車内でミーティング!? マツダ CX-8 東京拘置所バージョンが生まれた理由は？

2021年12月2日、東京都葛飾区小菅の東京拘置所にて、法務省特別機動警備隊指揮官車のお披露目式が開催されました。

法務省特別機動警備隊は、刑務所や拘置所ほか少年施設において、暴動や火災等の災害や不測の事態に陥った際に、早期に事態の収束を図るため、2019年に東京拘置所に常設された、隊長以下約60名で構成された組織です。刑事施設内でのコロナウイルスクラスター対応や、2019年の豪雨災害時の復旧活動、2021年3月7日に発生した伊豆山土砂災害の際には、自衛隊や自治体消防、警察と共に被災地において救助復旧活動に参加しています。

その特別機動警備隊の指揮官車に、マツダ「CX-8」が選ばれました。「XD スマートエディション 7人乗り 4WD」をベースに、外装色を自衛隊機に近い青と日の丸の赤に塗色したMOJ（法務省矯正局）仕様とし、ルーフ上に赤色灯、フロント及びリアにはLEDストロボフラッシュをそれぞれ左右2個ずつ装備。これらをサイレンとともに点灯させることによって、緊急走行が可能な車両です。

特別機動警備隊の緊急走行は、不測の事態に対処するため、隊長以下指揮官、隊員らが現場に急行するために行われます。また、災害時など一般市民が危機に瀕し、国や自治体から出動の要請があった際には、速やかに専門の部隊を派遣する必要があるため、緊急走行を行うことも想定されています。

車両調達担当者は、「法務省初の緊急自動車登録の乗用車であり、前例もない車両のため、企画製作について苦慮しましたが、CX-8に車両が選定された以降は、マツダの協力のもとに車両架装を進めることができました。」と話します。

CX-8が選ばれた理由ですが、車両調達プロジェクトの始動時から、ディーゼルエンジン車で悪路走破性の高い4WDの3列仕様車の設定があったため、有力な候補にあがっていたようです。

ディーゼルの4WDの理由は、災害時にはガソリンより軽油燃料の方が確保しやすく、特に土砂災害時の不整路走行時は高い悪路走破性が必要になることが想定されるためで、3列7人乗り仕様については、護送に使用する可能性や、逃走者の連れ戻しの際に人が乗れること、さらには指揮官と幹部のミーティングスペースとしての用途も想定されるためです。SUVであるCX-8の車内でミーティングをするのは少々窮屈な気もしますが、任務遂行のため、広さより悪路走破性能が優先されています。

緊急時の活動を想定して選ばれたCX-8のディーゼル4WD。何より人命が最優先という特別機動警備隊の活動において、今後の活躍が期待されます。



（※）ベース車両の参考スペック
【 CX-8 XD スマートエディション（7人乗り・4WD）2021年モデル 】
全長×全幅×全高＝4900×1840×1730mm
ホイールベース＝2930mm
車両重量＝1880kg
乗車定員＝7名
駆動方式＝4WD
エンジン＝2.2L 直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボ
最高出力＝147kW（200ps）/4000rpm
最大トルク＝450Nm（45.9kg-m）/2000rpm
トランスミッション＝6速AT
WLTCモード燃費＝15.4km/L
使用燃料＝軽油
サスペンション＝前：マクファーソンストラット式
　　　　　　　　後：マルチリンク式
タイヤサイズ＝225/65R17（アルミホイール）
車両本体価格＝375万6000円（消費税込）

Comments

CX-8はいい車だと思いますが、車内ミーティングとか考えるならディーゼル&4WDのデリカD5の方が適しているような気がします。

しらんがな