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日産、三菱、アルピーヌも生産 仏ルノー工場でタイヤを運ぶ人型ロボット『カルビン』(前編) 不気味なほど人間そっくりの動き

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日産、三菱、アルピーヌも生産 仏ルノー工場でタイヤを運ぶ人型ロボット『カルビン』(前編) 不気味なほど人間そっくりの動き

重労働を淡々とこなす「新入社員」

ちょっと想像してみてほしい。アザラシの赤ちゃんを持ち上げる場面を。体重40kgもある、ずいぶん大きなやつだ。

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さて、あなたの仕事が、箱からそのアザラシの赤ちゃんを拾い上げ、ベルトコンベアに乗せることだと想像してみてほしい。愛らしくぽっちゃりしたその生き物を、ほとんど休憩も取らずに何時間も連続でラインに運び続け、場合によっては夜通し作業することになるかもしれない。身体は丸々としていて柔らかいので、しっかりと掴むのは難しい。骨の折れる仕事だ。ほとんど人間離れしていると言えるだろう。

もちろん、これは仮定の話だ。しかし、ルノーのドゥエー工場で働く従業員にとっては、それほど誇張した話でもない。この工場ではいずれもEVとなる、『5』、『セニック』、『メガーヌ』、アルピーヌ『A290』、日産『マイクラ』、三菱『エクリプス・クロス』が次々と生産されている。

新入社員のカルビンは、運搬車から生産ラインへタイヤを移す作業に汗を流している。そこから、タイヤはホイールと組み合わされ、車体に取り付けられるのだ。タイヤ一組の重さは赤ちゃんアザラシとほぼ同じで、丸い形をしているため、複数個をまとめて持ち上げるのがとてつもなく難しい。

これを1分間に4回、8時間続ける。つまり1シフトで4000本近くのタイヤを持ち上げるのだが、間違いなく世界屈指の過酷な労働であり、これを職業とするのはほぼ不可能だ。

もともとは人間用に作られたもの

ルノーは、このような従業員の作業負担を軽減する方法を模索していた。単純な解決策は、人間を完全に使わないようにすることだろう。しかし、従来の産業用機械を工場の狭い一角に据え付けるのは難しく、作業効率もおそらく人間には及ばない。

そこで次善の策として選ばれたのがロボットだ。しかし、ルノーはテスラや中国企業から購入するのではなく、意外な企業に目を向けた。1年前、ルノーは下半身不随患者向けの動力式外骨格を製造するスタートアップ企業、ワンダークラフト(Wandercraft)と契約を結んだ。

映画『エイリアン』でシガニー・ウィーバーが着用していた衣装の簡略版のようなこの装置は、車椅子や介護者を必要とする人々に自立を取り戻させることを目的としている。しかし、人間向けに設計されているため、人間の動きをそっくり模倣することもできるのだ。

過去1年間に4パターンの設計をテストした結果、ついに完成した。その名は『カルビン(Calvin)』。アイザック・アシモフの小説に登場するキャラクター、スーザン・カルビンにちなんで名付けられた。AUTOCARの取材班は、工場に実戦投入されたばかりのそれ(あるいは彼女と呼ぶべきだろうか?)が稼働するところを目の前で観察することができた。

自分で考える自律型ロボット

不気味なほど人間らしい姿をしたカルビンは、重量90kgで、アームを使って最大40kgまでの荷物を運ぶことができる。アザラシの赤ちゃんや、かなり太ったゴールデン・レトリバーにほぼ相当する重さだ。

2台のカメラと45個のセンサーから取得した情報を人工知能(AI)で処理し、22基の高トルクモーターを自由自在に制御して、あらかじめ定められた任務を遂行するために必要なあらゆる行動をとる。

世界中の工場でよく見かける自動運転車両とは異なり、カルビンは工場内をあらかじめ決められた経路に沿って移動するのではなく、独自のルートを切り開いて進む。ワンダークラフト社の共同創業者ジャン=ルイ・コンスタンザ氏は、カルビンに「A地点、B地点、C地点へ行き、戻ってこい」と指示するのではなく、単に「これが君の仕事だ。ここへ行き、あそこへ行き、自分でやりくりしろ」と伝えるだけだと説明する。

作業内容は単純で、あの箱を拾ってここに運ぶ、あのタイヤをラインに載せる、といった具合だ。しかし、荷物がずれたり落下したりと、さまざまな状況が起こりうるため、カルビンには5本指の手は備わっていない。

手は多くの作業を行う上で非常に便利だが、このような専門性の高い作業にも最適というわけではない。カルビンにはタイヤや箱の内側の縁を掴むように設計されたトレイが備わっており、荷物を落とすことなく動き回れる。

よろよろ歩き、ぷるぷる震える

話を聞く限りではかなりワクワクさせられるし、実際に工場に入るとさらに期待感が高まる。カルビンは夜行性なので、筆者が訪問したのは午後11時。深夜にもかかわらず、工場は活気に満ちていた。

ドゥエー工場は昨年、生産量を2倍以上に増やしたため、夜勤はフル稼働状態だ。集中力が散ってミスを招く恐れがあるため、ライン作業員には絶対に話しかけないようにと注意事項の説明を受ける。頭上をドアや車体、車輪が行き交い、ドローンが床を駆け巡ってネジや金具などを必要なタイミングで届ける様子に、圧倒されてしまう。

そして、目的のエリアに到着し、バズボールを飲みすぎた大学の新入生のような歩き方をしているカルビンを見つけた時の驚きときたら……!

カルビンは大股でゆっくりとした足取りで、「ブーン」とか「カチカチ」という音を立てながらラックへと向かう。そしてタイヤを2本拾い上げ、隣のコンベアへとよろよろと歩いていく。

続いてカルビンは、イングランドのサポーターがPKスポットに立つハリー・ケインを目撃して以来見られなかったような震えと格闘しながら、タイヤをラインの上にどさっと置いた。少し退屈そうな中年の従業員が2本のタイヤを分け、次の工程へと送り出した。

(翻訳者注釈:この記事は「後編」へ続きます。)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

1件
  • *******
    汗を流してるって書いてあるが、ロボットだと何だろう?
    オイル滲んでんのかな笑
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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