この記事をまとめると
■全日本ダートトライアル選手権では年間にどのくらいの活動予算が必要なのかを直撃
「FFのBRZ」に「スバル製エンジン搭載のMR-S」! 魔改造車がゴロゴロ参戦する全日本ダートラD1クラスが注目必至!!
■勤務先からの補助を活用して100万円以下の予算でやりくりしている選手もいる
■ダートトライアルは参加型のBライスポーツとして魅力的なカテゴリーといえる
全日本ダートトライアル選手権へのシリーズ参戦はいくらかかる?
モータースポーツはクルマを使った競技であるがゆえに、ほかのスポーツよりも活動予算が高くなる傾向にある。ましてや全国を転戦する全日本選手権ともなると、クルマやタイヤといったハード代だけでなく、交通費や宿泊費といった遠征に対する費用も必要となってくるが、ダートトライアルの国内最高峰シリーズ、全日本ダートトライアル選手権では、年間でどのくらいの活動予算が必要になるのだろうか?
というわけで、ここでは4月5~6日、広島県のテクニックステージタカタを舞台に開催された第2戦で、数名のドライバーを直撃。ベース車両の購入費に加えて、ダートコースを走行するための必要な装備、たとえばロールケージやアンダーガード、ダンパー&スプリング、ホイールなど改造費も最低で100万円以上の出費が必要となることが予想されるが、じつは年間予算は意外とリーズナブル(?)で、コストパフォーマンスが高いカテゴリーとなっているようだった。
かなり低予算で活動を行っているのが、トヨタ・ヤリスを武器にPN1クラスに参戦する峯岸伸也選手だ。なんと峯岸選手の年間予算は75万円で、その内訳について「エントリーフィーが約5万円×8大会で約40万円、タイヤが4本で6万3000円、2セットで12万6000円、エンジンオイルやミッションオイルなどの油脂類が1万5000円×4回で6万円、 あとは宿泊費とガソリン代、高速代です。自分はNEXCOの子会社で交通管理隊という仕事をやっているんですけど、レジャーとしての宿泊が1泊×4000円まで補助されるので、かなり宿泊費が安く抑えられています」とのこと。
さらにPN1クラスは改造範囲が狭いことから、峯岸選手のヤリスは「車両の制作費は70万円ぐらいです」とのことだ。
「金曜日と月曜日も休んでいるので、その日程調整が大変ですが、ダートトライアルの会場にくれば、いろんなジャンルの人と知り合えるので走行以外の部分でも楽しいです。ゴルフやジェットスキーなど、どんな趣味でもお金がかかりますし、ダートトライアルは1度、車両さえ作ってしまえば年間の走行コストはそんなにかからないので、コストパフォーマンスは高いと思いますよ」とのことで、峯岸選手は競技生活を満喫している。
一方、改造範囲が狭くても4WDモデルになるとかなり参戦コストはアップするようで、三菱ランサーを武器にNクラスに参戦する細木智矢選手は「年間予算は約150万円です。エントリーフィーが44万円、タイヤ代が11万円、飛行機代が24万円、フェリー代が14万円。あとは宿泊費や高速代、ガソリンなどになりますが、メカニックがボランティアで手伝ってくれているので、本当ならもっとかかっていると思います」と語る。
加えて車両に関しても「このランサーはダートトライアル用に作られていたクルマを買ったんですけど、最初から作るとするとパーツ代や工賃を含めて改造費に300万円ぐらいはかかると思います」とのことで、ベース車両の代金を考えると、参戦初年度はまずまずの予算がかかることになりそうだ。
とはいえ、細木選手によれば「燃料の供給設備の会社で働いているので、仕事の日程調整が大変ですけど、3Dのような動き方を楽しめるのは、ダートトライアルだけだと思います。コントロールする面白さがあるし、走行だけではなく、洗車や部品の情報交換などトータルで楽しめます」とのことで、独自の魅力が満載となっている。
ダートトライアルは高コスパなモータースポーツだった
また2WDの改造車で争われるクラスもまずまずの予算が必要となっているようで、ナンバー付きモデルを対象とするSA1クラスにスズキ・スイフトで挑む河石 潤選手も「車両の改造費用に200万円ぐらいかかっていますが、それを除くと年間の活動予算は150万円ぐらい。内訳としてはエントリーフィーが40万円、タイヤが8万円、宿泊費が13万円、高速代とガソリン代で36万円ぐらいで、あとはメンテナンスの工賃などになりますね」と解説する。しかし、「海運業の会社に勤めているんですけど、幸い自分は管理職なのでリモートワークを使いながら調整しています。ダートトライアルは舗装と違って走るたびに状況が違うから飽きることがないし、走るたびに新しい発見があるから面白い。海外旅行にボーナスを注ぎ込んだりする人がいることを考えると、ダートトライアルはコスパがいいと思います」とのことで、河石選手はダートトライアルを満喫している。
一方、ナンバーなしの2WDの改造車で争われるD1クラスは、SA1クラスよりも活動予算が少ないケースもあるようで、スズキ・スイフトで同クラスに挑む鶴岡義広選手は「最初は改造範囲の狭いPNクラス用のマシンとしてスイフトを作ったので、そのときの改造費用が100万円ぐらい。その後、ナンバーなしの改造車にしたときに30万円ぐらいかかりましたが、活動予算は年間で130万円ぐらいです。僕はチームの積載車で一緒にクルマを運んでもらっているので、移動の部分は助かっています」と語る。
建設業の会社に勤める鶴岡選手もやはりスケジュールの調整に苦労を重ねているようだが、「ダートコースでアタックできるし、しかも国内最高峰のステータスのなかで走れますからね。それに同じコースでも毎回コンディションが違うから、純粋にドライビングが楽しいです。年間130万円は安いと思うよ」とのことだ。
また、ナンバーのない4WDの改造車で争われるSCクラスはかなりのコストがかかっているようで、三菱ランサーで同クラスに挑む岩下幸広選手は「車両の改造費用に関してはピンキリで、どこまで材質変更して軽量化を行うかで変わってきます。それこそ、かけようと思えば1000万円をかけることもできますが、僕は自分で作業をやったりしているので、比較的に改造費は抑えられていると思います」とハード面について解説した上で、年間の活動予算については次のように説明する。
「だいたい170万円ぐらいですね。エントリーフィーが48万円、タイヤが16万円、フェリー代が30万円、高速代とガソリン代で70万円、あとはホテル代とかですね。僕は測量設計の会社で働いているんですけど、会社から積載車を借りているので、その部分は助かっています」
さらに岩下選手は「積載車を借りられるかどうか、自分でトラックを運転できるかどうかで改造車クラスのコストは変わってくる。逆にナンバー付きの場合は保険や車検代がかかってくるので、その維持費を考えると年間の活動予算は改造車クラスのほうが安くなる場合もありますよ」と説明する。
「ダートコースを思いっきり走れるのはこのカテゴリーだけですし、いろんな業界の人と知り合いになることもできる。ダートトライアルは健全な趣味だと思います」とのことで、岩下選手は今後も九州から全国へ遠征する日々が続くことだろう。
以上、駆け足で紹介してきたが、全日本ダートトライアル選手権にはJAFの国内B級ライセンスを取得すれば参戦可能で、しかも活動予算もクルマさえ用意すれば、その後は年間100万~200万円ぐらいで参戦可能である。その後もマシンを壊さなければ、数年間にわたって国内最高峰シリーズに参戦できることから、まさにダートトライアルは参加型の“Bライスポーツ”としてもじつに魅力的なカテゴリーといえるのではないだろうか。
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みんなのコメント
カートとでも大変らしいね。
それを思うと二輪モータースポーツはまだお安く出来る・・・怪我のリスクは段違いだが。
一生懸命作り上げた車が翌日に無惨な姿になって積載で戻ってくることはよくある。箱替えとなればエンジンミッションデフを降ろし用意したクルマに移植