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ガソリン車とEVのイイトコ取り Mk8.5 フォルクスワーゲン・ゴルフ eハイブリッド(2) 無理なく変化の波へ

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ガソリン車とEVのイイトコ取り Mk8.5 フォルクスワーゲン・ゴルフ eハイブリッド(2) 無理なく変化の波へ

7代目ゴルフ GTEと同等のパワー 主役はモーター

大幅なアップデートを受けた、8代目フォルクスワーゲン・ゴルフのプラグイン・ハイブリッド、eハイブリッド。駆動用バッテリーの充電量に関わらず、頼もしい動力性能を発揮してくれる。それでいて、運転のしやすさや洗練性、エネルギー効率も磨かれた。

【画像】無理なく変化の波へ Mk8.5 VWゴルフ eハイブリッド サイズの近いハイブリッドたち 全158枚

フル充電状態なら、フロントタイヤがスピンしかけるほど活発。充電が切れても、発進加速はアップデート前より鋭い。システム総合で203psという最高出力は、7代目ゴルフ GTEと同等なのだから、納得の速さといえるだろう。

発進時は、専ら駆動用モーターが担当。ドライブモードをスポーツにしても、1.5Lターボエンジンは必要な場面でしか回転しない。静止状態からフル加速を試みると、エンジンの出力をフロントタイヤへ伝えるのに、僅かに苦しそうな場面はある。

一方、優しくアクセルペダルを傾けていれば、80km/hまでは駆動用モーターで対応できる。それ以上の負荷になると、エンジンがそっと静かに始動。タコメーターの針の動きで、お目覚めを確認できる。その存在感が目立つのは、高回転へ上昇した瞬間程度だ。

快適性重視 ルートを選ばず熟成感が滲む走り

流れの速い郊外の一般道や高速道路では、やはりエンジンの出番は多くなる。それでも、軽負荷時にはストップし、電気だけで走れる時間は短くない。

複雑で重いパワートレインが載るため、よりシンプルなハッチバックと比較して、自然さや軽快さは薄いかもしれない。それでも、GTEより快適性重視のゴルフとして、ルートを選ばず好印象な走りを叶えている。

乗り心地は優しく、グリップ力は頼もしく、姿勢制御は安定。ステアリングの反応は正確で予想通り。適度に機敏で、走りには熟成感が滲む。伝統のゴルフならでは、といえる充足感だろう。荒れた路面では、僅かに落ち着きを欠く場面はあるけれど。

DCCアダプティブダンパーはオプションだが、路面への対応力が広がる。積極的にカーブへ突っ込んでも、姿勢制御が追いつかなくなることは殆どない。ダンパーを引き締めるとボディロールが抑えられ、通常以上の操縦性のバランスを楽しめる。

800km以上走っても減ったガソリンは半分

運転支援システムは、英国仕様では中級トリムグレード以上で標準。制限速度警告は、システムをオンにする度に有効になる。だが車線維持支援と同じく、タッチモニター上部に表示されるメニューで、望まなければ簡単に無効にできる。

ドライバー監視機能は、過敏ではなく好ましい。「トラベルアシスト」アダプティブ・クルーズコントロールの動作は、自然で優秀。ステアリングホイールの握り方へ、寛容なのもポイント。1週間お借りしたが、衝突被害軽減ブレーキの誤作動もなかった。

今回は800km以上走行し、サーキットも周回させてみたが、ガソリンタンクは半分しか減らなかったことが驚き。駆動用バッテリーだけで走れた距離は平均105kmで、電費は5.4km/kWh。これは、同クラスのバッテリーEVに並ぶ効率の良さといえる。

バッテリーEVのライバルにもなり得る能力

従来のガソリン車だけでなく、バッテリーEVのライバルにもなり得る能力を得た、プラグインHVのゴルフ eハイブリッド。電気で走れる距離は充分長く、急速充電は50kWと高速で、実際の燃費も素晴らしい。最も多様性の高いゴルフといえるかもしれない。

普段使いの範囲では、バッテリーEVのように利用できる。それでいて、エンジンのお陰でより遠くも臆せず目指せる。3万7135ポンド(約724万円)からと、英国でのお値段も身近なところにある。オススメは、中グレードのスタイルだが。

このゴルフなら、大きな転換期にある現在において、無理なく変化の波へ乗れるように思う。頼もしさは、フォルクスワーゲンらしく揺るぎない。

◯:電気で走れる距離の長さ 市街地での燃費 穏やかで快適性を優先した動的特性 適度にコンパクトで実用的
△:ガソリンエンジンのゴルフより2割ほど高価 狭くなる荷室 部分的に質感が届いていない内装

フォルクスワーゲン・ゴルフ eハイブリッド・スタイル(英国仕様)のスペック

英国価格:4万715ポンド(約794万円)
全長:4282mm
全幅:1789mm
全高:1483mm
最高速度:220km/h
0-100km/h加速:7.2秒
燃費:333.3km/L
CO2排出量:6g/km
車両重量:1517kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:19.7kWh
最高出力:201ps(システム総合)
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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