違いについて「クルマとしては全然違いますね。良いところも悪いところもあるので、悪い部分はまだまだ治さないといけません。実際、気温が高くなったときは辛そうなので、もっと直していきたいと思います」と今後の課題を見据えた。
ちなみに、スーパーフォーミュラでは今回のテストから燃料流量リストリクターが従来の90kg/hから88kg/hへと絞られている。このことに対しては、ミックスゾーンで隣に座った牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とともに「おっそい(笑)」と口を揃えた。
「昨日走り始めたときはびっくりしました。そこからいろいろと調整を行い、最終的にはマシになりましたけど、もともと(絞られる前)を知っていると少し物足りなさを感じています」
「(SF23は)ダウンフォースがそれなりにあるクルマですが、最初は下位カテゴリーかと思うくらい遅く感じました。コーナーは速いですけど、タイムはなかなかですことが難しい状況だと思います」とシビアに評価していた。
■太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
最終戦までタイトルを争いながらも、ランキング3位で2025シーズンを終えていた太田。最後はここ数年得意としてきた鈴鹿で、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)に力負けする形となったわけだが、今回のテストでは“速さ”を追求するプログラムが組まれたようだ。
「基本的には、予選パフォーマンスの底上げを目標にしてやってきました。ただそれだけではなく、全体的に何ができるのかを考え、とくにセットアップの部分でいろいろとやった感じです」
「最終戦とそれほど違わない気候のなかでテストができました。順位的にもある程度上にはいますがそれだけでなく、内容的も満足できるものが結構あったのでそこはポジティブかなと思います」
最終戦で悔しい思いをしたTEAM MUGENに対するギャップについては、このテストでは意識していないという。
「いまできることは相対的に比較することではなく、僕たちのなかで絶対的なパフォーマンスを上げること。今回のテストの順位がどうこうというよりは、『僕たち自身が冷静に分析して前に進んでいるどうか』というところに集中しています」
■荒尾創大(ThreeBond Racing)
2021年に鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS/現在のホンダレーシングスクール鈴鹿(HRS))のフォーミュラクラスを首席で卒業した荒尾。その後は海外レースに参戦し、2024年からは全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権に参戦している19歳だ。
2025年はDELiGHTWORKS RACINGでスーパーフォーミュラ・ライツのシーズン序盤を戦い、今回の合同/ルーキーテストにはThreeBond Racingから参加。初めてのスーパーフォーミュラドライブを果たした。
SF23での初走行については「難しいです。ライツやF4だと少しのミスを修正することは簡単ですが、スーパーフォーミュラだと(クルマの)動きが速いので、少しのミスが大きくなってしまいます。マシンが速い分ブレーキの調整も難しいので、明日以降に詰めていきたいと思います」と語り、トップフォーミュラの難しさを実感した荒尾。
テストでは「午前は習熟ということでセットアップ変更をすることなく、自分自身のドライビングを見つめ直していました。午後はクルマのセット変更を行いつつ、自分のドライビングも合わせて詰めていきました」とメニューを振り返る。
その荒尾だが、2日目午後のセッション4ではアウトラップ直後にマシンストップに見舞われる場面があった。このときの状況は「うしろから複数台のクルマが来ていたのでライン取りの邪魔にならないようにしていました。でも、S字のひとつめからスロー走行をしているとマシンがアンチストールに入ってしまうので、S字の外側から内側に行こうと加速したときにスピンしてしまいました。後方に意識が行き過ぎたのが原因だと思います」とのこと。
3日目のルーキーテストに向けては「自分なりにフィードバックを行い、セッティング面でも少しずつ詰めていきたいと思います。ドライビング面は上がり幅がすごくあると思うので、まずは自分がうまく走ることができるように、データを確認しつつ頑張りたいと思います」と目標を語った。
最後に荒尾は「来季はまだ何のカテゴリーに参戦するか決まっていませんけど、今回のテストは非常に貴重な機会なので、今回の経験を来シーズンに繋げていきたいです」と自身のテスト初日を締めた。
■坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
11月の鈴鹿最終大会ではライバルの逆転を許してスーパーフォーミュラ連覇を果たすことができなかった坪井。今回のテストでは2日間トータルで136周を走り込み、さまざまなセットアップを試したという。
「いろいろ試して……疲れましたね」と苦笑いをみせた坪井。それほど、今回は新しいトライをたくさんしたようだ。
「今までやったことのないセットアップもやりました。それらを組み合わせたセットアップで満足いくアタックはできていないですけど、その中で新しく見つかったものがあったので、しっかりと精査して次のテストに備えられるようにしたいです。これから整理をしないといけないですけど、これをどう組み合わせていくかが大事だと思います」
また、今回から導入されている新燃料の国産セルロースエタノール混合低炭素ガソリン(E10)と、燃料流量リストリクターが従来の90kg/hから88kg/hに絞られたことについては、坪井も変化を感じていた様子。
「最後の方は体もだいぶ慣れてきたのでそこまで違和感はなかったですけど、最初乗った時は『遅っ!』という感じでした」と振り返るが、彼も新燃料の影響というよりは燃料リストリクター変更の影響が大きいのではないかと考えていた。
「例年、冬の鈴鹿テストでは1分35秒台が出ているなか、今回は1分37秒前半なので1秒以上は遅く、パワー感は若干ないのかなと。ただ、それは燃リスの問題だと思いますね。GTでの経験を踏まえると『こんなものかな』という感じでした」
[オートスポーツweb 2025年12月12日]
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みんなのコメント
来年空くトリプルなんとかのシートどうですかね。ちゃんとしたSFファン増えると思います、