今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「メルセデス・ベンツ SL55 AMG」だ。
メルセデス・ベンツ SL55 AMG(2003年)
メルセデス・ベンツのフラッグシップ スポーツカーといえば、SL。以前に当時のトップグレードだったSL500に試乗したとき、「SLにはもっとスゴいグレードがある」と紹介したのだが、そのスゴい「SL55 AMG」が日本にもやって来た。
●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)
SL55 AMGはSL500をベースにAMGがチューンしたハイパフォーマンスモデルだ。AMGに関しては、クルマ好きの人たちには説明は不要だろう。メルセデス・ベンツのチューナーとしてレースなどで名を馳せたAMGは、現在はダイムラー・クライスラー(編集部註:当時の社名)に吸収され、メルセデス・ベンツの一部門としてハイパフォーマンスモデルを製作している。
エクステリアは、あまり大げさなドレスアップは施されていない。AMGがデザインしたフロントスポイラー、サイドスカート、リアバンパースポイラーに、22本スポークのアルミホイールを装着しているくらい。これ見よがしなリアウイングなどは装着しなくても、空力的には問題ないということなのだろう。
インテリアでは、SL500ではウッドパネルだったセンターコンソールなどにはアルミニウムを配し、専用デザインの本革スポーツシートやステアリングを装着し、SL500でも十分にスポーティかつゴージャスだったインテリアが、さらに上質なものに仕立てられている。
パワーユニットは、車名のとおり排気量は5.5L。これにインタークーラー付きスーパーチャージャーを装着し、最高出力は500ps! 最大トルクも71.4kgmと、SL500よりなんと194psと24.5kgmもパワーアップされている。組み合わされるトランスミッションは5速ATのままだが、ステアリングにはパドルシフトも備わる。
今回は短時間の試乗で高速道路をクルーズしただけだから、そのパフォーマンスの一端までも味わえたとはいえないだろう。だが、発進からわずかにアクセルペダルを踏み込んだだけでもハンパのないトルクで加速する。少し空いた道で、一瞬だけフル加速を試みると、メルセデス・ベンツには似つかわしくない轟音を響かせ、ものすごい勢いで身体がシートに押しつけられて加速を始めたので、すぐにやめておいた。
パワーアップに伴い、リアアクスルやブレーキは強化されているという。たしかに、ブレーキの効きはすごく良かった。電子制御サスペンションのABCもセッティングされ直しているそうで、SL500よりも硬さは感じるものの不快なレベルではない。
ヴァリオルーフを閉めてクローズドクーペにしても、開けてフルオープンにしても、スーパースポーツカー並みのパフォーマンスが味わえる。それも、メルセデス・ベンツとAMGによる高い信頼性もプラスされて。21世紀のスーパースポーツカーとは、こういうクルマになっていくのだろうか。
SL55 AMGの車両価格は、SL500より320万円高の1600万円。庶民レベルで考えるとSL500でも十分以上なのだが、さらなるパフォーマンスを求めるミリオネアには、このSL55 AMGでも満足しきれないかもしれない。
■メルセデス・ベンツ SL55 AMG 主要諸元
●全長×全幅×全高:4535×1830×1295mm
●ホイールベース:2560mm
●車両重量:1970kg
●エンジン形式:V8・3バルブSOHCスーパーチャージャー・FR
●排気量:5438cc
●最高出力:368kW(500ps)/6100rpm
●最大トルク:700Nm(71.4kgm)/2750-4000rpm
●トランスミッション:5速AT
●タイヤ:前255/40R18、後285/35R18
●車両価格(当時):1600万円
[ アルバム : メルセデス・ベンツ SL55 AMG はオリジナルサイトでご覧ください ]
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダが「新型SUV」発表! トヨタ「ハリアー」サイズの「“クーペ”ボディ」採用! 斬新デザインがカッコイイ「e:NS2」中国で予約受付開始へ
「ランクル250販売前線」悲喜こもごも?? 意外に多い「辞退客」とは? ディーラーごとに対応は千差万別だった
マツダのETC取り付け位置に唖然……色々あってフツーの場所なったけど戻した方がよくね??
「盗まれた」県が怒りの声明 県道の工事現場から“かなり重い資材”が複数 被害総額300万円超
日産が新型「和製スーパーカー」初公開へ! 1300馬力超えの「“R36型”GT-R!?」! “匂わせ”デザイン採用の「Hフォース」中国登場へ
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?